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051話 これからの話

毎日投稿できないとはいったい⋯⋯。

~サイド 連~


 俺は今何を見ていたのだろうか。


 俺がミーナに負けてから恐ろしく色々なことがあった。


 魔王が現れカウラさんが戦闘に参加し,ミーナがこっち側につき,そして風竜王が出現した。全く,もう腹いっぱいだよ。


 そして驚くことに弘樹と風竜王が戦い始めた。最初は弘樹がどれだけ耐えれるかわかんなかった。だけど俺はすぐに驚愕の事実を目の当たりにする。


 弘樹の周りを非常に濃い魔力が覆うと,そこには龍がいた。俺は最初何が起こったのかわからなかった。


 だけどすぐにあれは弘樹だ,と気づいた。だって人間の言葉を弘樹の声で話始めたからな。見ると立夏や勝も口をあんぐりと開けていた。


 そして戦闘が始まった。


 それはもう異次元としか言いようがない。龍同士の戦いがこんなにも激しいなんて思いもしなかった。多分相手が風竜王だからだが。でもその相手ができる弘樹は何なんだ。


 俺は前に見た地竜王と風竜王の戦いを思い出す。だけど風竜王の力は前以上な気がした。 そして弘樹の大規模な魔法が風竜王にあたる。


「やったか」

「これはもう勝ちでしょ」

そんな声が聞こえた。フラグだからやめろって。


 そして風竜王はそのフラグをきっちりと回収してくれた。爆発が収まると,そこには風竜王がいた。それも雷をまとう姿で。絶対あれは強化されていると思った。


 なにより周囲に竜巻やら雷やらが発生している。町のそばには発生してないが,遠くの森などは運悪く発生していたようで木々が巻き上げられていた。



 風竜王が弘樹を押し始める。今までは防戦一方だった風竜王が今度は攻めまくっていた。


 このままではマズイと思った時,弘樹の動きが止まる。そして空間が大爆発した。それは周りの雷や竜巻も破壊していく。だがその魔法が晴れたとき,弘樹の動きは止まった。


「よけろーーー」

気付けば俺はそう叫んでいた。だが弘樹は動かない。もうだめだ,と思った時,どこからともなく炎の塊が弘樹に接近していた。


 あれは確か弘樹が使った魔法のはずだ。だがなぜ戻ってきたのだろか。


 そして爆発が起きる。だが風竜王には効いていないようだった。すると弘樹の姿がどんどん小さくなる。そして,竜人になった。


 その竜人は爆発の中に入っていく。そしてすぐ,もう一つ爆発が起こった。


 その竜人が,弘樹が爆発から出てくる。そしてあたりから風竜王の気配が消えた。


 立夏たちはかたずをのんでその様子を見ている。そして爆発がなくなると,そこには龍はいなかった。


 だが俺は一人の少女が空中から落ちていくのが見えた。とっさに走り出そうとする。だが見ると弘樹が先に行ってくれているようだ。


 弘樹が少女をキャッチする。そしてゆっくりと降りてきた。どうやら俺たちの勝ちのようだ。弘樹が腕を上げる。すると


「ウォォォォォ」

「新しい英雄の誕生だ」

「ひ・ろ・き・ひ・ろ・き」

「こっちむいてーーー」

町から声が聞こえてきた。どうやらみんな祝杯ムードのようだ。まあ,聞きたいことは山ほどあるが,ひとまずはあいつに拍手をしてやろう。


 最初は俺しかしなかった拍手だったが,次第に広まっていきしまいには大喝采になっていた。そんな中弘樹がこっちにむかって歩き出してくる。これは俺が迎えてあげなきゃな。


 そして俺は歩き出した。


~サイド ヒロキ~


 俺は地上に降りると少女を抱きかかえたまま町にむかって歩き出す。向こうからは連が来ているようだ。


 いやぁ,どうしよう。みんなから拍手をもらいながら降りてきたのはいいけど,俺何もしてないよ。ただ俺に挑んできた風竜王を倒しただけだよ。


 むしろ俺がいなかったら風竜王はここにこなかったからむしろ疫病神なのでは? まあ,余計に火種を作っても意味はないし,このことは黙っておくか。


 そして連は俺の前までやってきた。


「な,なぁ,弘樹」

なんだ,こいつは。前までの威勢のよさはどこに行ったんだ。

「俺的には言いたいことはたくさんあるんだけどよ,まずはありがとな」

全く,すなおじゃないな,こいつは。でもよしとするか。

「それで,いくつか聞きたいことがあるんだけど,聞いてもいいか」

全く問題ないな。むしろこいつには全部話しちゃって一緒に胃を痛めてもらうか。


「まず,お前は人間か?」

「違うな。俺は正確には魔物だ」


 どうしよう,これから連たちと戦わなくてはいけないのだろうか。でも魔物は勇者の敵だって決まっているし,やはり連は切りかかってくるのか?


「そうか」

あれ。意外と普通に流された。なんでだ。


「じゃあ次だ。お前が抱えているその少女は誰だ」


 来るよね,この質問。まあ,もし俺が連の立場でも確実に聞くもん。だけどさ,この場においては聞いてほしくなかったな。


「うーん,これは俺もわかんないんだな」


 とりあえず適当に濁しておくことにする。だいたいの予想はついているのだが,まだ確実にそうと決まっているわけじゃないからセーフなのだ。嘘は言っていないからな。


「そうか。だいたい分かった」

そう言って連は手を顎に当て考える。


 え? これだけか。でも昔からこいつは考え事が多くて,そのくせ勘が鋭いから俺のこともだいたいわかっちゃうんだろうな。



「じゃあ,みんなのところに行こうか。みんなには俺から説明しておくから心配しないでくれ」


 おお,こいつは天使か。俺が大変だと思ったところ全てやってくれているではないか。こいつがこういうなら任せてみよう。


「そうだ,弘樹からはみんなに何も言わなくていいからな。てか何も言うな」


 全くこいつは俺のことを何だと思っているんだ。もしかして俺が何か言うとまずいことがあるのだろうか。


「じゃあ,俺が聞かれたときは何て言えばいいんだ」

「ん? その時は勇者連に聞いてくれと言ってくれ」


 そうか。そうすれば俺はないも言わなくていいのか。


 もしかしてこいつ天才か?


 そして二人は町の入り口までやってきた。そこには町の住民が待ってくれている。


 そういえばこの人たち,避難していたのに帰ってきたんだな。もしかして魔王をたおしたときに帰ってきちゃったのかな。だとしたら巻き添えを食らっていなければいいんだけど。


 そして俺は町にはいる。俺が通る道のわきには人がずらっと並んでいてみんな口々に


「ありがとう」

「流石英雄様」

「ヒロキさまーーー」

等とつぶやいている。すこし気恥ずかしいな。俺が竜人でもお構いなしだ。そして誰も腕の少女には触れないな。もしかして気を使ってくれているのか。


 そして俺は宿まで来た。もちろん「手ごろな宿」だ。


 階段を上がっていく。今は店主は居ないが既に宿は取ってあったので文句は言われないだろう。


 そしてドアを開ける。そこには,カウラがいた。


 そうだ,カウラについてもいろいろ考えないといけないんだ。


 それに事と場合によってはここでカウラと戦闘になるかもしれないな。気を引き締めていこう。


 そして弘樹は部屋の中にゆっくりと入っていく。カウラは部屋の中の椅子にすわっているので弘樹も座ることにした。


 カウラを弘樹の初の,これから何度も行われるであろう対談が,今始まった。



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