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誼の国

ぽん「お」


青々とした高原にたくさんのテントが見えますね。

あそこは定住民のいない、誼の国です。


ぽん「よしみのくに」


生まれも種も関係なく出逢いを求める命が集う国で、この国の創始者よしみさんから名をとって、それがちょうど良かったのもあって、誼の国となりました。


ぽん「ふーん」


テントがー!バーベキュー!ぼんぼんかー!


ぽん「ありゃ、スワンボートが受け止められたみたい」


ぴょん「そんなまさか」セタップ


窓からちょいと顔を出すと、一人のバキムキゴリマッチョなお爺様がスワンボートを受け止めていました。


ぽんじい「お」


ぽん「お」


ぽんじい「なんだ!ぽんぽんお前さんか!」


ぽん「おじいちゃんだー!」ぴょん!


ぽんじい「ふんぬ!」きゃっち!


ぽん「わあ!変わらない筋肉!」すりすり


ぽんじい「ははは!久しぶりだね」


ぽん「うん!」


ぴょん「あの」


ぽん「おじいちゃん、スワンボート降ろして」


ぽんじい「これからはもっと丁寧に降りなさい」どすん


ぽん「はーい」


ぴょん「こんにちは」


ぽんじい「はい。こんにちは」にこ


ぴょんじい「へい!ぴょんぴょん!」 


ぴょん「おじいさま!」びっくりぴょん


ぽん「モヒカンだ。それに、お口周りケガだらけだよ」


ぴょんじい「ワイルドだろう?」


ぴょん「どうせまた、ヒゲ剃りに失敗したんでしょう」


ぴょんじい「へへ!言わないでくれや!」


もこ「どうしよう」そっ


もこばあ「もーこちゃん!」かたぽん


もこ「わわ!ばあば!?」


ぽん「大集合だね」


ぽんばあ「わしらもおりますよ」


ぴょんばあ「ぴょんちゃんおひさー!」


もこじい「……ふん」


ぽん「ぴょんちゃんのおばあちゃん、ツインテールなんてナウいね」


ぴょんばあ「でしょ!いつまでもピチピチなんだぞ!」きゃぴ!


ぴょん「恥ずかしい……」


もこじい「みんな、こっちにこい」すたすた


もこ「じいじ、ずっと無愛想なん?」


もこばあ「ええ。変わらんよ」


みんな揃って大きなレジャーシートへ。


ぽん「おばあちゃん、ふくよかで気持ちいーの」むぎゅー


ぽんばあ「あらうれしい」にこにこ


ぽんじい「こっちにもおいで。久しぶりに締めてやろう」


ぽん「わーい!」


ぽんじい「ふんぬ!」むごきゅ!


ぽん「おー全身の骨が砕けそー」みしみし


ぽんばあ「おじいさん、ほどほどに。骨が変に曲がったらどうするの」


ぽんじい「ごめんな」なでなで


ぽん「うん」


もこ「ねえ」


ぽん「うん?」


もこ「あれ、もしかしてペガサス?」


ぽん「そうだよ。ブルガリアお久だね!」


ブルガリア「ちゅー!」


もこ「鳴き声変……」がっかり


ぽん「もこちゃんのおじいちゃんの眉毛の方が変だと思うよ」


もこ「なんで輪になったん?」


もこじい「禿げた髪の最後の意地かもしれん」


ぽん「もこちゃんのおじいちゃんおもしろー!」けらけら


もこ「ひひっ!」くすくす


もこばあ「受けてよかったね!」このこの


もこじい「……ふん」てれ


ぴょん「もこちゃんのおばあ様は、とてもお綺麗ですね」


もこばあ「おちは元モデルやっち」うぃんく!


ぴょんばあ「きゃあ!美魔女だと思ったらそういうことだったのね!」


ぴょんじい「あーあー!昔グラビアで人気だったアイマイ・やよさんか!俺ファンだったんだぜ!」


ぴょんばあ「てめえ」


もこばあ「そうやよ。改めてよろしくね」


ぴょんじい「よろしくちゃん」にまー


ぴょんばあ「てめえ、こら」ぺちぺち


ぴょん「まあまあ」


ぽん「ねえ。どうしてみんなここにいるの?出逢いを求めて来たの?」


ぽんばあ「わしらは旅行で立ち寄ったのよ」


ぴょんばあ「私ちゃんは生きてる限り止まれない性格だから!」


ぽん「?」


ぴょん「サイドカーに乗ってずっと旅してるんだ」


ぽん「そうなんだ。元気だね」


ぴょんじい「ブイブイだぜ!いぇい!」ぶい!


ぽん「もこちゃんとこは?」


もこばあ「この子が心配で探してたんよ」ぎゅ


もこ「ばあば……」


もこばあ「事務所を直接伺ったら、ロボットに連れて行かれてそれから突然休みます、なんてことがあったと聞かされて。みんな心配してっちや」


もこ「あーそれは……」


ぽん「僕達が連れてったんです。うじうじしてるから」


もこ「はあ!?」


もこばあ「そうやったん。でも、それは良かった」


もこ「なーんもよくない」


もこばあ「なんでよ、お友達が出来て一緒に旅なんて素敵やない!」


もこ「んーちょっちは」


もこじい「そこのおまえ」


なのり「!」


もこじい「隠れてないで来なさい」


もこばあ「あ!おまたんが、噂のなのりちゃんね!おいでおいで!」


なのり「おじゃましますなのり」ぺこ


ぽん「ようこそなのり」ぺこ


もこばあ「ほら素敵」


もこ「え?」


もこばあ「星空の向こうの人とも出逢えた。これって素敵やない?」


ぽんじい「ほう。お前さんは異星人か。どこから来たのかな?」


なのり「天日星の国です!」


ぽんじい「それは懐かしい!」


ぽん「何が懐かしいの」


ぽんばあ「わしらの新婚旅行は天日星の国だったの」


ぽんじい「そこで海藻を好き勝手食らうウニの軍勢およそ億千万を、このわしが一人でおっぱらったんだよ」


なのり「もしかして伝説のムキチョコさんなのり!?」


ぽんじい「そうだよ」ムキッ!


なのり「きゃー!すごーい!」ぱちぱち


もこ「何がすごいんかわからん」じとー


ぽん「おじいちゃんは他にも昔ね、オークさんとレスリングして勝ったことがあるんだよ」


もこ「へえ」


ぴょん「こんなに繋がりがあって、出逢えて。世界って、もしかしたら意外と狭いのかも」


ぴょんじい「ちっちっ、そうじゃねえな」


ぴょん「そうじゃないの?」


ぴょんじい「おう、世界は何度廻ってもやっぱり広いもんだ。そして、いつだって奇跡に溢れている」きりっ


ぴょん「奇跡に溢れている……」


ぴょんばあ「この出逢いも奇跡じゃん」ぎゅ


ぴょん「うん。そうだね」


ぽん「奇跡かあ。じゃあ、もこちゃんのお母さんもきっと元気になるね!良かったね!」


もこ「…………」


もこじい「だんだん良くなってる。元気だしなさい」なでなで


もこ「うん」


ぽんばあ「さあてと!楽しいお茶会を再開しましょうか!」


ぽん「お茶会!お菓子どこ!」


ぽんじい「さっき吹き飛んだよ。また準備するから待ちんしゃい」ぽふ


ぽん「それはごめんちゃい」ぺろ


ぽんばあ「まったく。ぽんちゃんは今日も元気いっぱいで、おばあちゃんはとっても嬉しいわ」


ぽん「でしょう!」


もこばあ「もこ。準備している間、みんなと元気に遊びい」


もこ「うん!そうする!」


ぴょん「なにする?」


なのり「ペガサスに乗りたいなのり!」


もこ「危なっちや」


ぽん「大丈夫だよ。ブルガリアは優しいから」


なのり「わーい!」たたっ!


もこ「あ!待っち!」


ぽん「マッチョ?どこ?」きょろきょろ


もこ「待っち、言うたんよ」じとー


ぴょん「どうしてそんなにマッチョが好きなんだ」


ぽん「おじいちゃんとおとうさんのせいかな」


もこ「やばない?おまたんのおじいちゃんの筋肉」


ぽんじい「だろ?」だっこ


もこ「すっごいかちかち!」こんこん


なのり「見てなのり!」


ぽんじい「お、上手に乗れたね」


もこじい「危ないから一緒に乗ろう」よいせ


なのり「走ってくるなのり!」ごーごー!


ぴょんじい「じゃあ、俺たちは追っかけっこでもするか!」


ぽん「あなたさん捕まえる人ね」


ぴょんじい「ひゃっはー!悪い子は説教だー!」たたっ!


ぽん「きゃー!」俊足!


ぴょんじい「は、はやすぎる!」


ぽんじい「ああ、あれは空想科学服のおかげだよ」


ぴょんじい「へえ、おもしろい。空想の国に今度行ってみるか」


ぽんじい「その時は案内するよ」


ぴょんじい「そいつはありがたい」


もこじい「降ろしてくれー!」


もこ「じいじとなのりが空に!」びくっ


ぽん「だってペガサスだし」


ぴょん「大変なことだ。どうしたらいい?」


ぽん「おじいちゃんが口笛吹いたらすぐ降りてくるよ。ほら」


もこじい「死ぬかと思った……」ふら…


もこ「しっかりして!じいじ!」


もこじい「天使がみえるよ……」にこにこ


もこ「じいじ!じいーじー!」ゆさゆさ


もこばあ「みんな楽しそうやね」


ぴょんばあ「心は若返れても体は若返れないからなーいいなー」


ぽんばあ「年寄りには年寄りの楽しみがあるじゃない」


ぴょんばあ「年寄りってやめて」


もこばあ「事実やっち認めなさい。それで、年寄りの楽しみ方ってなんよ」


ぽんばあ「かわいい孫を見守ること」にこっ


ぽん「次はもこちゃん。ブルガリアお願いね」


もこ「え!?おちひとり!?」


ぴょん「がんばれ!」


もこ「やだっち!やだっち!」おててぱたぱた!


ぽん「もう仕方な」


ブルガリア「れりごー!」ひゅー!

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