第21話 3/20 ツルイチ
3/20(金)
三連休初日。
来週になったらお金が振り込まれる。
それより何より、彼氏も引っ越し先も見つかりそうにない。
一体どうしたことか。
まあ、とにもかくにも、引っ越しは確実だし、身軽になっておこうと思う。
今日は整理整頓だ。
ということで、三月に着用した服を並べてみた。
【トップス】
紺色のシアーブラウス
白い厚地の生地のフーディ(パーカー)
白いTシャツ
とろみシャツ
白のVネックのニット
白いボウタイブラウス
ラベンダー色のとろみ素材のブラウス
ネイビーのツインニット
青みピンクのカーディガン
サックスブルー(水色)のブラウス
【ボトムス】
白地にピンクの大花柄のロングスカート
ミントグリーンのシフォンスカート
黒スキニー
インディゴデニム
ピンクレースのタイトスカート
白のレースのタイトスカート
イエローのフレアスカート
エクリュのワイドパンツ
ベージュのパンツ
レギンス
【ワンピース】
紺色小花柄のワンピース
【スーツ】
ネイビーのスーツ3点セットアップ
【コート】
グレージュのトレンチコート
黒いジャケット
アイスブルーのノーカラーコート
【靴】
白パンプス
ミントグリーンのパンプス
白スニーカー
自分では着まわしていたつもりだったけど……。
あれ? こんなに洋服があって、着回しも何もって感じだよね……。
むしろ、どうしてこれまで着まわせていたなんて思ったんだ、私は?
三月だけでこれだけ着ているし、もちろん仕事帰りや休日に洋服を買い足したりもしている。
それだけじゃない、クローゼットをのぞいたら、これ以上にたくさんの洋服がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。
婚約していたユーイチに、「お前の金銭感覚だと厳しいかなって」と言われたことが頭をよぎった。
これまで、なんとか気丈に振る舞っていたけど、本当は……。
知らず知らずのうちに涙が出て来た。
なんとなくパジャマのままで、着替える気も起きない。
さらになんとなくベランダに出て、手すりを乗り出して、外の風景を眺めてみた。
ここは十三階。ちょっと下を覗くと、高すぎて怖くて寒気がした。
「朝倉、婚約者に振られた位で死ぬな!」
突然、お隣さんから声が聴こえた。
振り返ったら……はい?
「か、課長?!」
まさかの右隣の部屋のベランダに宇和島課長が居たのだった。
「え? 隣だったんですか? てゆーか、死ぬって何ですか?」
どうも蒼白い顔で私がベランダから乗り出していたから、自殺でもすると思ったらしい。
説明したら勘違いはすぐにとけた。
「そうだ、朝倉、明日なんだが俺と一緒に――」
課長が何か言いかけた時、二人とも同時にスマホの着信音が鳴った。
「宇和島です。ツルイチ様ですか? 先日は――」
「はい、朝倉です。あれ、トウヤくん? どうしたの?」
課長が私よりも先に電話を切った。
私は、後輩のトウヤ君からの電話でちょっと驚いている。
そして彼から、言われた言葉に驚いてしまった。
「え、え?! 明日、私とデートしたい?????」
私も驚いたけど、隣のベランダの課長が怪訝な顔でこちらを見ていたのだった。




