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 赤ちゃん用の離乳食って訳にもいかないしなぁ……うーん。ご飯沢山あるからふりかけのおにぎり作ろうかな。それならヒイラギも食べられる筈。そうと決まったら早速作りだす。ワカメのおにぎり二個と鮭のおにぎり一個を。

 後はカレーを温めて……でもヒイラギが起きてからでいいかな? 温めてもヒイラギが起きる頃に冷めていたらまた温める事になって面倒だし。それまで何していようかな……。思えば今日はのんびりと満喫する筈だったんだよなあ。まさかヒイラギが小さくなっちゃうなんて想像も出来なかった。

 私もヒイラギと一緒にひと眠りしようかな。いや、それで逆にヒイラギより早く起きられなかったら駄目か。……ヒイラギが起きるまでお兄ちゃんとお喋りでもしていようかな。ヒイラギの事を見ていられるしね。こういうのを一石二鳥って言うのかな?

 和室に入ればヒイラギは相変わらず眠ったまま。寝相は良い方らしく、部屋を後にした時とあまり変わってはいなかった。どんな夢を見ているのだろう。とても幸せそうな顔をしている。見ているだけでも何だか飽きない。


「お兄ちゃん、このまま本当にヒイラギが戻らなかったらどうしよう。いや、一週間位ならまだ平気だけどそれ以上延びたらって思うと……ちゃんと付き合っていけるのかなって」


 返事は来ない。当たり前だ。こうやってお兄ちゃんと会話して返事が来た事なんて一度もない。だからいつもはたから見れば私の独り言になってしまう。


『二度と彼が元に戻らなくても大丈夫だよ、紗千ならきっと。任せて、今原因を探している所だから。待っていて』

「お兄ちゃん!?」


 初めて聞こえたお兄ちゃんの声。何年も聞いていなかったからか、それはとても懐かしく感じて涙が出そうになってしまう。

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