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魔物の大量発生

 シータにファイヤーベアを倒し、助けた事を説明すると何度も、お礼を言ってきた。


「ありがとうございます!ありがとうございます!マスターと僕を助けてくれてありがとうございます!」


「いや、大したことじゃないよ」


 話を聞くと、シータは十二歳との事だ。耳がピンとしていて、瞳が大きくクリッとしていて可愛く庇護欲を駆り立てられる。あまり直視していると、ケモナーに目覚めそうである。

 俺達は改めて自己紹介をして、街に帰り今度一緒にギルドの依頼を受けようと、話し合い別れた。

 家に帰ると、フランとマリーが上機嫌で、話していた。


「助けられて良かったわね」


「そうですね」


「まともな奴隷の主人もちゃんといるのね、良かったわ」


「はい、ケイネスさんのような方ばかりなら良いのですが」


「それには期待するな、ケイネスのような主人は少数派だ」


 俺は機嫌の良い二人に言った。


「何よ!そういう主人がいて欲しいって期待しただけじゃない」


「俺は事実を言ったまでだ」


「う~、ラスティーは冷たいわ!」


「何でそうなるんだよ」


「だって、私達が言わなかったら、あの二人をラスティーは助けた?」


 フランに言われ俺は考えた、確かに二人に言われなければ、ケイネス達を助けなかったかもしれない。


「ほら、直ぐに答えないじゃない。あの二人はあの時助けに入らなければ死んでいたかもしれないのよ」


「だとしても、俺が助けなきゃいけない理由にはならない」


「だから!ラスティーは冷たいって言ってるの!普通は目の前で、誰かが命の危機で自分が助けられる状況なら迷わず助けるものよ!」


「そんな事は知らん、助けようと助けまいが俺の自由だろ。他人を一々こっちにメリットもないのに助ける必要を俺は感じないだけだ」


「じゃあ、もし私達が依頼とは関係無く命の危険になったらラスティーは助けてくれないの?」


 フランは涙目で聞いてきた。


「お前らは他人じゃないだろ、お前らがピンチなら俺は迷わず助けるよ。もう良いだろ、この話はお仕舞いだ」


「フラン、人が一人ずつ考えが違うようにラスティーさんにも私達と違う考えがあるのですよ。自分の考えを押し付けるのはよくありません。ラスティーさんが悪いことをしたわけじゃないでしょう?」


「そんな事分かってるわ!ただ私はラスティーが他人にも優しく出来たらいいと思っただけよ」


(俺は他人を助けたいと思わない、思いたくないんだ・・・)


「俺の両親は他人を助けた事が切っ掛けで殺されたんだ・・・」


 俺がそうつぶやくと二人は何も言わなかった。


 次の日、依頼を請けるためギルドに向かった。二人は俺の言葉を気にしているのか少し元気が無いように見えた。


「どうした二人とも、元気がないぞ昨日の俺の言葉を気にしてるのか?」


 フランは申し訳なさそうに言ってきた。


「私、ラスティーの事を何も知らないで自分の考えを押しつけて・・・」


 俺は仕方ない奴だ、と思いながらフランの頬を指で摘まんで引っ張る。


「らっ、らりするろよ!」


「俺の事を知らないの何か当たり前だ、言ってないんだからな。一々気にするな、お前は元気に笑ってるか、いつものようにプリプリ怒ってる方が可愛いぞ」


「なっ!・・・バカッ!」


 俺の手を振りほどくと一人で先に行ってしまった。


「私には励ましたり、可愛いって言ってくれないんですか?」


 マリーは笑顔で俺に言ってきた。


「マリーは俺があんな風に振る舞わなくても、しっかりしてるから大丈夫だろ?」


「フランが少し羨ましいです。分かってる事でも言って貰えた方が嬉しいものですよ」


「そういうものか?」


「そういうものです」


 マリーは期待を込めて俺を見つめている。


「あー、あれだ、あまり悩んだりするなよ、マリーも可愛いよ」


「はい、ありがとうございます」


 自然に出た言葉じゃないから凄く恥ずかしいな。俺は顔を少し赤くして、フランを追いかけた。

 ギルドに着くと、いつもと様子が違った。

 いつもは人が賑わっているだけだが、今日は冒険者達はピリピリして、話し合っている人が多かった。

 いつも朝から酒を飲んでるオッサンを発見したので、オッサンに事情を聞くことにした。


「オッサンどうしたんだ今日は皆ピリピリしてるけど」


「ああ、ラスティーか実はな最近魔物の発生が活発になっていてな、それだけだったらまだ良かったんだが・・・」


 オッサンは口ごもる。いつも酒を飲んで、ほろ酔いのオッサンが今日は全く酔ってない。


「何があったんだ?」


「・・・魔族が出たらしい」


 魔族かぁ、本当にこの世界はファンタジー要素満載だな。

 魔法は一般的だし、獣人やエルフ、魔物や魔族、果てはドラゴンや幻想種まで何でもござれだからな。

 確か、大昔に人と魔族は戦争をしているはずだ。

 その戦争で人と魔族は双方ともに被害が大きく、今ではお互いに干渉しないようになっていたはずなんだがな。

 魔族は長命で今でも戦争の時代から生きている者もいるらしい。

 それだけに恨みは人より多いことだろう。魔族は人より強い、しかし個体数が少なく、繁殖力も高くない。人が魔族と戦えたのは数の力だ。

 まぁ、俺が知ってるのは管理者からもらった知識で、どの程度強いのかは知らないがな。


「本当に魔族が出たのか?」


「王都からの情報だ、間違いないだろう」


「そうか」


「それだけじゃない、この街に魔物の大群が向かって来ているらしい。その中に魔族がいるんじゃないかって噂だ。今ギルド内でその話で持ちきりだ。まぁこの街は王都からも近く高ランク冒険者も沢山いるから街が落とされることは無いだろうがな」


 俺は魔族について考える。何で今になって魔族は人の前に表れたのか。また戦争を仕掛けてくるつもりなんだろうか。


「まぁ、ラスティーのような冒険者になって間もない下位ランクの冒険者は魔物の大群の掃討戦に駆り出される事はないから安心しろよ」


「でも掃討戦に参加すればギルドから報酬が沢山出るんだろ?」


「そりゃあな、志願すればランク問わず参加出来るが、あぶねぇぞ!」


 多少の危険は覚悟の上だ。魔族もいるなら、この目で見てみたいしな。


「オッサン、魔物の大群が押し寄せるのはいつだ?」


「本当に参加するのか?大群が押し寄せるのは三日後らしい。今ギルドで掃討戦に参加する冒険者を召集しているから受付で申し込めば下位ランクでも参加できるはずだが、ラスティーお前はまだ若いんだから止めとけ死んじまうぞ」


「オッサン、情報と心配ありがとな、でも俺は参加するよ」


 オッサンと別れて二人に相談する。


「ラスティーさん本当に参加するんですか?」


「ああ、そのつもりだ」


「何でよ!無理な依頼は受けないって言ってたじゃない!」


「勿論二人は留守番だ、一緒に掃討戦に参加しなくていい。というか参加させない」


「必ず無事に生きて帰ってきて下さい」


「帰ってこなくて、死んじゃったら一生恨むわよ!」


「分かってるよ、約束する必ず無事戻ってくるよ」


 二人は俺の事を心配してくれた。

 俺的には多少危険でもそんな命の心配するほどじゃないと思うんだがね。もし魔族が出ても逃げるくらいの強さはあるつもりだ。

 その日の依頼を無しにして、俺は掃討戦の参加手続きをした。





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