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34/122

34:二人は仲良しVtuber......?

だいぶ時間が空いてしまい申し訳ないです。

 ジンさんに会いたい。また話したいという衝動に駆られている。オレと鷹野仁さんとの出会いは高校1年のときで、彼は初めてVtuberとして活躍して何年も経っていた。


 高校1年生、オレは友達に恵まれていた。それなりに運動も勉強もできた。でも、みんなみたいに熱中できるものはなかった。漫画もアニメも、ゲームも親に取り上げられていたわけでもなく、単に興味がなかった。スマホもあるし、ある程度情報が入るから話せることもあるけど、なにかつまらないと感じていた。

だけど、ジンさんに出会った。初めは一途と一緒に動画を見たところから始まった。


『どうも~、こんばんは~。ジンです~。今日は、EPEXで、天下取りまーす』


いまでも覚えている彼の鮮明な声と言葉、そして顔......。彼の輝きがこちらにも届くのが伝わる。


「うお、すげー! トッププレイヤーの言うことはデカいなぁ......。ちゃんと見てっか、ハル。ハル?」


その時のFPSの攻略に明け暮れていた一途は、ジンさんと同じように輝いてみえた。


そこから彼がおすすめしたゲームを始めたり、マンガを読み始めたりもした。友達も増えたし、より話すようになった。勉強も運動もより一層楽しくなった。だから、恩返し、いや他の人達ともこの感覚を共有したいと思ったからVtuberになったんだ。その恩師がすぐそばにいる。

でも、彼は少し変わっている。出会いを運命といって、オレを淑女のように扱う。コミケでの事故も引っ掛かっている。それでも、話したい。どうしてオレなんかとオフで会いたいと思ってくれたのか聞きたい。体は一途の働いているコンビニに向かって走っていた。


コンビニの自動ドアを通ると制服を着たジンさんがいた。こちらに気づいて手を振ってくれている。


「やぁ、ハルちゃん。また会えたね......」


対して一途は、目をギョッとしてこちらを覗いている。彼にとってはあまり引き合わせたくない二人なのかもしれないけど、オレはどうしても聞きたいことがあるんだ。


「た、鷹野さん、ちょっといいですか......」


「いいよぉ......。アルバイトくん、ちょっとレジ頼むね」


「せめて小田倉って呼んでくださいっす。まあ、勝手にどうぞ」


「ありがと、じゃあ頼んだ~」


レジから出てきた彼と共に一途には少し見えにくい角で話すことになった。仁さんが距離を詰めよってくる。息遣いや胸の鼓動が聞こえてしまいそうな距離......。彼の方が背が高くて,見上げた先には吸い込まれるような黒い瞳がオレを写していた。


「それで、どうしたの?」


「それが......どうしても聞きたいことがあって」


仁さんは自分の話を聞こうと優しく見つめてくる。それが優しすぎて目をそらして押し黙ってしまった。それを察したのか、仁さんはオレの心を見透かしたようなことを投げかける。


「どうして君に手を貸すのか、会いたいといたときに承諾したのか......。ってこと?」


「そう、です」


「気になってここまで来たなんて、相当僕のこと気にしてくれてるんだね。嬉しいよ」


仁さんは、うつむいていた僕の顎に手を当ててクイッとあげてきた。彼の黒い瞳に再び吸い込まれそうになる。彼の行動はやはり読めない。


「気にしているわけじゃなく、単純な疑問です」


「ま、なんでもいいよ。僕ははっきりと言葉を伝えるのは苦手だけど、君がわからないのなら伝えるね。君の初めての投稿を見たときから好きなんだ、エルちゃん。君の声、そして仕草......。君からコラボしようっていってくれたとき、うれしかった。話も面白い。君が男の子ってことも忘れてドキドキしたのも今でも覚えているよ。君が好きなんだ。エルちゃん。いや、ハルちゃん」


ええ......? 好きってどういうこと? 好意はなんとなく伝わってはいたけど、『好き』?


「好き? それは、友達として?」


「なんていうかな......。いうなればガチ恋勢? ぼくは君の動画をずっと見ていたい。僕が一途な1号でありたかった......」



Vtuberの先輩が、オレにガチ恋だなんてオレの耳がおかしいのか?

いいや、はっきりと聞こえた......。


「一途な1号は確かにあなたではないことは知ってますけど、仁さんがガチ恋だなんて嬉しいと言っていいのやら......」


「うれしいと言ってくれて僕も感慨深いよ。これからは友人としてではなく、一番のファンとしても交流したいな。いや、ファンだけじゃ物足りないんだ。一番近くで君を感じていたいんだ」


彼の言葉をうまく受け取れなくて、結局その場から逃げてしまった。どうしても聞きたいと思ったのはオレなのに、聞いてまた仁さんに対する感情が、接し方がわからなくなった。一途になんて説明したらいいんだ......。




これからも細々とやっていきたいと思います。

よろしくお願いします。

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