表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/89

2ー7 真実は常に一つだが事実は覆らない

お読みいただきありがとうございます。

面白いと思ったら評価やブクマ、感想等をしてくれると嬉しいです。レビューとかしてくれたら狂喜乱舞します。

 やっちまった。今の心情を一言で表すなら正にそれだ。しかも前の修羅場の時よりも状況は悪い。

 ポーリーとシンシア、そしてユフィと関係を結んでしまった。ポーリーとシンシアはまだいい。いや良くないが。

 だが、ユフィはまずい。極めてまずい。何しろユフィはユリシカの街の領主であるクリスト伯爵の一人娘。そんな彼女と懇ろな関係になってしまっては……結果は目に見えている。

 それにしてもやった記憶が無いとは。状況が状況だけにアレだが、実に惜しい。

 俺はベッドから半身を起こし、これからの事に身を馳せ、頭を抑える。皆のあられもない姿を目にするが正直それどころじゃなかった。しっかり脳内フォルダに記録していたりするがそれはおいとくとして。


「ソーマ、お酒の飲み過ぎで記憶ないんだね。けど仕方ない。それにお酒のせいにすればいい」


 と、シンシアが俺を慰める。しかし飲み過ぎは良くないよな。それも記憶が飛ぶ程酔って……


 ん? ちょっと待て。


「なあ、シンシア。俺記憶が飛ぶ程酒飲んだんだよな。それで行為に及んだ」


「うん、そう。だから余計に激しかった。ソーマ、凄かった……」


 おかしい。何かがおかしい。まっぱの女の子が三人もいて、しかも肌を密着させていたから気が動転していたから仕方がなかったのだが。


 俺、毒物無効の効果で酔っぱらう――酩酊状態にならないんじゃなかったか。確か毒物無効はありとあらゆる毒及び、悪影響をもたらす物を無効化するとあった。

 例えば先の一件でユフィ達に使われた白い粉薬、色欲の粉(ラストパウダー)を使われたとする。確かに身体のとある一部分は大変なことに、ある意味素晴らしい事になるが、副作用の強い依存症が出ることはない。

 そして酒の場合も同様で、ある程度ハイになることはあっても酩酊状態、アルコール中毒とかにはならない。もっと分かりやすく言うと、蟒蛇(ウワバミ)とか(ザル)とかそう呼ばれてもおかしくない位酒に強い。ザルというより寧ろ(ワク)か。


 要するに、酔わないのだ。


 俺は昨日の事を思い出す。祝賀会で俺はユフィ達に酒を勧められ、酌を受け取り、かなりの酒を飲んだ。それでも俺は酔うことがなかった訳だが。そして祝賀会が終わったら一人で部屋に戻った。前の様にポーリーとシンシアと一緒に飲みなおしたとかもない。明日に備え、そのままベッドに入り直ぐに寝た筈だ。

 つまり――


「なあ、シンシア。俺と行為したとか嘘だろ」


 シンシアの肩がビクンと震える。


「そんなことない、した」


 とシンシアは言うが目が泳いでいる。なんと分かりやすい……


「そそそ、そうですよ。わわ私ソーマさんと繋がって、とととても気持ち良かったですから」


「わ、わたしも……なな何でそんなこと言うんですか、そ、ソーマさん」


 ユフィとポーリーも殊の外動揺している。二人とも嘘は吐けない良い娘達なんだな、と嬉しく思う。これなら二股とか浮気とか、そんな心配はしなくて済むだろう。まあそれはおいとくとして。


「シンシア、改めて俺を良く『視て』くれ」


「うん……………………え? 祝福増えてる。と言うか、毒物無効? つまり、全然酔わない?」


 俺は首肯する。


「さて、何でこんなことしたのかな?」



 ☆★☆★☆★



 シンシアが言うには、ユフィが俺との結婚を父であるクリスト伯爵に却下されたことが発端のようで、その事でどうしたら俺と結婚出来るか相談を受けたとのこと。

 それで出た結論が既成事実を作るというもの。祝賀会でたらふく酒を飲ませ、酔っ払った俺と関係を持っても良かったのだとか。シンシアとポーリーはそれに乗っかった形だ。因みにヘンリエッタも一枚噛んでいる。

 些か質が悪いので三人ともベッドの上で正座させている。まっぱのままなのでシーツで身体を隠している。


「あのさ、ユフィ。気持ちは分かるけど焦りすぎ。伯爵は実積を積めば認めてくれるような事言ったんだから、もう少し気長に待ってくれれば良かったんだよ」


「けどそれでは一体どれだけ時間が掛かってしまうか……」


 確かに時間は有限だ。長く待たせるのも酷というものだろう。

 クリスト伯爵は親バカで、なるべくユフィの要望に応えようとしている。だからユフィに希望通り、俺とユフィをくっつけたいのだろう。ユフィに嫌われたくないから。尤も、伯爵の眼鏡に敵わなければ絶対にさせないだろうが。

 俺にはまだ何の実積も無い。確かにレッサーデーモンを倒したが、それくらい出来る人物はそれなりにいる。

 恐らく伯爵は俺に何かしら実積を積ませるのではないだろうか。それが何かは分からないが。


「それと、三人とも魅力的過ぎて……その、迫ってこられると正直理性が持たない。今もギリギリいっぱいなんだ。だからこんなことしなくても……」


「いいよ、来て」


 だからシンシア、そうやって誘うの止めてくれ! 反省してないだろ!


「…………私も、ソーマさんなら良いですよ」


「わたしも、ソーマさんに助けられてから、この人しかいないと思っていました。だから……」


 ユフィとポーリーも自分の身体を覆っていたシーツを脱ぎ、俺に迫ってくる。二人とも清純そうなのに、今は艶やかさが滲み出ている。特にあの胸は凶器だ。このままでは俺はユフィ達に籠絡してしまうだろう。

 だが何故か俺はある諺が脳裏に浮かんだ。


 二度あることは三度ある。


 俺達の居る部屋に何者かが近づく気配。それと同時に廊下を駆ける足音。そして――


「おはよう! おにい…………」


「「「「…………」」」」


 ノックもせず無遠慮に扉を開けたのは、やはりと言うか、案の定と言うか、アンナちゃんだった。

 唐突のことに皆固まる。


「あ、アンナちゃん、違うんだ。これは――」

 

 俺はなんとか弁明しようとするも、


「お楽しみの最中でしたか。失礼しました~」


 アンナちゃんはパタンと扉を閉めてしまった。そして廊下から「お兄ちゃんのハーレム要員が増えたー!」という声がした。

 ユフィとポーリーはトマトの様に顔を真っ赤にし、そしてフフンと勝ち誇った顔をするシンシア。


 俺はガクリと項垂れる。

 オワタ。何もかもオワタ……

 




 

 

ソーマ、合掌。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ