1
お正月休み明けに制服がキツくなって思いつきました
またまた見切り発車です!!
ゆるい設定なので苦手な方はブラウザバックをお願いします!!
その日、この国で最も美しい建造物と呼び声高い王宮内の古城白亜の宮では王太子殿下の16歳を祝うパーティーが行われていた。
煌びやかな会場の壁は一面掃き出し窓になっており、白亜宮の周りを取り囲む湖が一望できる。そんな美しくロマンチックな雰囲気のダンスホールの中央。
今まさにファーストダンスが始まる予定だったその場所で本日の主役が困ったような微笑を浮かべ佇んでいた。
「アレクシス王太子殿下!!本日をもって貴方様との婚約は破棄させて頂きますわ!!」
不敬にもそう高らかに宣言したのは、王太子殿下の婚約者。
シスル侯爵が溺愛する一人娘ベリンダだった。
本来なら格下の彼女からの婚約破棄など認められない。ましてや王族を公衆の面前で辱めたのだ。
不敬罪で即捉えられても可笑しくない状況にも拘わらず、彼女は不敵な笑みを浮かべ隣にいる男にしなだり掛かる。
咄嗟に彼女を止めようと彼女の父であるシスル侯爵が真っ赤な顔で人を掻き分け動き出す。
国王陛下夫妻や宰相閣下が周りの者に指示を出そうとしたが、王太子本人から目線で制され、静観を余儀なくされた。
ざわめく会場内を見渡し、渦中の人である王太子アレクシスは他人事のように小さく溜息を吐いた。
「(また、か・・・。)」
そう彼が婚約者から婚約を解消されるのはこれで9回目。
「何か仰ったら如何です。王太子殿下。」
ふふんと、彼を馬鹿にしたように鼻を鳴らし傲慢にそう言った彼女に、アレクシスは仕方ないと言った様子で口を開く。
「・・・理由を聞いても?」
「それは勿論、その不器量なお姿ですわ」
会場内がどよめく。
「止めんか‼ベリンダ‼‼王太子殿下に何て事を言ってくれたんだ!!」
「あら、お父様。」
やっとの思いで人込みをかき分けて前に躍り出たシスル侯爵は真っ赤な顔で娘を怒鳴りつけたが、彼女はどこ吹く風で続ける。
「そのどっぷりと大きく太ったお腹に脂ののったテカテカのお肌。国民の血税で私腹を肥やしている何よりの証拠!!
どんなに婚約者である私が戒めて差し上げても貴方様はちっとも聞く耳も持たず、どんどん大きくなるばかり!!その上?“王太子殿下は呪われている”なんて噂まで流してみっともないと思われないの!?
この国の未来を背負う王太子殿下だからと我慢して差し上げてましたが、もう限界ですわ!!」
この発言に国王陛下、王妃殿下延いては事情を知る一部の高位貴族は内心悔しさに歯痒い思いをした。
沢山の作品の中からお読み頂きありがとうございます!
そして誤字報告ありがとうございます!!
お恥ずかしいことに大変誤字脱字が多いです( ˊᵕˋ ;)