第四百九十九話『待ちわびていたのにゃん』
第四百九十九話『待ちわびていたのにゃん』
《良かったにゃあ、イオラにゃん》
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『うわん!』
「——アタシとしたことが。
『弘法も筆の誤り』
なぁんていう、
自分だって、
説明のしようがない、
『わけの判んないアヤマち』
に突っ走っていたなんて。
んまぁそりゃあね。
『過去は過去。
二度と元には戻らない』
のは百も承知。
それでもぉっ。
アタシは、
かすかな望みをつなごうと、
『あがいて』
『もがいて』
『口にして』
なのわぁん——
あ、あのね。
つい、
うぅっかりのかり、
していたけどさ」
『アタシはミーナ!』
「なぁんて
遅ればせながらも、
名乗ったからには」
『どアタマのすみっこ』
「でもいいもんで、
覚えておいて、
欲しいのわぁん」
《ミーにゃんったら、あわてて横から口をはさまにゃくっても》
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「にゃあんて」
『どさくさにまぎれて』
「でもにゃんでも」
『ふたりそろって首尾よく、
名乗りを、
あげられたのにゃん!』
「っていう、
奇跡にも似た成功劇に」
『これ幸い』
「と気分良くして、
話を進めるとにゃ。
にゃあ、おじいにゃん。
あんたが恐れ入ってる、
イオラにゃんはにゃ」
『気にさわる』
「どころか、むしろ」
『感謝しているのにゃん』
「ふむ?
どういった次第で?」
「にゃあって」
『今日』
「という日がくるのをにゃ。
ずっとのずぅっと、
待ちわびていたのにゃもん」
《『若いもん』と呼ばれたもんで痛く感激してんのにゃん》
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「ここだけの」
『内緒話』
「なのだけどね」
ひそひそ。
「実はそうなの。
だから、見て。
ミアンちゃん。
待ちすぎて、ほら。
こぉんなにも」
「にゃあんて」
『ろくろっ首の女の子』
「に」
『お化け』
「ににゃられてもにゃあ」
《『首を長くして待つ』のあげくに、とでもいうのにゃん?》




