表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めると吸血鬼少女に  作者: らーめんま
第二章 つかの間の休息・文化祭編
92/134

第84話:亮太を知る少女


マサキが部活の先輩から呼ばれたため、俺はしばらく1人で行動することになった。


「ルナ先輩、大変です!」

血相をかいて、凛が俺の前に現れた。


「いったいどうしたの?」

一応聞きはするが、凛のことだから、またしょーもないことに違いない。そう俺は確信していた。


「実は、先程ルナ先輩の下駄箱を見回りに行ったのですが……」


「ですが……?」


「また、さらにラブレターが増えていました!」


「嘘でしょ?もう文化祭始まってるよ⁉︎」

朝、凛がラブレターを処分してくれていたのは見たが、まさかあれからまたラブレターが溜まっているとは……。


「おそらく、あわよくば今から、今日が無理でも明日からと考えている輩がいるのでしょう」


「困ったなぁ。そんなやつに絡まれたら面倒くさそう」


「そこはお任せください。私たち(・・)が何処の馬の骨ともわからないやつからルナ先輩を守ってみせます!」


「私たち?」


「はい、この日のためにルナ先輩防衛班を作っておきました!」

胸を張って得意げに言う凛だが、俺は別に頼んだわけではないので、はっきり言えば迷惑だ。


「んで、班ってことは他にも人がいるということだよね?」


「そうですよ。うちのメンバーは明里先輩、番長、尾羽頼也先輩、渡辺先輩、木下先輩、坂口先輩、水戸先輩、以上です」


「いろいろと驚きがあるけど、最後の水戸は逆に俺に襲いかかってきそうだけど?」

うちのクラスでスケベでおなじみの水戸のことだから、心配だ。事実、この前も襲われかけたし………。


「その点は心配なく。ちゃんとルナ先輩を守ることが出来たら、ルナ先輩の膝枕券をあげると言っておきましたので。」


「おいおい、なんでそんな券渡しちゃうの⁉︎ 俺の許可なしになぜ膝枕⁉︎ 俺、絶対やらないからね‼︎」

水戸に膝枕なんて絶対御免だ。マサキにならしてあげるけど///


「あっ、先輩またあの男のことを考えてますね!」


「ギクッ」

俺の頬が桜色に染まっていたらしく、凛から考えていたことを言い当てられてしまった。


「許しません!ルナ先輩はあの男には渡しませんからね‼︎」

凛はマサキに対抗意識をバチバチ燃やしていた。

こうして、凛は俺の後ろにずっとついてくるようになってしまった。走って巻こうともしたのだが、すぐに追いつかれてしまい、仕方なく一緒に行動することにした。


「ルナ先輩、あのタコせんオススメですよ!」


凛が何メートルか先にある1つの出店を指差した。


「タコせんかぁ……イイね、俺も好きだよ!」


「そっ、そんなぁ///」

凛は頬を真っ赤にした。どうやら、『好き』は自分に言われた言葉だと思ったらしい。どれだけポジティブ思考なのだろうか。


「お前に言ってるんじゃない‼︎」


「なんだぁ〜、タコせんのことかぁ……」


「当たり前だろ!」


凛とは毎回コントのように、俺がツッコミを入れることになるんだよな。

思えば、俺が女になってからだと思う。マサキ、明里、彩香、お祓い屋、凛などなどのいろんな友達や知り合いができて、ふざけ合ったりして楽しく思えるようになったのは。

男の頃は他にも友達がいたにはいたんだけど、みんなでどこかへ行ったりだとか、深く関わることはあまりなかった。そう思えば、俺は女になってよかったんじゃないのか……。マサキのことを好きという気持ちに素直に向き合えるようになってから、俺はだいぶ女子化が進んできたと思う。今や普通にマサキとイチャイチャしているのだ。少し前の俺からでは考えられない。



「ルナ先輩、ルナ先輩‼︎」

凛に肩を揺すられて、俺の意識が現実へ戻ってきた。


「大丈夫ですか?ボーッとして」


「う、うん。考え事してただけだよ」


「そうなんですか。それより、タコせん買いましょう!」


考え事にふけっている間にタコせん屋の前まで来ていたらしく、凛がさっそく財布を持ってタコせんを一枚買った。

続いて俺も、と、財布を出してお金を払うとき、俺は驚きの声を上げてしまった。


「ウワァッッ‼︎」

タコせんの店当番をしていた女子にとても見覚えがあったのだ。


「エッッ‼︎」

その女子も同様、驚きの声を上げた。


「絵梨だよね⁉︎」「吸血鬼女⁉︎」


「「どうしてここに⁉︎」」


お互いがこの場にいることに動揺を隠しきれない。


「ルナ先輩、この人知り合いなんですか?」


「うん、俺の幼馴染。マサキよりも古い友人だったんだけど、ギクシャクしちゃってね。最低の別れ方をしたんだよ」

そう、今、目の前に立っているのは幼稚園の頃から同じクラスで小中学校はクラスが離れたときもあったけど、ほぼ同じクラス。中学の卒業式で喧嘩別れしてしまった絵梨だった。そんな別れ方をしてしまったので、俺は絵梨のことを忘れようとしてたんだ。だから、今まで1回も絵梨のことは口にしなかった。


「ねぇ、なんであなたがりょーくんと私のことをさも知っていそうな感じで話すの?」


「それは……」

俺は絵梨から『りょーくん』とよばれていた。

絵梨の問いに対する回答に戸惑ってしまう。


そんな中、この2人よりもわけのわからない状態にいるのは凛だった。

「ルナ先輩、りょーって誰のことですか?」


「え、それはね……それよりも、ちょっとマサキの様子を見てきてくれないか。あとで、頭なでなでしてやるから」


「本当ですか⁉︎ じゃあ行ってきまーす‼︎」

凛は疾風の如く走っていった。



「よし、邪魔者はいなくなったことだし。絵梨、ちょっと2人だけになれる場所に来てくれないかな?」


「な、何する気!」


「べつに何もしないよ!ただ、ここだとはなしにくいから……」


「いいわ、分かった。じゃあ体育館裏に行きましょう」







◇体育館裏◇

「それで、話したいことって何?」


「絵梨は亮太のこと覚えてたよね」

マサキ以外、皆から忘れ去られてしまっている『亮太』。だが、絵梨は確かに『亮太』という言葉を発した。


「ねぇ、急に絵梨ってやめてくれない!馴れ馴れしすぎるんだけど」


「ごめん。」


「それよりも、あなたりょーくんの居場所知ってるんじゃないの?」


「なぜ、そう思うの?」


「夜月って珍しい苗字だし、この高校に通ってるということは、住んでいるところもある程度近いはず。りょーくんがこの高校に通ってると聞いたことがあったけど、いざ来てみると亮太なんて名前どこにもなかった。でも、その代わりに夜月瑠奈って子がいたの。だから、あなたには何かあるんじゃないかとずっと目を光らせてたわ」


「たしかに夜月って他にはいないね」

絵梨が怪しむのも当然だ。


「そして、あのときあなたが巫女、さらには半魔だということが分かった。だから、なおさらあなたはりょーくんがいなくなったことに関わってると思ったの」


「あのとき?」


「私がピュアハートの姿をしてたときにあなたに会ったときのことよ」


「え、絵梨がピュアハートだったのか⁉︎」

驚いたが、よくよくピュアハートの顔を思い出してみると、確かに絵梨だ。


「そうだったのか……。それじゃあ絵梨、今から俺が言うことを信じて欲しい」


「急に何よ」


「俺が亮太だ」


「えっ……なに言ってるの?」


「人体実験で女の姿にされたんだ」


「そんな馬鹿な話……」


「信じてくれないの?」


「信じれるわけがないでしょ!」


「それじゃあ、亮太と絵梨に関するクイズでも出してみてよ。答えられるから」


なかなか質問して来ない絵梨を促し、ようやく絵梨の口が開いた。

「じゃあ、私とりょーくんが初めて会ったのは?」

「幼稚園の年少のチューリップ組」

「せ、せいかい…」


「じゃあ、私がりょーくんに中一の時にあげた誕生日プレゼントは?」

「サッカーのスパイク」

「うん、せいかい……」


「じ、じゃあ、中三のときにあげた誕生日プレゼントは?」

「インクが滲みまくってた手紙と花束。そして、ミサンガだったっけ」

「う……うん。せいかい………」


「ほら、亮太でしょ!」


「でも………」


「そんなに信じられない?」


「頭では分かってるわ。そういう実験をしている組織があることも小耳に挟んだことがあるし。でも、それがまさかりょーくんだなんて………」

すると、絵梨は泣き始めた。俺に抱きつきながら。


「ごめんね……ごめん、本当にごめんね」


何度も何度もそう繰り返しながら・・・

次回は亮太と絵梨の中学時代が舞台の話。

感想などお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ