第65話
蛍の休憩時間にもう一度蛍のクラスに行ってみると『完売』の紙が張ってある。
「……たいしたもんだ」
中を覗くと蛍がクラスメート達と話している。俺が来たことに気付いた風間が蛍に囁いて蛍が嬉しそうに近寄ってくる。
「……先程来ていただいたみたいで……先輩のお相手できなくてすみません」
「いや、忙しい時に来たこっちが悪い。完売って書いてあったな」
「……はい、皆で頑張って売りました」
頑張ったなと褒めると蛍は嬉しそうに照れ笑いしていた。
「鳴海さん、もう休憩時間だから出掛けて大丈夫だよ」
風間が気を利かせてくれるので遠慮なく蛍を連れて行く。
「……風間さん、さっきのクラスメートなんですけど、修学旅行一緒の班になろうって言ってくれました……」
「……良かったな。楽しんでおいで」
友達ができそうで蛍は嬉しそうだ、俺も心から良かったと思う。
「……先輩、どこを見に行きますか?」
「俺は暇だったから適当に見てきたから蛍の行きたい所で良いぞ」
「……そうですね」
まずはタピオカミルクティーを二人で飲みつつ順番に回ってみる。
「先輩、別の所に行きましょうっ」
「面白そうなんだけどなぁ……」
蛍は必死に俺の腕を引っ張る、お化け屋敷は嫌みたいだ。
「……謎解きですか?お宝が何処に隠してあるかの地図?」
「……多分、『図書館』だな」
「なんでわかるんですか?」
「……暇潰しに図書館にずっと居たから……こそこそ何か隠してる奴等を見たんだ」
「……確かめてみますか?」
「いや、これは真面目に謎解きやってる奴等に悪いから後で結果だけわかれば良いよ」
「……そうですね」
因みに後日、聞いた話では本当に『お宝本』だったらしい。ジャ○ーズのアイドルの昔の写真集。うん、わざわざ探しに行かなくて良かったな。
「……あっ、写真部さん」
「……カップル限定記念撮影か……撮ってもらうか?」
「……はい」
二人並んで写真を撮ってもらう。写真部の奴、そんなに怯えなくても良いじゃないか……どう考えてもブレてるんじゃないか?
「……後日、写真部にて渡して貰えるみたいですね」
「……まぁ、うまく撮れてたら良いな」
たいした催し物なんか無いけど蛍と二人で歩くだけで楽しかった。
「……先輩、そろそろクラスのお片付けがあるので戻ります、それにクラスの打ち上げがあるみたいなんです……」
蛍はクラスの打ち上げに出ないで俺と帰っても良いと思ってるみたいだけど……
「……そうか。せっかく風間さんとか仲良くできそうな子がいるんだ、行っておいで」
「……はい、すみません。でも明日の代休は先輩のお家にお邪魔してよろしいですか?」
「あぁ、待ってるよ」と言ってから耳元に唇を寄せて「明日は今日の分も可愛がってあげるから」と小声で言ったら
「……は、はい」
と顔を赤くして答えて逃げるようにクラスに戻っていった。
……ふふ、明日は『ボ○バーマン2』の対戦で蛍を可愛がってあげよう、楽しみだ。




