第26話 3/25 トドロキ
3/25(水)
昨日のトウヤ君からの告白は保留にしてしまった。
なんだろう、若くて可愛いけどかっこよくて、しかも自分の事を好きでいてくれる彼に不満などないはずなのに。
なぜか即答できなかったのだ。
昨晩はあまりの衝撃で、いつものコーデを呟くのさえ忘れてしまっていた。
ちなみに今日は、ネイビーのツインニットにベージュのパンツを合わせている。
ネイビーは私の悩みも全て包んでくれるわ……。
そうこうしていると、もうすぐ退社という頃に、課長から声をかけられた。
「定時で上がれそうだから、帰り一緒に飯食いに行かないか?」
「おごりですか?」
「おごりだよ」
私は、おごりという言葉にとにかく弱い。
二つ返事で頷いた。
課長も昨年、自分と同じ婚約破棄にあっていたという。
(課長は浮気されてだから、状況は違うけれども……)
なんとなく親近感がわいてしまっていた。
退社時間になったので、スマホを取り出し、なんとなくラインの通知を見た。
「あれ? これって珍しい、トドロキ君じゃない?」
二十六木と書いて、トドロキ君。珍しい名前だったからよく覚えている。
そして何気なくラインの中身を見る。
「ふんふん。……って、え?」
私は書いてある内容にびっくりしてしまい、そこで固まってしまった。
課長に覗きこまれる。
そこに書いてあった内容は――。
『ユーイチ先輩、俺の元カノと、三月に入って結婚したんですよ。俺てっきりマドカ先輩と結婚するんだと思ってたんですけど』
「え、え~~~~?!!!!」
会社の中だったけど、私は大声で叫んでしまったのだった。




