1.なんてことない、朝の風景。
短いです。
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「ういっす」
「おはよ、リュウヤ。昨日は無事に円ちゃん送れたの?」
「あぁ、問題なく」
翌朝、ボクは明日葉と合流して高校へと向かっていた。
幼馴染である彼女とは、毎日こうやって一緒に登校している。互いに軽口を言い合って、道中の暇を潰すのが通例だった。
しかし、今日に限ってはほんの少し重要な話の模様。
「……ねぇ、リュウヤ?」
「え、どうしたの」
「…………」
その証拠に、明日葉が緊張した様子でそう口にした。
ボクは首を傾げながら、幼馴染の言葉を待つ。
そしてそのまま、数秒の間があって。
「あー、うん。ごめん、やっぱなんでもない!」
明日葉は、わざとらしくそう言うのだった。
苦笑いに頬を掻くしぐさ。これは幼馴染の癖で、なにか隠したいことがある時の動きだ。ボクはそのことに気付いていたのだが、あえては触れなかった。
誰しも、他人には聞かせたくない部分というのはあるはず。
幼馴染だからといって、容易く踏み込むのはなしだと思った。
「ふーん」
だから、あえて興味のない振りをして。
ボクはボンヤリと、彼女から視線を外して前を向いた。
変わらない日常の光景。
いつからかボクと幼馴染の距離感は、ずっとこんな感じだった。
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