囚われのマホロとリージア
……予想に反して、1階の探索は大きな成果をもたらした。
「ユウタくん!」
無人の部屋をいくつか過ぎ、その次の部屋のドアをゆっくりと開けると、その部屋にマホロが居たのだ。
マホロは入ってきたのが俺だと分かると、駆け寄ってきて抱きついてきた。
「やっぱり、ユウタくんは来てくれるって信じてたよ」
「無事か? 怪我とかしてないか?」
マホロは俺の胸に顔をうずめてくる。
「うん、大丈夫。私は何もされてないよ」
「それは良かった」
俺はマホロの頭を撫でて落ち着かせる。
見たところ本当に何かされているわけではなさそうだし、本当に良かった。
この部屋はベッドなども備え付けられていて、酷い扱いを受けてはいなさそうだ。
「マホロ、ここから一人で逃げられるか? 俺はリージアも探さないといけない」
「ユウタくん……私のこと、守ってくれるんじゃないの……?」
「マホロの魔法の腕なら大丈夫だよ。今なら外には誰も居ない。窓を出たら真っすぐ進むと、俺が乗ってきた馬車がある。そこで落ち合おう。もし、周囲が暗くなっても俺が戻って来なければ、マホロは一人で学院まで戻ってくれ」
「でも……一人じゃ不安だよ……」
マホロが泣きそうな瞳で上目遣いに見つめてくる。
加えて、マホロの髪からは良い香りがしており、思わずドキッとしてしまう。
しかし、リージアのことも心配だ。
マホロには、一人で逃げてもらうしかない。
「マホロ……リージアの居場所は分かるか?」
「一緒に来てくれないんだね……」
マホロは俯いて続ける。
「リージアちゃんは、地下に居ると思う。地下への階段は、廊下に出て右に真っすぐ行けばあるはずだよ」
「マホロ、できる限りすぐに追いつくから、うまく逃げてくれ」
俺は、窓を開けて外を見る。未だに人はおらず、今ならマホロも逃げられそうだ。
それを確認した後、俺はリージアの元へ向かうことにした。
……マホロには、偶然にも監視の目がなかった。
しかし、リージアはこうはいかないだろう。監視の目があるだろうし、何より、屋敷に人の気配があまりしないところを考えると、地下に天理外道教団の奴らがたくさん居る可能性が高い。
一体何人ほど居るのかもわからないが、マホロとリージアを同時に拉致できるほどの戦力が居ると考えると、それなりに人数は多いのではないかと思う。
廊下を歩いていくと、地下への階段が見つかった。
石の階段をゆっくりと降りていく。
コツン……コツン……
できる限り足音を殺して歩いているのだが、地下へと続く螺旋階段では、どうしても音が跳ね返って足音が鳴ってしまう。
それでも可能な限り気を張って、下へ降りていく。
階段を降りきると、正面にある大きめのドアは半分開いていて、その奥にある祭壇のようなものが見えた。天理外道教団のシンボルである箱のようなオブジェが飾られていたので、儀式用の祭壇か何かなのだろう。
壁にろうそくが付けられているようだが、部屋は薄暗い。
少し近づいて中を覗き込んでみるが、誰かが居る気配はない。
……いや、部屋の奥、一段高くなったステージのようになっている場所の中央で、何かが動いた気がし た。
俺は、目を凝らしてそれを見てみる。
すると、どうやらステージのような場所の中央には、台座のようなものがあり、その上に何か大きいものが乗っているようだった。
さらにじっくりと見ると、それは……人だ。
そして、着ている衣服はグランヴァザーナ学院の女子制服のように見えた。
俺は、慎重に、急いで祭壇へと近づく。
――囚われていたのは、リージアだった。
作者である自分は、今まで数々の世界を救ってきた勇者です。
当然、【評価ptの数だけ戦闘力が上がる】チート能力を保持しています。
というわけで、広告の下にある☆☆☆☆☆より評価をしておいてください。
約束ですよ。




