089⚫️涙 & 090⚫️だって、たまんなかったのよ
089⚫️涙
奇跡だ。火山が・・・沈黙した・・・。
ふたりは、ふたりはどうか?
連絡は取れんのか?!
通信出力最大だ!
振り切っても構わん!
艦長命令だ!
バーバラが大声でマイクに呼びかける。
「トーマス!トーマス!応えろ!応えんか!こらあ!殴るぞ!」
涙で顔をぐしゃぐしゃに歪ませ、声を枯らして叫び続けるバーバラ。
すぐ隣で、マチルダは腕を組んでいる。
その両袖は大粒の涙を受け止めていた。
090⚫️だって、たまんなかったのよ
「バーバラ、あの醜態はなんだ。あなたらしくもない・・・。」
「ふん、あの真っ赤な海に、潜水服も着ないで、真っ先に飛び込んだヤツに言われる筋合いはな〜い!」
「ま、それを言われると、我ながら・・・。だって、ボビーが生きてるかどうか・・もう、たまんなかったんだもん!」
「そりゃあ、わたしだった同じだあ!くっ、先を越されるとは、油断したぞ。」
「でも、よく生きてたよね、あのふたり・・・。ホント、もう、やだ、わたし。」
「救難信号だけが作動してた、なんて、奇跡のオマケ。ふん、トーマスにはパンチをくれてやる!」
「だめだめ。あっちは、まだ、寝たきりなんだから。あ〜あ、こんな格好で指揮をとる羽目になるとは、ねえ・・・。」
メディカル・ルームでの治療を終え、マチルダとバーバラは艦橋に戻る。
後始末をしなければならない。
大佐級以上のふたりでなければ、誰がやる?
定位置に着いたのは、
包帯だらけ、ミイラ状態の准将と大佐である。




