053⚫️見つけたのは、あの人
「ここ、落ち合う場所でいいんですよね、ゲスト・カーネル?」
「そうだ。・・・そう思う。多分な。そうなんじゃないかな?」
「なんだか、確信がないようですが。」
「そ、そんなことはない!だいじょうぶだ!」
ふたりは物音を立てないよう、建物の影から中へ入ろうとした。
その瞬間。
ライトが正面から照らされた。
「だれだ!動くな!手を頭の後ろに組め!」
眩しさに目を細めると、声の主が叫んだ。
「・・・あっ!先輩!じゃなくて、大佐あ?!なんでこんなところに?!」
「お〜、トーマスか! ひさしぶりだな。貴様、ここで何してんだ?」
「いや、捕虜交換でもどって・・・いやいやいや!あなた、反逆者ですよ、大佐あ!なんで’のこのこ’と、敵地の軍事倉庫なんかに来てるんですかあ!」
「ん? ここって・・・あれっ?軍事倉庫か?お前、その階級章・・・少佐?」
「そうですよ! 降格ですよ! 降格!」
「ほ〜、やはり捕虜になったからなあ。」
「違います!誰かさんのせいで、海上艦を一隻沈没させたからですよ!!」
「ふ〜ん。まあ、あの時はご苦労だった。うん、ちょうどいいところにいたぞ、トーマス。お前、道案内しろ。」
「なっ・・何を言ってるんですかあ?!そんなの命令・・いや、命令ですらないですよ!聞けるわけが・・・。」
バーバラはニヤリと笑った。
「ほお?では、ここでお前の‘恥ずかしい過去’を、わたしの横にいるこの男に、ないことないこと全~部、話してやってもいいんだなあ?お前には貸しがあったよなあ〜?」
「ちょっ、ちょっとぉ!海上艦一隻沈めたことで十分じゃないですかぁ?!」
「ボビー、こいつ、見かけによらずだなあぁ・・・・。」
「ちょ、ストップ!ストップぅ!先輩、やめてください!!」
「じゃあ決まりだ。行くぞ、トーマス。案内しろ。」
こうしてバーバラは、‘最適すぎる道案内’を確保し、軍事倉庫を後にした。
ついでに多用途ジープまで、ちゃっかり拝借して。
潜入任務はかくして、ようやく、ここから始まる。




