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目覚めると吸血鬼少女に  作者: らーめんま
第二章 つかの間の休息・文化祭編
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第68話:どうやら俺がお姫様役に選ばれたようです

今回も一人称です!

 


「ルナさん起きて! マサキさんもう待ってますよ‼︎」


「うぅぅぅん……ッッ! マサキ⁉︎」


 俺は『マサキ』という単語を出され、飛び起きてしまった。というのも、昨日マサキを家に招き入れた際(凛もいたが)に、明日から学校に一緒に行こうという約束をしたのだ。しかも、マサキの方から…

 俺のことを女とはみてないはずだから、きっと親友として、また中学の頃のように一緒に登下校しようと言っただけかもしれない。真意は本人に聞かなければ分からないが…



 歯磨き、顔洗い、そしてリリムに髪を結んでもらう。

 制服を着て、リリムの作ってくれた朝食を超スピードで口の中に詰め、超高速で玄関を出る。

「マサキ、お待たせ!」


「おう、じゃ行くか」


 高校にはそう遠くないため、徒歩で通学している。当然、マサキも同様だ。


「おいマサキ、今日の髪どう?」


「すごい似合ってる」


「えッ//」


 今日の…というか毎日リリムに髪を結んでもらっている。今日はポニーテールにしてもらった。俺的にはかなり似合っていると思っていたが、マサキがあんなに普通に『似合ってる』と言ってくるとは思わず、少々驚いてしまった。いや、照れてしまったと言った方が適しているのかもしれない。


「あ、そうだ。マサキ、俺がいない間に学校でなんか重大ニュースとかあったか?」


「いや、特に無いが… しいていえば、クラスの全員が3週間後の文化祭で、お前を主役として劇やりたいって言ってたぞ。もちろんお前はお姫様役でな。」


「なっ!俺が主役⁉︎ どちらかといえば、これまでモブよりで生きてきた俺が⁉︎」


「みんなお前にドレスとか着せたいんじゃないのか?」


「なぜに?」


「それは… お前が超絶可愛い美少女だからじゃ無いのか」


「………///」


 照れくさいというか、恥ずかしくて顔が赤く染まってしまった。だいたい俺なんかに主役なんて無理だ。しかもドレスを着るなんて!







 久しぶりに学校に朝から来た。教室の扉を開くと、一斉に皆の注目が俺に集まった。


「おぉ、夜月!」

「夜月さん!」

 などなど…


 皆の視線を集め、緊張しながら自分の席に座った途端、明里が俺のところへ来た。まぁ、いつものことだが…


「ねぇ、ルナ!」


「どうしたんだよ明里、やけにテンションが高いなぁ?」


「ルナにはまだ言ってなかったけど、今度の文化祭で、お姫様役として演劇に出て欲しいの!」


「それはマサキから聞いたけど、ごめん、無理」


「なんでよ!昨日のメイド服のルナだってあんなに可愛かったのに。あれでみんな、より一層気合い入れてるのよ!!」


 明里は怒ったように言ったけど、こちらからするといい迷惑だ。俺だって好きであの格好だったわけじゃないし。

 マサキに目線で助けを求めだが、動こうとしない。お前も俺を姫様役にしたい派なのか⁉︎


 そうこうしているうちに他の女子からも言い寄られる。

「ねぇねぇ、放課後被服室に来て。夜月さん用のドレス作るから」

「絶対来てね!」

「こんな可愛い子のドレスを作れる日がくるとは…腕が鳴るわ!」


「はい………」


 圧倒されてOKを出してしまった。


 演劇の件が一通り終わり、女子たちは定位置に戻っていった。やっと、ゆっくり出来る。


「ふぅ」と一息ついていると、明里がまた俺の目の前に来ている。

 もしかしてまた始まるのか⁉︎


 だが、明里は真剣な顔つきだ。どうやら文化祭とは関係ないらしい。


「ルナ、彩香なんで休んでるか知ってる?」


「いや、昨日から学校来たばっかりだし、分からないよ」


「それはそうね。昨日は来てたけどどうしたのかしら?」


「熱じゃない?」


「うーん…でもなんか引っかかるのよね。ルナがいる頃は毎日来てたけど、ルナがいなくなってから学校休んでることが多かったし、夏休みもほぼ連絡が取れなかったの」


「心配だね。放課後に…と言っても被服室の後だけど、彩香の家に行ってみる?」


「ルナ、ナイスアイディア!」


 ということで、放課後は彩香の家に行くことに決定した。いきなり押しかけるというのも悪いと思ったので、彩香にメールを送っておいた。



 なんだか、放課後にたくさんの用事を入れてしまった。今日はマサキと帰るのは出来なさそうだ。


「ごめんマサキ。放課後は先に帰っててくれ。」


「え? 先に帰ってくれと言われても、今日は部活があるんだが…」


 そういえばそうだった。マサキはバドミントン部に入部していたんだ。俺も入部していることになってたけど、今は討伐団と掛け持ち状態であまり行けてない。


「暇な時でいいから、たまにはバド部にも顔出せよ」


「うん」


 俺の中でもバド部に行きたい気持ちはあった。明里もいるし、マサキもいる。放課後だってマサキと帰れる。……って、なんでこんなにマサキの事ばっかり考えてんだろ?



 \キンコンカンコーン、キンコンカンコーン♪

 チャイムが鳴った。1時間目のスタートだ。









 数時間過ぎ、4校時目のことだった。

 担任が授業の時間を割いて、文化祭の話し合いを始めたのだ。

 まず驚いたのは、演劇で俺が主役というのは決定事項らしい。なんてことだ!可愛いで言うのなら、明里だって彩香だってめちゃくちゃ可愛いじゃん‼︎



「演劇のことだけど…夜月さんを主役のお姫様にするとなると、どんな演目がいいかな?」

 進行役は松尾くん。真面目で学級委員長を務めている。


「シンプルに白雪姫とかシンデレラとかがいいと思いまーす」

「賛成! シンプルイズベストっていうし。」


 女子たちは俺のことを着せ替え人形のように考えてるみたいだし、男子たちは俺のドレス姿を想像して鼻の下伸ばしてるし……


 結局、演目はシンデレラに決定した。恥ずい…



「えー、次に夜月さんの相手役、王子役を決めないといけないけども、立候補者は?と言いたいところだけど、ここは学級委員長であるこの僕が!」


 松尾くんの最後の言葉に男子全員がブチ切れた。


「何がこの僕がだ!」

「学級委員長の立場を利用するな!」

「引っ込め!」

「そーだそーだ!」


 松尾くんに筆箱やらなんやらが投げられまくる。



「痛い……では、立候補者は?」


 皆からの総攻撃にあい、松尾くんは身を引いたようだ。

 男子全員が手を挙げる。皆、譲る気はないらしい。


 話し合いで決めようとしたのだが、一向に決まらない。


 話し合いに飽きてきたのか、女子の1人が「夜月さんに決めて貰えばいいと思う」と言った。周りも納得する。


 みんなから視線が集まる中、俺はどうすればいいのか分からない。

 ふと、マサキが相手役なら良いんじゃないかとマサキの方を向くと、マサキは手を挙げてなかった。なんだか少しショックだな…


 そこへ………

 1人の男が現れた。

 皆の視線が俺からそれ、その男に向けられる。


 本来なら遅刻で怒られるはずだが、先生はニコニコしている。


「おい、みんな聞いてくれ。みんな今まで後ろの空いている一席が気になっていたと思うが…」


 先生が言う通り、俺も前々からこの席は何なのだろうと思っていた。


「クラスメイトである尾羽頼也くんの席だ!」


「「「「「えー⁉︎」」」」」


 純粋にみんな驚く。

 俺も驚いた1人だ。あのお祓い屋が同じ高校生で、しかも同じクラスに在籍していたとは⁉︎


 続けて先生が話す。

「そこでみんなに相談なんだが、王子役は尾羽くんに頼んではどうだろうか?今まで家庭の都合で登校できずにみんなとの交流もない。だからこそ、今回は尾羽くんに大事な役をしてもらい、みんなとの親睦を深めてほしいんだ!」


 先生の熱い思いに皆納得し、俺の相手役はお祓い屋が演じることになった。


 お祓い屋本人は何が何だかわからない様子だが…




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