#00 プロローグ
あらすじ
田舎から憧れて上京した主人公・黒森輝。
彼は偶然のきっかけからファッションモデルの現場に触れることになる。
そこで経験するのは、華やかに見えるモデルの世界の中にある、説明しきれない空気と距離感。
何かを得たという実感はないまま、それでもその場に立ち続けていく。
リアルな東京、モデル、服飾の世界。
フラッシュの光と音。
会場に響く低音に合わせて歩く。
不自然に固められた髪が、歩くたびにわずかに重心を狂わせる。
ライトが肌をジリジリと焼く。
客が見ているのは、すれ違う一瞬の布と、曖昧な雰囲気だけ。
スマホが向けられるたび、
三次元の自分が、平たい写真に押し潰されていく。
同じ顔、同じ身体、同じような誰かが、いくらでもいる。
壊れたら終わりだ。
代わりは、最初から用意されている。
飢えるのが先か、業界から消えるのが先か。
好きで選んだはずなのに、
使われるたびヒールの踵のように徐々に削れていく。
俺は、モノじゃない。
—そう言い聞かないと、そのまま転けてしまいそうだった。ー
小説家になろう。初投稿の黒井ツナギです。
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