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062話 首都エルトにむかう件

 今回は短いです。あとあとがきが長いです。


 さて,野営をしてから一晩たった今,俺は馬車に乗っている。この国の首都であるエルトにむかうためだ。


 ここまで来るまでに,魔物と何回か戦闘になった。


 まあ,俺とカウラがいれば余裕で勝てるのだが。


 今馬車はある程度補装された道を走っている。


 ちなみにこの国はエンラルドというらしい。俺が知らないと言った時に,カウラにすごく驚かれた。だって,今まで生き抜くのに必要なかったんだからしょうがないじゃないか。



 さて,そんなくだらない話をするのはやめにして,今はこれからのことについて話していこう。


 そういえばエルトって首都だけどどのくらいの町なのかな。


 もしかしたら日本の東京くらいの規模かも知れない。


 そう思った俺はカウラに聞いてみることにした。


「そうか。さきほどこの国がエンラルドだと知らなかった時点で教えておくべきだったな。エルトだが,その人口はおよそ150万人。この世界でも屈指の大都市だ」


 そうなのか。東京が900万人くらいだから,それよりは圧倒的に少ないな。だが,それでもこの世界で屈指の町になるのだから,この世界は地球より人口が少ないんだな。


 やはり魔物の存在は大きいようである。


 俺がそんなことを考えていた時,バカンドから,


「もうそろそろエルトに着くぞ」


 と言われた。ようやくか。楽しみだ。


 

 俺が外を見ると,遠くに無数の家の屋根が見えた。


 その奥にはここからでも見えるくらい大きな白い門と壁が広がっている。



 周りを見ればいつの間にか俺たち以外の馬車が増えていた。どうやらどの馬車もエルトに行くようだ。


 そして俺たちは町に近づく。あたりには少しずつ家が増えてきた。どうやら特に検問もなしに町に入れるようだ。


「そうだな。だが貴族街に入るには検査があるぞ」


 そうだったのか。多分冒険者ギルドは貴族街にはないだろう。


 特に貴族街に入る機会はないだろうな。それに日本にいたころの影響から貴族にはいい感情がないしな。


 そして馬車は補装された道に乗る。


 するとドンカバさんが,前から顔を出した。


「いまから私たちが行くのはこの街の馬車のターミナルですよ。この街は馬車のまま入るには許可が要りますからね」


「分かりました」


「そこからは歩きになりますよ。私たちは近くに宿を取りますから,どうぞ楽しんできてください」


 宿のお金はあるのだろうか。俺がそう思っていると,ドンカバさんが荷台から袋を取り出した。


 あれは確か山賊が持っていた袋のはずだが。


 そして中から銀貨を取り出す。どうやら山賊のアジトから持ち出したようだ。


 さすが異世界だな。死人に口なしってか。こわいこわい。



 そして馬車はエルトに入った。


 


 ---欲望と悪意がはびこるこの街にーーー







 場所は変わって,ある屋敷にて。



 二人の男たちはワインを飲む。


「さて,例の少年たちは今どうなっている」


「なあに,心配することはない。しっかりと見張りをさせているよ」


「で,今どこにいるんだ」


「ふふ。そう焦るな。今はエルトに入ったと連絡があった」


「エルトか。確かエンラルドの首都だったな」


「そうだな。そして我らの宿敵のいる場所でもある」


 それを聞いたもう一人の男は急にワイングラスを握りつぶす。


 中に入っていたワインがカーペットにシミを作った。


「そうだ。そうだよ。我らの宿敵,あやつがいる場所だよ。なぜ忘れていたのか。あいつが,あいつさえいなければ・・・」


「まあ,そう怒るな。だが,今はチャンスではないか」


「どういうことだ」


「だって,宿敵と厄介者が同じ場所にいるんだろ。チャンスじゃないか」


「そ,そうか。ここを一気に叩けば,俺の悲願は,俺の野望は一気に果たされる」


 男は立ち上がった。

 

 そして部屋をうろつきまわりながらぶつぶつとつぶやく。


「ここは俺の部下にやらさせるか? いや,魔物を呼ぶのが最善策?」


 それを見ていた男はワインを一飲みすると,歩き回る男に話しかける。


「おい,ミラノ」


 ミラノと呼ばれた男は心底ウザそうに,


「なんだ。今大事なところだから黙っていろ」


 と吐き捨てる。だが,男は止まらない。


「確かお前の秘蔵のあれがいなかったか」


「まて,なんのことだ」


 男は少しイライラしながら,


「だから,お前が前に捕まえたと自慢してきたものがあっただろう」


 といった。



「そうだ。そうだった,なぜ忘れたのか。俺にはあいつがいたんだ。あいつなら確実に復讐してくれよう。あの


―――精霊王なら」


 そう言ってミラノはもう一人の男のことなど忘れたように部屋から駆け出していく。


 

 一人残された男は,ゆっくりとワインをグラスに注ぐ。


 一口飲むと,


「全く,これだからサルは無能で困る。そうは思わないか?」


 とつぶやくのだった。


 すると,どこからともなく,


「まったく,あなたがそうしたのではないですか」


 と返ってきた。


「そうだったな」


 男は苦笑いする。


「ですが今回の件,良かったのですか?」


「精霊王を使って,か」


「はい」


「仕方ないだろう。彼らはあまりにも強すぎる。それに風竜王と別れた今が攻め時だ。彼女なら最悪でも相打ちにはしてくれるだろう」


「そうですか。ならいいのですが」


「さて,私の仕事をしようかな」


 そう言って男は立ち上がる。


「かしこまりました」


 そして男は出ていった。


 今回で章が完結しました。


 そして現実世界がすごく忙しいくなってきています。


 そこで,少しの間本編の更新をストップし書き溜めていきます。こちらの都合ですいません。


 また,その間は全く更新をしないというわけではなく,幕間の物語を出すかもしれません。


 これからもご愛読していただければ幸いです。


  


 また,誤字報告助かっています。チェックはしているのですが,漏れてしまって申し訳ないです。これからもよろしくお願いします。




 

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