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アイリ、反撃を仕込まれる

Sっ気が芽生える愛理ちゃん。

 

 ───鍛錬の館 外の更地



 エミリーとリーニャと共に鍛錬場に向かうと、セザールが縄を持ち待っていた。

 ワイルドなセザールが縄を持つと、何故かよりワイルドさが増している気がする……



 「ジェスパーに聞いたが、お嬢様の魔法の腕は凄いらしいですね。防御やある程度の攻撃も大事ですが、今日は捕らわれた場合の練習をしてみませんか?」


 「──たしかに捕らわれないようにするのも大事ですが、万が一捕らわれてしまってからも大事ですわよね……!」

 「ええ。エミリーと私は緑の魔法の使い手です。縄で身動きが取れないように縛られた状態や、蔦やつるを使って囲いますので脱出の訓練をしてみましょう」



 セザールは頷くと、鍛錬場の太い柱に私を寄りかからせ、両腕が動かないよう体ごと縄でグルグルと柱に固定した。


 「おお……! 鮮やかな縄さばき! 身動き取れませんわね!」

 「庭園の木に縄を掛けたり結んだりするのは日常茶飯事ですからね。では、お嬢様、これを抜けるイメージでやってみて下さい」


 ──縄だから……切るのが普通だよね。


 『私の右腕に硬めのジェルで防護、氷の刃を出現、腕の縄を切って!』


 ──パラッ


 体を傷つけることなく、縄を切ることに成功した。


 「静かに縄を切る、これは大事なことです。場合によっては、お嬢様の腕を覆っていた粘度の高い液体を床に広げ、氷が床に当たる時の音を吸収してもらうと良いでしょう」


 「──なるほど……音がしたら気付かれてしまいますものね……!」

 「防護や防音に優れたその粘度の高い液体は、素晴らしい発想です。水の魔法を使いこなしておりますね!」


 セザールは満足そうに頷くと、今度は魔法で丈夫そうなつるを出現させた。

 つるは勢いよく伸び、全身に絡みついてきた。


 「植物は水が大好きで吸収しますからね。それもポイントの一つですよ」


 ──うーん。どうやって絡みついたつるから逃げようか。


 『全身に防護のジェル、その上から氷でコーティングして防御! つるの外側から氷の刃! 私に向かって集中! つるを切って!』


 ───ザシュザシュザシュっっ!


 『切ったつるを水で包み潤わせて高速冷凍! 粉砕して散らす!!!!』


 ───サァァァァ


 つるは、サラサラとした氷の粒のようになった。



 「──お嬢様は頭の回転が早く、状況を掴むのが上手いですね」

 「ありがとうございます」


 「──もし、実行犯が近くにいるなら、そのつるを凍らせた状態で粉砕せずに、氷で包むようにして刃や礫や矢のようにして攻撃を返すというのもアリです。正当防衛に当たりますから。」

 「なるほど……! 相手の攻撃も活かすのですね。覚えておきますわ!」


 セザールさんは悪そうな笑みを浮かべて、攻撃法を考えているようだ。


 「もし、実行犯やその仲間が近くにいるようなら、応援を呼ばれないように実行犯の口や鼻を覆うように、粘度の高い液体で覆うのもいいですね。窒息させることができるでしょう」


 「──あぁ、粘度の高い液体を、つるのように細く伸ばし逆に首や体を縛り付けてやってもいいかもしれませんね」


 セザールは、やはり黒い笑みを浮かべていた。


 ──おお……セザール! 意外とえげつないぞ!

 そして、黒い笑みはエミリーの悪巧みの顔にそっくり!

 この人、魔力自体はそんなに無いけど、発想力がすごい。

 これが魔法行使力……ってことなのか。強い!



 「ええと……セザールさん? 一応、私は公爵令嬢なのですが、こんなことしていいのですか……?」

 「ひ弱そうなお嬢様が攻撃するなんて普通は思いません。ですからカウンター攻撃が効くと思うのですよ……ふふふベルチェ家を舐めてもらっては困りますからね……」

 「な……なるほど……私の存在自体が隙、なのですね」


 でも、戦うお嬢様って……なんだか、かっこいいっっ!!!!




書きませんでしたが、

蔦漆を這わせて全身猛烈なかゆみとかぶれを引き起こさせて弱らせるっていうのもいいなぁと思いました。

トリカブトとかマムシグサの毒を染み込ませたジェルで口元を覆うとか…死にますね。ってことで却下。えへ

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