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『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』  作者: もんじゃ
『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』
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第45話


 普段の休日はほとんど蛍と過ごしていたが今日は用事があるからと断ったら、「……そうですか」と蛍は少し考えるように答えた。そして待ち合わせの喫茶店に行き待っていると叔父が現れた。


 「……ご無沙汰してます」


 「……あぁ、元気そうだな」


 榊創司(さかきそうじ)……この街のありとあらゆる悪党が恐れる存在の俺の叔父だ。武闘派なのに頭も切れる、『信○の野望』の織○信長みたいなステータスを持つ人だ。この叔父と会うといつも剃刀みたいな印象を俺は抱く。


 「……以前より大人になった顔をしているな」


 「……そうですか?」


 大人の顔と言われても自分ではわからないが、以前の記憶があるせいかもしれない。


 「……あぁ、前はもっと暗い目をしていた。誰か良い人に影響を受けたのかもしれないな」


 そう言われて蛍の顔が浮かんだ。


 「……お前は俺に良く似ている……性格もこっちの世界で生きてく才覚も……」


 あぁ、俺の目の前にいるのは未来の俺の姿だ……堅気の生き方をできなかった俺の。


 「だがな、そんな生き方は俺も姉さんも望んでいない。できればきちんと堅気の生き方をして欲しいと思っている」


 ……そんな生き方ができるのだろうか?あれだけ手を血で染めた生き方をしてきた記憶を持つ俺が……


 「……もうすぐ進路を決めなければならない頃だろう?もし進学するなら遠慮無く言うようにな」


 叔父とそのような話をして「それではお先に失礼します」と喫茶店を出た、無性に蛍の顔が見たかった。

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