粘液
「宿を探すどころか、お金まで盗まれるなんて、、どんだけついてないんだよ俺、、」
そんなことを嘆いても仕方ない事はわかってる。だけどどうすりゃいいってんだよ、、あれか、どっかのパーティーに入れてもらって宿舎を手に入れろとでも?退学させられた魔法を使えない剣士をほしいという輩なんてそうそう居ない。
「もうこれはあれか、人から盗めってことか、そうだよ、盗まれたんだから盗めばいいってことか。なるほど。」
まぁ、、言ってるだけで出来ないし、やりたくも無いんだけど。
「はぁ、、つんだ、、」
転移にもお金がかかる、寝るにも金がかかる、食事にも金がかかる。
転移を使わないなら歩いて狩場まで行く。それは分かる。だけどそれには、約1000km近く歩かないと着かないわけだ。
そんなの転移よりも金と労働力がかかる。
かといってこの街で暮らすにもそこらで寝るなんてしたら縛られて奴隷行きが目に見えてる。
八方ふさがりとはこの事だ。
「と、とりあえず歩くか。。」
と、、すでに歩いているが呟く。正直こんな事でもしてなきゃ気が狂いそうだ。
なにか、、なにか、。何かないのか、、
あれから1日、とにかく歩いて金になりそうな事を探した。手持ちの剣は売り、飯は何とかしたが寝るところがない。剣は12000円で売れたが、やはりこの街の物価が高めで、1食食べただけなのに残り10000円ない。宿は一番安くても4万円。
「魔法を使えない俺が剣を持たず、狩りに行くのはもう賭けだよな、、でもそうするほかないし、、やるしか、、ない。」
そう、転移は一回4000円。往復でもギリギリ手持ちで足りる。狩場で何かしら倒して金にする。それしか生きる方法がない。
俺はそういう訳で、転移魔法陣の順番を待っている訳である。
「次の方ー、」
どうやら来てしまったようだ。俺の初の戦闘が素手とは舐めきってるよな、、笑えない。
転移魔法陣の真ん中にたち瞬きをした瞬間、目の前には初心者要狩場で有名な旧遺跡エリアが広がっていた。旧遺跡エリア、、
そこにはスライムという跳ねて動く丸っこいモンスター、緑色の肌の色が特徴的な人間形のゴブリンが生息している。
スライムは魔法、ゴブリンは武器で倒すのが一般的である。スライムは魔法しか効かず、ゴブリンは広範囲魔法でなければ俺のように避けられる。
つまり、、魔法の基本はスライム、武術の基本はゴブリンで極めるわけだ。当然、俺がスライムと当たった場合、倒せない。というわけで、当然ゴブリンを探すわけだ。
だけど今の俺はスライムの群れに襲われている。
超大群、その数30はいるのではないか。
「ちょっ、まじでっ?!」
俺は身体強化を付与しながら走り、どんどんその間は開いていく。だが逃げた先には
「おいおいおいおい、なに、なんで俺をそんなに恨んでるわけ、、、」
スライム100匹以上が逃げ場を塞ぐように待ち伏せしていた。
みんなニタニタ笑っている。そして見間違いでなければ3ワードの拘束魔法を100匹全員発動した。
俺の周りに空間の歪みが正直そこから蔦が俺を捕まえようと伸びてくる。瞬時に俺は1ワード魔法シールドを連発し、その蔦を避けまくった。このくらいなら俺の使える1ワード魔法でも防げた。
だけど、
「さすがに、、100は無理だわ」
次の瞬間俺は蔦で雁字搦めにされ、目も塞がれた。最後に見えたのは申し訳なさそうにこちらを見ているパーティーだった。
ああ、、なるほどね。
まぁ、俺の命があの5人を救ったと思えば、、悪くない死に方かな、、
いや、絶対に最悪な死に方であろう。
今俺は身体中スライムだらけでぐちょぐちょあった。体の感覚は麻痺魔法やら感覚魔法やらでもう何が何だかわからない。気絶しそうになれば痛覚を刺激する魔法で起こされ、何度も麻痺魔法をかけられ体が痙攣して動かない。どこかの本で、スライムに捕まればただでは殺されない。とにかくぐっちょんぐっちょんに、され、感覚が途切れるまで感覚を刺激する魔法を与えられ殺されると書いてあった。
スライムは攻撃魔法をもっていないのだ。
そのためこんな殺し方になるわけだ。
「まひ、、ふいへへぇ、」
まじ、ついてねぇ。
だんだんと感覚が薄れていく。そしてまた俺は意識を手放した。




