第5話 3/4 ゴロウマル
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昨日の、ケンジとのやりとりを思い出したら、朝からげんなりあした。
謎のダイエットサプリの試供品をもらっていたので、朝はそれを食べて出かけることにした。意外と味がついていて美味しい。うん、けどカロリーへと変わって、痩せそうにはないな、うん。
はあ、でも昨日の今日で、どっと疲れたな。
けれども、仕事に行かないといけない。次の仕事もどうしていいのかわかんないし。
もしかしたら、職場にエリート敏腕社長なんかが、さっそうと現れて、私に恋してくれるかもしれないし、ちょっと可愛い格好でいこうかな。でも考えるのが楽なやつ……。
よしよし、白いボウタイブラウスがあったわね。これに、ピンクのレースのタイトスカートを着て、白いヒールを履いてと……よし、完成!!!
こんなに簡単なコーデはないわね……。
いつものトレンチコートを羽織れば、良し!
ピンクのスカートとか派手なのを履いてくるな!って課長には怒られそうだけど、もう私も時間がないから、ないふり構ってられないのよ!
アイロンで髪の毛を緩く巻く。だいぶ髪も傷んでるな……。今度、美容室に行ってみよう!
ということで、出発!
自室の玄関を出て、共用スペースにあるエレベーターを降りる。これまた共用の玄関を抜けると、そこには――。
「あら、マドカちゃん、今日も元気ね」
そう言って声をかけてきたのは、この近所に住んでいるという高齢の御婦人である。
なぜ彼女と私が話すようになったのかと言えば……。
「ゴロウマル!」
夫人の足元には、眼がくりくりとして、毛並みがふさふさ、もふもふ、ちっちゃい体で愛くるしい、チワワのゴロウマルがいた。
思わず、ゴロウマルを抱き寄せる。
ふわ~~可愛くて気持ちいい。
もふもふ、もふもふ、ふさふさ、もふもふ。
特にゴロウマルも嫌がる様子がない。
う~~、この子と結婚したい!
「何やってんだお前?」
は!気づいたら、そこには課長が立っていた。
せっかくのもふもふタイムが!
「な、なんでもございません」
無駄に敬語になってしまったわ!
「あ、そ」
そう言って、課長は去って行った。
なんだったんだ、あの人は。
それから、まだしばらくゴロウマルとのモフモフタイムを満喫した私は――。
――やはりと言って良いか遅刻して、課長に叱られたのだった。




