アイリ、女子会を開く
ベルチェ家の素晴らしさを噛み締めつつ、アディたちと仲良くお茶するほんわか回。
───アイリーンの庭
6/22(土)。アディとアネットは土曜が良いと言うことで、またベルチェ家に招いて女子会♪
「──まぁ! これがシュークリーム……!」
「うん、プリンが好きなら好きかなぁって!」
──昨晩、またアンジェロとディオンに付き合ってもらって、シュークリームを作った♪
この世界では、ゼリーとかシャーベットはあるんだけど、何故かカスタード系のデザートがない!
カスタード系のデザート大好きだし、みんな喜んでくれるから自分で作っちゃうけどね!
「そういえば、アディ、神殿どうでした? 楽しかった?」
「ええ! 神殿の図書館には、一般の図書館には無いような魔法や精霊に関する本や、聖女様に関する記述のある本なんかも少しあるみたいです! 霊力が高い方も多いので、理解してくださる環境で……楽しく過ごせそうです!」
──おお! やっぱり、アディに必要なものは、理解者と才能が生かせる場所だったんだね♪
アディの雰囲気も少し変わったし、これから少しずつでもいいから、人生が明るく楽しくなるといいよね!
「──アルベール様は、特に良くして下さっていて……ルヴィエ家での扱われ方がおかしかったのだ! と怒ってくれましたの。私の気持ちを代弁してくれたようで……とても嬉しかったのです!」
『お兄様の言う通りですわ! ベルチェ家では、アドリエンヌ様は優秀な令嬢、という認識ですからね……!』
「そんな冷たい家! 捨てちゃって宜しいですよ!」
「エミリー! 良く言った!!!! そんな家捨てて良いっ!!!!」
──ベルチェ家なら、こんなに辛い思いしなくて良かったのに。
異世界人の私に対しても家族として扱ってくれる、優しいクロヴィス様、アルベール様に、リーニャ、エミリー……
全く! クロヴィス様を見習ってよね! ルヴィエ卿っっ!!!!
「──そういえば、アイリ様、明日は陛下とデートなさるんですよね?」
「えっっ、なんでアディ知ってるの!?」
「ふふっ……! 昨日の日中に、エミール様が陛下を探しに神殿までいらっしゃって……その後、陛下は見つかったのですが、どうやらお城を抜け出していたそうで……
ふふっ! その時に嬉しそうに、週末デートだから服を取りに行った! って悪びれずに言うものだから、エミール様とアルベール様にこっぴどく怒られていたのですよ! その様子が……もう、おかしくって!」
『カミーユ様、変装がお得意で城を抜け出す達人って、お城にいる精霊たちが教えてくれました♪』
──肩を揺らして笑うアディ。笑ったアディの方が可愛いっっ! アネットも精霊たちと仲良くできてるみたいで良かった♪
というか、カミュ様、仕事抜け出してアルベルティーヌ様のお店に行っていたのね……! ごめんなさい、お兄様、エミール様……!
「えー! お嬢様明日デートなさるのですか! 今日は磨きに磨いて、明日はうんっと可愛くしましょうね!」
『アイリ、やっとお邸から出られるから良かったですね♪ 何があったか、ちゃんと私たちに教えてくださいませ♪』
──うわぁぁぁぁぁ! 4人ともニマニマと見つめてくるぅぅ!!!! 次のお茶会は……デートの報告っっ!?
クロヴィス様はめっちゃ人間として素晴らしい……