男嫌い
奴隷商人の爺さんの奴隷を見終わって、目ぼしい奴隷は居なかった。
「リースも男の奴隷を買うのは反対か?」
「そうね、ラスティーの周りに女の子が増えるのも少し嫌だけど、男はもっと嫌ね」
「サクラはどうだ?」
『私も嫌ね、元々引きこもりだったし、男の人とあまり話した事自体少なくて萎縮しちゃうもの』
フランとマリーは勿論、リースとサクラも男の奴隷を買うのは反対か。これじゃ面白い奴がいても男の奴隷は買えないな。
「皆、男を毛嫌いし過ぎじゃないか?」
「そんな事は無いわよ、ラスティー以外の男に興味が無いだけよ」
それはそれでどうなんだリースさんや。
「良いイメージが無いのは確かね。盗賊とかイヤらしい奴隷の主とか盗賊とかね」
フランさんや盗賊が二回も出てるぞ、まあ盗賊のイメージは俺も良くないけどな。この世界は盗賊だらけだからな。
「私も良いイメージは有りませんね、勿論ラスティーさんは別ですよ」
マリーも良いイメージは無いのか。一応俺は違うとフォローしてくれた。
『私は知らない人が駄目なだけね、人見知りな所があるからね。この世界に来て男の人のイメージは悪くなったわね』
サクラも結局は良いイメージは持って無いんだな。
どうしたものか、俺は近くで酒を飲んでいたオッサンに話しかけた。
「オッサン、うちの女性陣が男の人のイメージが良く無いらしいんだけど、どうしたら良くなるかな?」
オッサンは難しい顔をしていた。
「無理だろ、女から見たら好きでもない男のイメージなんて良くならないさ。別にお前が嫌われてる訳じゃないんだから気にするな」
「そうだけど、このままじゃ俺の周りは女性しか居なくなるぞ!」
「なんだそりゃ、羨ましい限りじゃないか、大体今もお前の周りは女しか居ないだろ?」
「そ、そうだけど・・・」
「贅沢な悩み事だぞラスティー、男だったら喜ぶべき事だぞ。こんなに美人で可愛い女に好かれてるのはな」
オッサンの周りで聞き耳を立てていたギルドの冒険者が、うんうんと頷いていた。
そうかも知れないけど、俺だって年頃の男なんだよ。近くに可愛い女の子だけ沢山いるのは宜しくないと思うんだ。というか男の友達が欲しい。前の世界で七歳から人と殆んど関わらず1人で力を鍛えて来たから友達なんて居なかったからなぁ。
「ラスティーは私達と暮らすの嫌なの?疲れる?」
リースが心配そうに聞いてきた、耳が垂れている。ああもう、何でこいつは普段あんなに強気に迫って来るのに、不安な事があると、こうも弱気になるんだよ。
「そんな事はないさ、今までずっと1人だったんだ。俺の過去は知ってるだろ。一緒に生活する人がいるのは嬉しいよ。だけど異性に囲まれてるのは俺の精神衛生上宜しくないなかってな」
「それは私達を異性として魅力的に感じているって思って良いの?」
「・・・うん、多分」
俺がそう言うとリースの耳がピンと立った。
「良かったぁ、ラスティーが私と暮らすの嫌だったら私どうしようかと思ったわ」
「それは無いから安心してくれ、俺はリースが一緒に居たいと言ってくれた時、凄く嬉しかったんだ」
リースが仲間になった時、首輪を外す必要はない、ずっと一緒に居たいと言ってくれた時、俺は本当に嬉しかった。第二の家族が出来たと思ったんだ。フランとマリーも首輪を外しても一緒に生活すると言ってくれたしな。
「サクラは嫌じゃないのか?俺も一応男だぞ。お前は俺の奴隷じゃないしな」
『分かってるでしょ、私が貴方が居ないと駄目なのを。私は貴方の事、怖いとか嫌だとか思った事ないわよ。それに最近は・・・撫でられるのも悪くないかなって』
最後の方の言葉は小声で聞き取りずらかったが、何を言ったのか分かった。
そうなのだ、最初は俺がサクラに頼んでスライムの感触堪能するため、渋々俺にスライム形態で撫でられていたが、最近は気持ち良いのかたまに撫でられながら寝ている事があるのだ。俺もつられてサクラを抱っこしたまま寝てしまった事がある。
皆と話して皆の男嫌いを今すぐどうこうするのは諦めた。サクラ以外は盗賊に襲われて怖い目にあってるしな、ましてやリースは助けなければ犯されていたくらいだ。フランだって犯されていたかも知れない。トラウマになって無いだけましと言える。
俺は男友達が出来る日は来るのだろうか?これじゃ周りからハーレムを作ってると思われても仕方が無い気がしてきた。




