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禁忌郷 ~ Outsider Utopia  作者: 鬱都宮 憂霊(うつのみや ゆうれい)
Retro Future ~ 旧蒸都市
11/16

ACT.10

鬱都宮うつのみや 憂霊ゆうれいです。(  '-' )ゞ


襤褸を着ても心は錦

僕は可愛い服が好きなだけなんだ

 禁忌郷(フォービドゥン)にある人間達の住処、旧蒸都市(エフエスシティ)にやって来たムクはフランの紹介で、魔術師に会いに行く。

蒸気に当たらない様にしながら、フランについて行き、見慣れない文字で書かれた看板が取り付けられた建物に辿り着いた。


ム「ココは?」

フ「服屋(ブティック)だよ♪」

ム「ブティック……服屋さん?」

フ「うん♪ムッくんに素敵な服を作って貰おうね♪」


 フランに背中を押されて、ムクは中に入って行く。

扉に吊るされた(ベル)が鳴り響き、店の中を一望する。

店内は可愛らしく装飾がされており、スチームパンク風の衣装やゆるふわな衣装が沢山飾られている。


ム「わぁ………凄いなぁ……」


 ムクはこの町に来てからずっと"わぁ…"としか言っていない。

それぐらい、旧蒸都市(エフエスシティ)は魅力的に溢れているし、この店もムクにとっては素晴らしい場所なのだ。


フ「ムッくんに似合いそうな服は………

  コレはどうかな?」


 フランが取り出したのは、フリフリレースの付いた白いワンピース………

所々にリボンも付けられており、簡単に言えばロリィタワンピースである。


ム「えっ…そっ…それ?」

フ「うん♪コレ着たら………グフフ♪」

ム「ヒエッ…」

「ゴルァアン!!フランペイン!!

 僕の衣装(さくひん)に勝手に触れるなぁ!!」

ム「!?」


 店の奥から、中学ぐらいの男の子が飛び出してきて、ムクは驚き、フランは惚けた顔をする……


フ「あっ、アパティップ

  お邪魔してるよ♪」

ア「話を聞け!!僕の作った服をそんな乱雑に触る

  な!!」

ム「ふっ…フランくん?その子は?」

フ「あぁ、紹介するね♪

  このブティックの店長、アパティップ・パリン

  コスだよ♪」


 アパティップ・パリンコス ∕ 異性の服を身に纏う少年。

性別は男であるが、異性の服を着るのが好きな少年である。

特にロリィタやゴスロリを好み、ブティックに置いてある服は彼が全部作った物である。


ム「あっ…えっと…よっ…よろしく…お願いします…」

ア「あぁ、よろし………お?」

ム「?」


 アパティップはムクを見るや否や、近づいて来て、ムクの上半身の服を脱がし始める…


ム「ふぇえぇ!?なっ…!?何してるの!?」

ア「ちょっと静かに、フランペイン黙らせろ」

フ「あーい♪」


 フランはムクの口を塞いで、体を押さえつける…

体の自由が効かなくなったムクに対して、アパティップはジッと見たり、触ったりする…


ム「んっ………っ……んん!」

ア「この肉質と体つき………この町の者では無い…

  王国からやって来た人間とも違う………」

(ガバッ!!)

ム「んんぅ!?!?」


 アパティップはムクの下半身も(あらわ)にして、全てを見る…

しかし、フランとは違い、いやらしい目付きはしておらず、真剣な顔でムクの身体を見ている…


ア「…………………………

  来た!!(ひらめ)いたよ!!」

ム「…?」

ア「咒詛(ワード)詠唱(オープン)蘭華の(イムコレクション)装飾(ドレスアップ)】」


 アパティップは咒詛(ワード)を唱え始め、ムクの足元に六芒星の陣が出現し、ムクは光に包まれる…


ム「わっ…!えっ…?」

フ「ムッくん、動いちゃ駄目だよ♪」


 フランの言う事を素直に聞いて、ムクはジッとする…

そしたらムクの足元に糸が大量に絡まってき、身体全体が糸で覆われる…


ア「よしっ!仕上げだ!

  アレをこうして…そこをこうこう…」


 アパティップはブツブツと囁きながら、手を動かしている…

仕事モードに入って集中しているアパティップを見て、フランはつまんないそうに欠伸(あくび)をし、口を閉じた瞬間にアパティップは「出来た!!」と声を荒らげる…


ア「フッフッフ♪どうだフランペイン!

  この少年に似合った服を作ったよ!」


 ムクはアパティップの魔術により、フランから借りた赤と黒の服から、黒と白のローブに変わっていた…

しかも、若干元着ていた服装(ブレザー)と少し似たような雰囲気のローブである。


フ「うん、凄い凄い」

ア「もっと感情を込めろ!!」

ム「すっ…すごい…あんな一瞬でこんな服を?」

ア「フッフッフ♪僕は錦の魔術を得意とするんだ♪

  それで人に有った服とか小物とかを作るのが得

  意なんだ」

ム「へぇ、凄いね」

ア「僕は服を着たり作ったり、ファッションが凄い

  好きなんだ

  中でも女の子が着る様な服が大好きで、よく着

  てるんだ♪」


 事実、アパティップの今の服装は(日本っぽく言えば)甘ロリィタの服であり、フリルが沢山付いた白いミニスカドレスに片方の太腿(ふともも)にはレースのリボンが巻かている。

そして頭には兎の耳をモチーフにした髪飾りを着用している。


ム「アパティップさん、凄い可愛いですね」

ア「だよね!僕も気に入ってるんだ♪」

フ「こんな趣味(フェティシズム)してる癖に、女の子にはなりたくな

  いって言うから、変な話だよね」

ア「僕は可愛い服が好きなだけなんだ

  異性の真似をしてる訳なんじゃない」

ム「へぇ」

ア「…あっ、そうだ少年くん」

ム「?」

ア「キミの名前をまだ聞いて無かったね

  なんて言うんだい?」

ム「…あっ、僕は……ムク

  ヤマト ムクって言うんだ」

ア「ヤマト ムク……………

  やっぱり、なんかおかしいなと思ったんだよね」

ム「…へっ?なっ…何が………」

ア「キミはこの町の人間とも、外で暮らす魔術師や

  魔物と違う雰囲気を感じたんだ

  王国から流された人間共違う………」


 アパティップは採寸をするのが得意であり、道具を使用しなくとも、体格や体のバランスが分かる能力を持っている。

ちなみに裸にさせなくとも分かるのだが、(わざわざ)ムクを裸にさせて体格を見たのは、感じ取った違和感が何なのかを調べたかったからだ。


ア「キミは一体何者なんだ?」

ム「あっ…えと……」

フ「こっちにも色々な事情があるんだよ」

ア「まぁ、そうだね

  この町に住む人なんて、大体色んな事情がある

  もんね」

ム「あっ…アパティップさんも…何かあったんです

  か?」

ア「うん

  僕は異性の服を着るのが好きだって言ったと思

  うんだけど…それが父様とか母様に認められな

  くてね、男は男らしい服を着なさいって、非難

  されたんだよ」

ム「えっ…」

ア「王国に居た頃は窮屈(きゅうくつ)だったなぁ〜…

  僕の趣味を理解してくれる人は居なかったし、

  奇異の目で見られるし…」

フ「王国の奴らは頭が堅いからね~~~」

ア「でも、キミも僕を受け入れてくれてるみたいだ

  し、どうもありがとう♪ムクくん♪」

ム「えっ?あっ……いや…」

ア「そうだ、僕と話す時は敬語は要らないよ

  ムクくんの方が年上っぽいからね♪」

─────────────────────

 ブティックからでたムクは再びフランと町の中を彷徨い始める。

そして、ムクは街ゆく人々を観察してみる事にした。


フ「なんか二人目の所に行くの面倒になってきたな

  ぁ~~~

  アイツ出不精(でぶしょう)だし、愛想も悪いからなぁ~~~

  ムッくん、また今度で良い………?」

ム「キョロキョロ…」

フ「…………

  ムクく~~~ん?」

ム「わぁ!?」

フ「どうしたの~~~?そんなキョロキョロしちゃ

  ってさ」

ム「あっ…いや……

  ちょっ…ちょっと町にどんな人が居るのか、気

  になって…」

フ「町人を見たって、変な奴らの集まりだよ?」


 フランはある町人達に指を指す。

その町人達は男同士で手を繋いでいたり、女の人同士でキスをしていたりしていた…

更にフランは別の場所を指を指すと、町中で露出をしている男がおり、みんなが注意したり引いていたりはしておらず、むしろ感心していたり、和気あいあいとしている…


ム「えぇ…なんか…うん…凄いね」

フ「この世界は異性の恋愛は勿論(もちろん)、同性愛は当たり

  前だし、あんな感じで変態的嗜好をしても許さ

  れるんだよ♪」

ム「どっ…どうして?」

フ「みんな王国から迫害された人達だからだね♪

  この世界はルールはあるけど、ルール無用だか

  らね♪みんな悠々自適(ゆうゆうじてき)に暮らしてるんだ♪

  あっ、でもこの町に住めないぐらい尖ってる奴

  とか一人が好きな奴は森に住んでたりするんだ

  よね♪

  だから、誰が何処に居るのか俺達でも把握して

  なくて…」

ム「………ねぇ、フランくん」

フ「なぁに?」

ム「ずっと気になってたんだけど…"王国"って何?」


 ムクはフラン達の口から度々聞いていた、"王国"という言葉について聞いてみる事にした。

禁忌郷(フォービドゥン)について、まだ何一つ理解していないし、住民になったんだから、色々知っておきたいと思っているからだ。


フ「ムッくんは知らなくて良いよ♪」

ム「…へっ?」

フ「それに王国なんてどうでも良いからね♪

  俺達関係な…」

(ザワザワッ!!)

ム・フ「!?」


 さっきの露出をしている男が居る方から、何かザワつき声が聞こえてきた…

ムクとフランは何が起こっているのか確認しに向かう事にする。

─────────────────────

「××××、戻って来ないのかい?」

「………」

「今なら貴方の行ってきた行為(・・・・・・)は不問に出来ます

 だから戻って来てくだs…」

「すまないけど…私は戻る事は出来ない

 戻るつもりも無い」

「………」

「あの国は普通(・・)すぎる

 自由も無ければ多様性も無い

 …それに」

「それに?」

「私はもう契約をしてしまったんだ」

「………

 …そうですか、とても残念です」

「すまないな」

「いいえ、また会いましょう××××

 私もいつか…そっち側(・・・・)に行くでしょうから」


|


 眠りから目覚めたメメモリはゆっくりと体を起き上がらせて、意識をハッキリさせる。

十分な睡眠が出来たメメモリは目がスッキリしていて、疲れも取れて上機嫌である。


メ「ふぅ、やっぱり睡眠は大事だな

  …なんか夢を見てた気がするけど、まぁどうで

  も良い

  アイツらは……まだ帰ってきてないか」

「なんの話?」

メ「旧蒸都市(エフエスシティ)に行ってるフランペイン達だ…よ…

  !?!?」


 一人しか居ないはずである小屋に、もう一人の声が聞こえ、メメモリは室内を見渡す…

そこに居たのは…


メ「…パテフリー………」

パ「やぁメメモリ☆

  時空の魔王である僕が来たよ☆」


 室内に居たのは迷わk…傍迷惑(はためいわく)な存在である魔王、パテフリーであった。

パテフリーはワインを片手に、メメモリと会話をし始める。


メ「…お前何飲んでるんだ?」

パ「んー?美味しそうなワインがあるから、飲んじ

  ゃった☆」

メ「………(怒)」

パ「まあまあ♪」

メ「あ"?」

パ「もう、怖いな~~~♪

  ちょっと待って」


 パテフリーは開けたワインの(びん)に手を伸ばす。

そして瓶の周りにダイヤルの魔法陣が現れて、ワインに魔術らしきモノをかけている…


パ「はーい♪元に戻したよ☆」

メ「…私には瓶の中にワインではなく、葡萄が見え

  るんだが?」

パ「あっ、ごっめーん☆

  開封前じゃなくて、素材まで時間を戻しちゃっ(・・・・・・・・)

  ()♪」

メ「………はぁ

  モマなら素直に戻してくれるんだけどな…」

パ「なんだよ~~~まるで僕が…」

メ「お前はポンコツだよハゲ」

パ「いやぁ〜♪それほどでも☆」


 コイツに何を言っても無駄だと思い、メメモリはため息を吐く…


メ「…それで、なんの用だ?

  早く帰れよハゲ」

パ「実はお前に良い情報があるんだよ」

メ「で?」

パ「お前に屍体性愛者(ネクロフィリア)の友人が居るだろ?」

メ「いや?」

パ「そいつが十日後に何かやらかすみたいだから、

  注意しとけよな♪」

メ「十日後……なんかさっきも聞いた気がするな…

  屍体性愛者(ネクロフィリア)ねぇ……

  アイツ(・・・)は愛する屍体(つま)にしか興味が無い筈だが…」


To be continued

キャラクター


*ヤマト ムク ∕ Yamato Muku


異世界人です。得意魔術はありません。

制服(ブレザー)から、魔術師っぽい服になりました。


*メメモリ・ユートン ∕ Memory Yuton


葬儀屋です。葬の魔術を得意とします。

過去が少し明かされたような…されてないような…とりあえずよく寝ました。


至極の嗜虐です。虐の魔術を得意とします。

ファッションセンスは皆無です。


*パテフリー・メラフィント ∕ Pattyfree Melafint


時空の狭間に勾引かす魔王。時空の魔術を得意とします。

時間を戻して、進めて、止める事ができます。

また、一部の空間の時間を早くしたり、遅くしたりできます。


*アパティップ・パリンコス ∕ Apatip Palinkos


異性の服を身に纏う少年です。錦の魔術を得意とします。

旧蒸都市(エフエスシティ)でブティックをやっている異性装フェティシズムな少年です。

人の身の丈にあった服や要望にあった服を作る事が出来ます。

主にスカート系を着るのが好きな少年です。

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