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序奏
痛い。
左足に激痛が走る。
強い腹痛。
ここ2日、水を少し飲んだだけだ。何も食べていない。
月の灯りが薄く照らす路地裏に音も無く倒れこむ。
少し冷たい地面が心地よい。
嗚呼、こうしていると嫌でも思い出す。
部屋の隙間から覗いた、父と母の会話。
『あいつは、うちには置けない。』
父の冷淡な声。
母の小さな嗚咽。
次の日には、私には居場所が無くなっていた。
嫌な記憶だ。
ゆっくりと瞳を閉じる。
母が昔弾いていた、ピアノが耳に蘇る。
なんて曲だっけ…
大好きだったんだけどなぁ…
もう、それも思い出せないや…。




