008⚫️ウォーターボーイズ
よし!運がいいようだな。‘黄色い悪魔’だ。
このあたり、海の透明度が高い。目視できる。不思議だがな。
僚艦で取り囲むぞ。提督との合流前だが、絶好の機会だ!
大手柄だ!やるぞ!
なあにい!また、取り囲まれたのか!
くっ、マチルダの不在を狙うとは、小癪な連中だ!
う~ん、マチルダはできるだけ戦闘を避けたがっていたよな。
潜れるか?なにい、浅いだと?
敵の限界深度まで潜れんのか!
・・・この艦にも、’黄色い巨人’のようなスピーカーはあるのか?
ある?水中スピーカー‘ウォーターボーイズ’?
よおし、マイクを貸せ!最大音量だ!
‘モービィーディック号’は‘ユキカゼ’への攻撃命令を発しようとした。
その時、水中を空中より速く届く声が大音響で響く!!
「貴様らア、だあれに向かって牙を剥いているう!この‘魔海のカラス’バーバラと一戦交えようとは、百万年、早ぁ〜やぁ〜いぃ〜わぁ〜!!バラッバラにしてくれる~!!覚ぁ悟しろおぉおぉお〜おぉお〜おうぅ!!!」
うぇ!‘海の迷惑’、あのとんでもない、バーバラ大佐あ!
生きてたのか?!?!
いかん、回避行動、急げ!海域を離脱する!
何をするか、わからんぞ!なんでここにいるかもわからんが!
とにかく、急げ!巻き込まれると厄介だ!!ひぇええ!!!
海に、何事もなかったかのような静かさが戻る。
ただし、
防音設備の弱い‘モービィーディック号’をはじめとする乗員たちの鼓膜だけは、
しばらく震え続けた。




