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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
残風編

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第41話 夏去る香り

起きた時にはすでに6時だった。今から朝食の準備なんてしていたら学校に間に合わなくなる。

今日ばかりは全員自分で準備してもらうしかないな…。

ほとんど毎日料理している俺や疾照、望美なんかはもちろんのこと、和城もまあまあうまくできている。

問題なのは、もちろん幸伶だ。

英春「…なにやったらパンが炭の塊になるんだよ…。」

幸伶「火加減ミスった!」

英春「トースターに火加減もくそもねえ。…やっぱり余分にパン焼いといてよかった…。」

幸伶「ありがとう!」

やっぱりこいつを台所に入れてはいけないな…。まあ、もっと恐ろしいのは、和城いわくこれでもまだましであるということだが…。

すぐさま朝食を済ませて、荷物も確認し、1か月少しぶりに学校に赴く。


凌貴「ひさしぶり。」

鍛郎「ひさしぶりだな。」

英春「ひさしぶり。」

教室にはすでに凌貴と鍛郎がいた。ほかの面々はまだ来ていないようだ。暇だったため、2人含めた7人で雑談を始めた。

望美「ねえ、2人は理科のあの問題解けた?」

さっそく、望美が例のスーパー難解問題を話題に挙げた。やはりそれは気になるようだ。

鍛郎「いや、全然わからなかったから、中学の兄に教えてもらった。」

凌貴「俺は普通にできた。時間はかかったけど。」

和城「凌貴すげえ…。」

疾照「私たちは3人がかりで何時間もかけてやっと解き終わりましたよ…大変でした…。」

幸伶「僕は30分くらいで解いたかな。」

英春「お前といい望美といい、なんでああもスラスラ解けちまうんだよ…。」

言っていなかったが、あの後、普通に望美も自力で正解を導いていた。この謎の差はいったい…。

そうして雑談をしていると、素朗や優来、幾斗、虎彦、七夜、剣蔵、瑞穂と、このクラスの面々が集まってきた。久しぶりに12人が全員集まったというわけだ。

直我「おーし、全員いるな。では、朝の会を始める。日直誰だっけ…。」

1学期末に黒板をすべて消してしまったので、最後の日直が誰かわからなくなってしまった。

直我「まあ、幸伶でいいか。」

幸伶「ええ!?なんで僕!?普通望美だしょ!!!」

英春「”だしょ”とは…。」

直我「名簿順で考えてないからな。今日くらいだぞ午前中で終わるのは。」

幸伶「どうせほぼ2週間に1回まわってくるからあんまり嬉しくない…。」

そうやってブツブツ文句を言いながらも、幸伶はしぶしぶ先生から日誌を受け取った。

日直は朝のあいさつもしなければならない。

幸伶「戦慄!幸礼!Per(ペル) favore(ファボレ)!ケイ石!」

…なにこのあいさつ…。

望美「…なに今のペル ファボレって…。」

凌貴「…多分、イタリア語…。発音がそれっぽいし…。」

直我「よし、幸伶、明後日までに反省文5枚書いてこい。」

幸伶「えええええ!?」

当然だな…。逆に、なんであれで行けると思ったんだ…。

その後は、始業式と宿題の回収があった程度で、すぐ帰ることができた。


英春和城疾照「かんぱ〜い!!」

その日の夕方、幸伶と望美を幾斗の家に押しつけて、当初の通り3人だけで"おつかれ会"を開いた。

まあ、ジュースと多少の菓子がある程度で、豪華さはないが、あのバカどもの面倒を死ぬ気で見てきた俺たちにとっては十分である。

和城「あー、平和だなあ…。」

疾照「なんか、やっと心を休ませることができますね。」

英春「この平和があと1週間くらい続けばいいのにな…。」

和城「いや1ヶ月だ。1ヶ月ないと割に合わない。」

俺以外の同居人は、前からも幸伶と望美と関わりがあったはずだ。それでも疲れ切ったということは、やはり同居というのは大変なのだろう。

和城「何かゲームでもやらないか?」

疾照「いいですね。」

英春「何やるか?」

和城「……大喜利五目並べ。」

英春「なにそれ…。」

疾照「幸伶さんが作ったゲームですね。」

英春「やめろ。」

和城「いやいや、疲れるゲームじゃあない。ただゲームを進めるなかで大喜利しなきゃいけないだけだ。」

英春「…大喜利ってことは何かお題でもあるんだろうな?」

和城「いや?ゲーの中でふざける。もちろん、ゲーム進行を害するほどのものは失格だがな。まあ、言ってしまえば五目並べ自由度レベル200ってとこだ。」

疾照「私が審判しますから、お二人でやってみてください。」

今だ要領を得ていないが、とりあえず対戦することになった。俺が黒石なので、先攻というわけだ。

とりあえず、真ん中に置いた。和城も普通に白石を置く。俺は最初に置いた石の隣に置いたが、なんと和城は石を3個置いた。

英春「…は?何してんの…?」

和城「行ったろ?五目並べ自由度レベル200だって。」

英春「でもそれはおかしい。」

とはいえ、文句ばかり言っていても進まないので、俺も自由にやらせてもらうことにした。

俺は和城の白石を囲むように黒石を6つ置いた。

疾照「あ、それは規則違反ですね。」

英春「何が違うんだよ!!」

和城「まだまだだなあ…。」

英春「…疾照…、交代してくれ…。俺は、もう無理だ。」

疾照「わかりましたよ。」


その後の展開は、俺には到底理解ができないものであった。石の置き方が本当に支離滅裂だ。

2人がどういう思考をしているのかはわからないが、やはり少しばかり幸伶の影響を受けているのではないか、と思う…。

そうして色々と遊んでいるうちに、幸伶と望美が戻ってきた。

唐突に帰ってきたために、俺たちの片付けが間に合わず、バッチリ2人に見られた。

幸伶「…いいなあ…。」

望美「…いいなあ…。」

英春「……、ああもう、わかったよ、参加させてやる!」

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