表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/75

71話 左翼での戦い

カウラたちが魔人と戦う一方で,左翼では咲も魔人と戦っていた。


正確には,咲ともう一体の精霊である。


「そっち行ったわよ,シヴァさん」


「ウガァァァァ」


 その精霊,シヴァが吠えると周囲に炎の柱が発生した。


「くそ。なんてやつらだ」


 そう言いながら後退するのは魔王四天王の一人,ガーガート。


「全くだ」


 答えたのが同じくフークーリン。


 

 だが魔王四天王の彼らをしても,咲とシヴァを攻略する手段が全くと言っていいほど見つからなかった。


 フークーリンが槍で切りかかる。


 だがそれを咲は手に持っている大剣で受け止めると,そのまま押し返してしまった。


 そしてそのまま切り込む。ガーガートがその手に持つ盾で二人の間に入ろうとするが,それはシヴァの炎魔法によって阻止された。


 シヴァが大きく息を吸う。


 そしてそれは炎のブレスとなって放射された。


 炎が野原を焼き尽くす。


 ガーガートが急いで盾を展開し,フークーリンを守るが,盾にひびが入ってしまった。


 だが,シヴァの吐く炎はまだ収まらない。


「まじかよ」


 だけどーーー


 ガーガートは思う。


 本当に恐ろしいのはあの精霊じゃない。少女の方だ,と。


 

 その瞬間,炎の中から咲が飛び出してきた。


 ガーガートはいそいで盾で守る。


 しかし


ガン。バキ。


 咲の剣が彼の盾を砕いてしまった。


そしてそのまま大剣がガーガートを切り裂く。


「まずは一人ねぇ」


 悪魔のような声が聞こえた。



 くそ。これは俺に勝ち目がないかもな。


 フークーリンは思う。


 だが,何とか魔王様に役には立てないだろうか。


 そうだ,あの咲という女を鑑定してみよう。そうすれば何か弱点が分かるかもしれない。


 そう思ったフークーリンは鑑定魔法を発動する。


 一番怖いのはあいつにレジストされることだが,はたして・・・。


 よし,成功だ。


 だが,この結果にフークーリンは戦慄することになる。


 

種族:ヒューマン

Lv:80

HP:5,423,545/6,500,000

MP:0/0

攻撃力1,500,000

物理防御力300,000

特殊防御力150,000

素早さ800,000

スキル:魔法無効(Lv10)

    剣術(Lv9)


 なんだこれは。


 俺ですらHPは3,000,000くらいしかないんだぞ。


 それなのにこいつは・・・。


 こいつは頭がおかしいんじゃないか?


 その瞬間,フークーリンからやる気が抜けていく。


 こいつは,おそらくだが魔王様クラスで強い。俺ごときが勝てるはずがない。


 じゃあ,俺は何のために生きてきたんだ。ここで死ぬためか?


 否。俺はここで死ぬような人材ではない。


 俺は,もっと輝けるはずなんだ。


 そのためには,なんとしても勝たなくては。たとえ泥水をすすろうと生きなくてはいけないんだ。


 フークーリンは槍を捨てる。


 そして咲の方へ歩み寄った。


「なあ,お嬢さん。いままですまなかった。俺が間違っていたよ。だから,許してほしい」


 そして土下座をする。


「どうか,この通りだ」


 咲が歩み寄る。


 そして,


 ゴス。


え?


 彼の首を切り落とした。


「遅すぎるよ,魔人さん」


 こうして左翼の戦闘が終わった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ