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【魔力ゼロ】であることの本当の意味

 俺の目には、今まで見えなかった魔力の流れがはっきりと見えていた。

 だが、何もトオヒサの魔力が見えるようになったわけではない。

 魔眼に力を込めたところで、トオヒサの魔力は”久遠”によって隠されている。


 では、一体何の魔力が見えているのか。



 それは、「大地に宿る魔力」であった。



 世の中の多くのものは魔力を帯びている。

 それは何も、動物だけではない。


 大地や草木、水や空気も、その内に魔力を宿しているのだ。

 どれくらいの魔力が蓄えられているかは、場合によるだろう。

 しかし、大地には、悠久の時を経て蓄えられた強い魔力が渦巻いている。


 ただ、それを知る者が少ないうえ、仮に知ったところでどうしようもないのだ。


 大地から魔力を抽出しようとしても、その魔力を魔法へと形どらせようとすれば、自身から放たれる魔力と反発して消えてしまう。

 自身の魔力が強ければ強いほど、反発は強くなっていく。


 魔物や人間が持つ魔力とは、性質が根本から異なっているのだ。


「大地万象是空流(だいちばんしょうぜくうのながれ)――ロックウォール」


 そっと大地に眠る魔力を呼び覚ます。

 俺が、大地の魔力を使って練り上げたのはロックウォール。



 俺は、『魔力ゼロ』。


 大地の魔力と反発してしまう自分の魔力など、持ち合わせていなかった。

 交じる魔力がないからこそ、性質の違う大地の魔力を操ることができるのだ。



「まさか、10年前を思い出したというのか!」

「そういうことだ。これ以上、マホロを傷つけさせはしない」


 大地に眠る魔力は、当然岩系の魔法とは親和性が高い。

 大地そのものが隆起したかのような岩の壁が、マホロを囲む。


 ロックウォールは、岩の壁を作り出す初歩の魔法である。

 もちろん、実際に使ったことがないので、見様見真似で形成したに過ぎないが、今のマホロは分厚い大地の魔力に覆われているのと同義だ。


 これで、マホロが傷つくことはもうない。


 本来、魔法で作り出した構造物を維持するには魔力を与え続ける必要がある。

 しかし、大地の魔力を借りて大地に屹立するロックウォールの維持に、魔力は必要としない。もとより自分の魔力など使っていないのだ。


「確かに、ロックウォールの規模から見て、凄まじい力を持った魔法使いであることは分かる。だが、それがどうしたというのだ? すでにお前は”久遠”の中に囚われている。どうやって脱するというのだ?」

「そうだな、このまま朝が来るまで耐えるというのはどうだ」

「なるほど、それは確かに困るな。だが、ワタシの魔力は”久遠”により見えないのだぞ。一晩の間、ずっと防御魔法を維持するとでも?」

「そうだ。俺には、それができる」

「ふむ……」


 トオヒサが、初めて余裕を崩したように見えた。


「一応持ってきた、アレを使うことになるかもしれんな。まぁ、まだ時間はある。お前の言葉がハッタリかどうか確かめさせてもらおう」


 ……さて、そうは言ったものの、俺は一晩耐える気などさらさらなかった。


 当たり前だ。

 マホロが傷だらけなんだ。

 今すぐにでも治療魔法が使える者のところに連れて行かなくてはならない。


 俺は、深呼吸をして精神を整え、策を考える。

作者である自分は、今まで数々の世界を救ってきた勇者です。

当然、【評価ptの数だけ戦闘力が上がる】チート能力を保持しています。

というわけで、広告の下にある☆☆☆☆☆より評価をしておいてください。

約束ですよ。

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