第五十二星 黒の閃光と白の閃光
戦闘描写って好きなんだけど書くのは苦手……
上手く表現できずに技を連打するとかになっちゃう…
等倍速度下での高速戦闘。
加速状態での戦闘に近いけれど違う。
具体的に言えば、攻撃を第三者視点で見た場合に振りかぶった状態で動いている時間が長い。
……それを視える人が少ないというのは置いておいて。
その普通では姿が見えない速さとそれ故に光同士のぶつかり合いに見えることから“光戦”と呼ばれることがある。
ギンッ!!
「「っ…!」」
加速下ではないとはいえ高速戦闘をしているのは間違いなく、更に加速下とは違って一度距離を取ってから衝突するというのを繰り返している。加速下と同じような速度だけではなく座標移動という位置エネルギーが関係するもの。それだけ運動エネルギーが乗った武器の一撃など重いに決まっているしその重さに対する反動も凄まじいに決まっている。
加速戦に比べて動きも見切りやすい光戦。一見利点がないように見えるけれど───
「“氷の刃”、“火の刃”…!」
「“水の刃”……!」
ボイスコマンドによって私の左の剣に火、右の剣に氷の属性が宿る。陛下の大鎌には水の属性が。
「“大火焔”!!」
「“強水流”……じゃっ!!」
…とまぁ、こんな風に加速中じゃないからこそボイスコマンドを認識してSi Skillが使えるのは確かな利点。
今使ったのは私が大火焔、陛下が強水流。属性相性的には私が不利。…だけど
「“爆弾種”!!」
「ぬっ……!」
「“開花”───否、“満開”!!」
着弾した種から大量の花が咲く。それを少し焦った表情で避ける陛下。それを見て私は静止する。
陛下は避けた後息を吐き、私をじっと見つめる。
「例外属性に対し特殊な効果を与える“派生”…そのさらなる強化、“第二派生”。やはり脅威じゃのう。術式と術式を繋ぐ“連鎖”もそうじゃが、必要な星素量が少ない“派生”のほうがよっぽど脅威じゃの。」
「……」
「…じゃが。その第二派生を扱える人間は非常に少ない。派生というのはそもそも高度な術式。高い属性操作能力を要求するからのう。第三派生、第四派生などもってのほかじゃ───それをいとも簡単に扱えてしまうのが、そなたの呪いじゃがの……」
……この世界の人間が起動可能な派生の限界は第二派生までと言われている。それ以上はどう頑張っても人間に扱うことはできない……そう、言われている。
それを可能としてしまうのが“四段派生行使適性”。別名としては高位派生容易の呪い。
第一派生は使おうとすれば割と誰でも使える。だけど第二派生以降は使える人が非常に少ない。第三派生以降など能力……呪いとまで言われる程には少ない。……だから、私はザニアの子達に第一派生しか存在を教えなかったんだけど。
「……“一団圧縮槍”」
「む」
「多重展開」
無属性のSi Skill。複数の槍で出す火力を1本の槍に圧縮するもの。多重展開で槍の数を増やし───42本の槍を形成する。
「“付与・全───四重”」
「ほほぉ……」
各属性2本ずつ。矛先は総て陛下に。
「四重……やはり、強くなっておるのぉ。」
「……余裕そうだね」
「そうでもないのじゃが……」
そう見えるものかのう、と言って大鎌を振り上げる。
「“冥王星の荊”」
冥属性第六段階Si Skill……陛下の冥属性適性値は6───つまり最高値だったから使えることに違和感はない。
確か……陛下の適性は日:5、月:4、天:6、冥:6、無:5、想:3、罪:6と結構高水準だったはずだし。
紫色の禍々しいオーラを纏う荊が陛下の鎌に絡みつく。それを見て私は弓を引くかのような動作をする。
「射出」
小さく呟くと同時に待機していた槍が一斉に陛下に襲いかかる。着弾と同時に強く炸裂、普通であればただじゃ済まない───けど。
「───まだまだじゃっ!!」
陛下はこの程度で落ちるほど柔じゃない。軽く対処されたことよりも先に私が気をつけなければいけないのは───禍々しさを増したその大鎌!!
「───“死喰いの鎌”!!!」
「───“幻の叫び声”!!!」
私を中心に発生した音波が陛下の大鎌を弾く。死は生きるモノに与えられるものであり生きぬモノ───それこそ実像……もっと言えば霊魂を持たない幻に効くはずなどない。
大鎌が弾かれるのとともに大きく後ろに退いた陛下はじっと私と自分の大鎌を見つめたあと大鎌を背中に背負った。
それを見た私も刀を背中の鞘に納める。
「……“死神鎌”」
「……“星光剣”」
発動させたのはSi Buildの一種。私達の異名を象徴するかのような名のSi Skill。
闇の大鎌と光の太刀。構図だけ見たら私が勇者に見えるような気もするけど……どちらかと言えば私は死すべきモノ。倒されるべきモノ───だから、役割的には逆だ。
残り体力は約三割。それは陛下も同じこと。…だから、これで終わらせるつもりだ。
「……集え星の光。空に輝く満天の星よ。」
「……聖なる夜に現れたるは壮麗なる星羅。」
「護られるべき宙の景観───」
「夜天に光あり、されど夜天に不可思議なる闇あり。」
「不可思議なる闇、即ち星侵す獣の喰らいし地。」
「麗しき星天、喪われるものならず───」
私と陛下で交互に詠唱しているのはあの技の詠唱。
「「星侵す獣よ、死に絶えよ。」」
詠唱しながら体勢を低く。
「「裁きの星光にて、無に還れ。」」
地面を蹴る。
「「我ら流星、星羅を護る騎士と謂われ───!!!」」
獲物を私は引き、陛下は振りかぶる。
「「───“スターナイト・ジャッジメント”!!!」」
陛下が軽い跳躍からの袈裟。私は低い姿勢からの逆袈裟。
同じタイミング、刃が真っ向から重なるように放たれたそれは眩いほどの火花を散らし、そして───
天皇陛下の属性適性が割と暗めっていう…
イメージとしては“執行者”とか“死神”みたいな感じだったりもするので間違ってはいないのかもしれない…




