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料理回

この世界には、ちょくちょく現代日本でお馴染みのモノがあったりする。

トールさんの新しい相棒の日本刀とか、ね。


紙とか石鹸、火薬、あと将棋とかオセロもある。

さすがに複雑な機構の機械類、例えば銃とかは再現が難しいのか、見たことないけど。

単純なマスケット銃なら、あるらしい。

そこまで出来てりゃ、あとの進化は早いだろう。

そのうち、剣とかの時代は終わるのかな。。


その他農業や畜産なんかも、結構その手の現代知識が入っているみたいな感じだ。


なので、剣と魔法とスキルと現代知識が入り交じってて、トールさん的にはちょっとしたカオスだ笑



それらの名前もそのまんまなんで、きっと過去にトールさんと同じようにこちらの世界に渡ってきた人間がいて、現代知識チートをかました結果、ということなのだろう。


食品なんて、ホントに多いし名称もまんま。

醤油もマヨもあるし、何だったらコメだってある。

まあ、こっちの人の口に合わんのか、あんまり一般的なもんじゃないけどな。


ある程度の下地さえあれば、あとはそれを実現させるために、スキルで補助を入れて無理やり作ってるモノも多いみたいだ。

この前の魔族の婆さん(熟女)が言ってた【オクリビト】っていうのは、トールさん同様に様々変則的なスキルを持っているらしい。

そんな固有スキル頼みの現代知識チートは、ソイツが死ねばそこで途絶えるけど、コッチの人のスキルで再現可能なモノは残ってるって事だろうな。




で、今回は料理回。

だってほら、食べたいじゃん。

異世界転生してからこっち、この世界の料理は最初こそ新鮮に映ったけどさ。

そろそろガツンと食べたくなってきたんだよね。

海外に長く滞在してると和食が恋しくなる的なやつ、あるよね?

ま、トールさん海外行ったことないし、別に和食が恋しい訳でもないから知らんけど。


きっかけはこの前の魔族の婆さん(熟女)の道具屋。


そこにね、あったんだよなー。薬剤の材料として売られてた各種スパイスが。

クミンとか比較的そのまんまだったし、ターメリックも元の形と香りを覚えてたからすぐに分かった。

お値段もそんなに高くはなかったな。

さすが物資の集積地、商都リオレ。


トールさん、日本で暮らしてる時も一人暮らしが長かったから結構料理は作れんだよね。

カレーとかスパイスから組み合わせて自分の好みに作るなんて嗜みも、あったりするわけよ。

流行りに乗った典型的な厨房男子とか職場では笑われてたけどさ。


それでもさ。

スパイスの種類なんかも、匂いで覚えてたりしてるから、ちょっと名前が違ってても何となくわかっちゃったんだよな。

まあ、ぶっちゃけ【ステータス確認】先生に聞けば諸々分かっちゃうんだけど。

いや、知識ってさ。 本当に大切だよね。


「やー、最初は薬作ってるのかと思ったけど、」


まだ陽もあがっていない朝早く。

【運河の畔亭】の厨房には、パンの焼き上がるいい香りとは別に、妙に食欲をそそるスパイシーな匂いが漂っていた。


「 肉が入りだした頃から、なんかうまそーな感じになってきたね」


釜から焼き上がったパンを次々と籠へと出しながらも、鼻だけはこっちを向けてアビイが腹をさする。

なにげに器用なコ。


うんうん、カレーはね。この匂い嗅ぐと、ハラ減るよな。

スパイスを炒めて、みじん切りにした玉ねぎと合わせて、パテみたいになるまで水分を飛ばしたら、ミンチ肉も加えて、他の香味野菜も入れていく。

香りの飛びやすいスパイスは、このタイミングで投入だな。


いま作ってるのは、まあ水分の少ないキーマカレーだ。

もちろん本番のと違って羊とか山羊の肉じゃなくて、安く手に入れた牛とブタの端肉を粗く叩いて使ってる。


「 でもさ、トールさん器用だよなー。みじん切りとか手慣れた感じでさ。」


昼間や夜の【運河の畔亭】の厨房は、まさに戦場のような忙しさで、とても間借りなんか出来ない。

アビイが朝にパンを焼く時に、空いた火口を借りてカレーを試作してみたって訳。

もちろんワイロは試食だ。


時間経過も思いのままな【無限収納】のおかげで、作り置きしとくと野営の食事が豪華になるからなーー。うひ。


いい感じに水分が飛んだら、火から下ろして香りまで飛ばないように、ね。

隣では土鍋でコメも炊いてる。

湯気が収まってだいぶ経つから、もうすぐ炊きあがるな。

やっぱ日本人はさ、コメだよコメ。

なんだアビイくん、興味津々かな?

ちょっと食べてみるかい??


「 あれ? コメだったよね?」


土鍋の蓋を取って、ブワッと湯気があがると同時におコメのよい香りが漂う。

あ、そうか。

こっちではコメはお粥とかスープにして食べるのが普通で、炊くなんてしないんだっけ。

小麦に比べて反あたりの収量が多いので、意外と作物として定着しては、いるんだけどね。

単価は小麦のが高いから、そこまでメジャーな作物では、ないんよな。


「 へー、なんかつやつやしてて美味そうだね」


もちろん精米機とかないから分搗きのお米だけど。

これはこれでコメ臭くてトールさん好きだな。

カレーみたいなパンチの効いたものと合わせるなら、コッチのがアリ寄りのアリだね。


お皿を一枚拝借して、コメをよそってカレーをかける。

ホラ、おあがりよ。


「  ・・・、わ、うめっ」


おー、無言でモリモリ食ってる。

そーそー、カレーは飲み物だから。

トールさんも小学生くらいの時って、カレーだけ食って生きて行けるとか思ってたもん。


「 これ、コメと合うね! ウチで出したら流行るんじゃない?」


お、やっちゃう? カレーチート笑


「  んーー? なんだい?この匂い??」


お、【運河の畔亭】のボスが降りてきた。

 

「あれ、トールさんおはよう」


「あ、厨房お借りしてました」


「あー、いーよいーよ、この時間ならさ。 で、ソレなんだい? 美味しそうな匂いさせて」


お、女将さんも興味あるね?

食って食って。


「 かーちゃん、コレうめえって。ウチで出そうぜ」


「  ・・うん、美味しいねぇ、カリーの味だけどすごく濃厚だね」


でしょ?

こっちの世界のカレーは、カリーって呼ばれてるスープカレーみたいなのなんだよな。

さすが女将さん、カリー知ってたか。


「この下のは、、なんだい?」


「それ、コメなんだよ。 美味いよな」


アビイくん。

すっかりキーマの虜だな。


「へえ、、 確かにコメだけど、歯ごたえがあって噛めば噛むほど甘くてコク深い味がするね」


女将さん、食レポ上手いな。

さすが【調理】スキル持ち。


「 ただちょっとスパイスの粉っぽさが立ってるわね。 コレ休ませるとイイんじゃないかい?」


お、わかってるね。

そうそう。スパイスは火の加減と熟成がキモ。

出来立てから一度冷まして寝かしてやるとカドが取れてまろやかになるんよ。


あ、レシピは紙に書いといたから。

あとはスキル持ちでよろしくやっといてもろて。



とりあえず今つくったので4〜5食分は確保できたから、いったん【無限収納】に仕舞っちゃおう。



明日は【迷いの森】で、試し斬りだっ☆

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