第54話:巫女の代わりに魔法少女が現れた件
1日遅れの投稿です。申し訳ありません。
そして今回は久しぶりのお祓い屋の登場です!
午前0時5分。暗い道を1人の少年が歩いていた。
あいつが居なくなってから数ヶ月が経った。
いなくなった理由はわかっている。あいつはあの歪みの先にある世界に行ったのだ。
「大丈夫だろうか…」
らしくない言葉が口から出てくる。
あれからというもの、あいつがいなくなってしまい魔物が一気に増加した。そのおかげで俺も大儲けできたもんだ。いや、今のは無しだ。あの時は忙しかったということにしておこう。
そして、今日も俺は街を見回りしているところだ。
魔物を発見するための水晶は今日も反応している。しかも複数‼︎
「これは稼ぎ…コホンッ、これは街の平和を守らなければ。」
残り時間は1時間。あと1時間後の1時5分からはリアタイであれを見なければならない!
魔物がいるであろうポイントへ向かう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
水晶の反応が段々と強まっていく。辿りついたのは、大きな公園だった。
「ここに魔物がいるのか…」
俺は公園内を探し回った。しかしなかなか見当たらない。
「どこだ?」
すると、公園の中央に突然小さな犬が現れた。
「なんだ?これが魔物?? ラクショーじゃねーか!」
子犬の魔物は恐るるに足らない。俺は封印の札を思いっきり犬に投げた。
「これで終わりか…」
これで終わったと思ったのが甘かった。
子犬は巨大化し、3メートルの高さまで大きくなった。札は巨大化するときの衝撃で跳ね返されたため、効いていなかったのだ。
そして、追い打ちをかけるごとく、俺の周りを同じ犬の魔物数匹が包囲していた。
「チッ、四面楚歌ってやつか。」
ジリジリと間合いを詰める魔犬たち。俺にはこの巨体を、しかも数匹も相手できるほどの力はない。
「くそっ、こんなとこでやられるのかよ。」
俺は死を覚悟し、目を固く瞑った。
しかし、一向にして魔犬たちは襲って来ない。
俺はなんなんだろうと薄目を開いた。
すると……
なんと俺の目の前には、魔法少女のコスプレをしている1人の少女が立っていた。
「キミ、ここは危険よ、今のうちに逃げて!」
少女はそう言うが、そう言うわけにもいかない。魔物退治は俺の専売特許だし、何よりこの少女は自分を魔法少女と思い込んでいる危ない人間の部類かもしれない。放っておくと、魔物から噛み殺されてしまいそうだ。
「ほら、逃げてって言ってるでしょ!」
「そう言うわけにもいかん。」
「もう、頑固なんだから。まぁ良いわ。私があなたに指一本も触れさせはしないから。」
そう言って魔犬の方に向き直ると、少女は手にしていたステッキを魔犬に向けた。
「溢れる可愛さラブラブラブリー♡魔法少女ピュアハート誕生!あなたたち悪の魔物の手からみんなを守ります!」
「やっぱちょっと俺、帰るわ。」
あまりのぶりっ子さになんか引いてしまった。また別の意味で、危なそうな人物だ。
「ちょっと!なんで帰るのよ‼︎」
そそくさと帰っていく俺をピュアハートはステッキで殴った。
「痛い。なんか、かなり引いちゃったからね。」
「しょうがないでしょ!魔法少女はこんぐらいしなきゃいけないのよ。それに、これが私の初陣だから。」
「え!魔物とは初めて戦うってことか?」
「そうよ!そして、あなたが私のファン第一号となるの‼︎」
「いやいやいや、別にならないよ。って、危ないぞお前!」
ピュアハートが俺と話している隙に、背後から魔犬がピュアハートに襲いかかろうとしていた。
「背後から襲おうとしても無駄よ、子犬ちゃん♪」
ピュアハートは魔犬の攻撃をひらりとかわすと空に飛び上がった。
「何匹いようと、一発で倒しちゃうんだから! くらいなさい!シャイニングシャワー‼︎」
ステッキから輝く光の粒が大量に雨のように魔犬たちに降り注いだ。
降り注いだ光は魔犬たちを浄化していき、数匹いた魔犬の姿は消えていた。
「すげぇ…」
なめていた俺だったが、どうやらピュアハートは実力は本物らしい。
ピュアハートは魔犬がちゃんと浄化されているのか確認した後に、俺の元に降り立った。
「大丈夫だった?」
「別にどこも怪我してないけどな。」
「それなら良かった!」
ピュアハートはニコッと笑みを浮かべた。改めて見るとなかなかというか相当の美少女だ。
「ではファン第一号くん!これからは女狐巫女に変わって、私がこの町を守っていくから。
私の布教活動もよろしくね♪」
「だから、俺はお前のファンじゃねーよ!」
「あっ、そうだ!サインも考えてきてるから、ファン第一号くんの服にでも書いてあげよっか?」
「だからいらねーよ!」
こうして、巫女がいなくなったこの町に新たな魔物を倒す戦士が現れたのだった。
久しぶりのこっちの世界の話でした。
次回も日曜更新予定。




