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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
真夏編

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33/33

第33話 そこへ至る

夏休みの期間に入り、しばらくたった。時がたつのは早いもので、もう海へ行く日、当日になってしまった。朝早くだというのに、俺たちは村のバス停に集まった。俺たちがこの村に来た時、初めて訪れた場所だ。

幸伶「もうみんな来たよね。」

英春「幾斗が来てないぞ。」

望美「あれ。」

その場には俺たち移住キャンペーンのメンバーと、素朗に瑞穂。自分から行くと言った幾斗が来ていないのだ。新城駅行きのバスが来るまであと数分。これを逃すと次は3時間後だ。

和城「…ヒデ、もうそろそろバス来るぞ。ほら、見えてきた…。」

疾照「ああ、もう、これは無理ではありませんか?」

英春「…仕方ない。おいていこう。」

素朗「うんうん、仕方ないよね…。」

すでにバス停には幾斗を見捨てる空気が流れていた。そうこうしているうちに、バスが来てしまった。

英春「おい、幸伶、乗るぞ。」

幸伶「はーい。」

幾斗「おおおおおおおおおおおい!MATTEKURE!!!!!」

瑞穂「なんか来た!!」

7人のうち、最後に乗ろうとした瑞穂が目撃したのは、全力でこちらに走ってくる幾斗で、初めに乗り込んだ俺は、それを座席から目撃した。

疾照「すみません、あの人も乗るようなので、少しばかり待っていただけませんか…?」

「は、はい、わかりました…。」

疾照が運転士の人にそうお願いしたため、幾斗は何とかバスに乗ることができた。

しかし、あまりにも周りのことを考えない行動を、俺ら全員は許すことができず、しばらくは他人のふりをすることにした。

幾斗「いやあ、ABUNAKATTA!ギリギリだぜえ。」

英春「…。」

素朗「幾斗…、少し、黙ろうか…。」

おそらくだが、幾斗には他の7人全員が鬼に見えたことだろう。それくらい、みんなの逆鱗に触れたということだろう。

その後、バスは追風村の西部、飛行とびゆき、山吉田、日吉、富岡、長部というバス停に停まり、新城駅前に着いた。

幸伶「長かったあ!」

望美「もう疲れちゃったかも。」

英春「いや、まだまだ長い道のりなんだが…。」

そう、これだけ進んだように見えて、まだ市町村を1つまたいだだけなのだ。まあ、新城市が広すぎるだけなんだが…。

さて、ここからJR東海の飯田線に乗り換えるわけだが、ここも乗り換え時間はわずかだ。それに8人分の切符の購入もしなければならない。それに加えて、そこそこ大きい駅なのに自動改札がないせいで、駅員さんに切符を見せなければならず時間がかかる。そして、例にもれず本数が大変少ないため乗り遅れたら大変なことになる。

瑞穂「…まずい、腹痛い…。ちょっと、トイレ行ってくる…。」

英春「列車はあと10分で来るからな。遅れるなよ。」

瑞穂「わかってらあ。幾斗のようにはならんから、安心しろ…。」

幾斗「オレをIZIRUNA…。」

疾照「…整腸剤、渡したほうがよかったですかね…。」

英春「うん、間違いないな…。絶対渡したほうがよかったやつだぞ…。」

すでに旅は混乱を極めているが、なんとか切符も買うことができ、さすがに瑞穂も間に合わせてきたので予定していた列車に間に合うことができた。

ここから豊橋駅までの移動である。

やってきた列車はボックス席、すなわち、席が向かい合わせで固定されている席がやってきた。

つまり、4人ずつでメンバーを二分する必要がある。

望美「…どこに座る?」

英春「適当に座ってくれ。飯田線が混雑することはまずないからな。」

俺がそういうと、瑞穂素朗幾斗和城、幸伶望美疾照にきれいに分かれた。

…お前ら…、その謎の団結力を、普段から発揮しろよ…。

俺は仕方なく、幸伶の隣に座った。



さて、このまま移動シーンだけでも面白みがないため、一気に田原まで飛ばす。

…決して豊橋に恐怖心があるわけではない。

田原からは再びバスである。

瑞穂や望美がないないと言っていた水着は、豊橋駅付近の服屋で購入した。

和城「あとどれくらいだ?」

英春「あと1時間程度だな。」

望美「ええ?まだ1時間かかるのお?もう10時だよ!?」

英春「文句ならそこの水色Tシャツ男に言うんだな。」

幸伶「ひ、ひいひゅううひいいい…。」

疾照「…口笛、吹けてませんよ。」

幸伶「ひ、ひいいいいいひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅ…。」

素朗「き、機関銃…。」

幸伶がふざけている間に、目的のバスは駅前のバス停にやってきた。

今回もしっかり幾斗がいることを確認し、乗り込んだ。

追風村から3時間。山奥で暮らすことの面倒さを再び実感した。


伊良湖のホテルに着いたのは、11時であった。2人1部屋で、俺はこれまた幸伶と相部屋である。

幸伶「いやあ、楽しみだね。」

英春「まあ、楽しみではあるな。」

幸伶「荷物持ったらもう出よう。ほら、早く!」

英春「そんなすぐ泳ぐわけじゃないだろッ!」

俺は最低限の荷物だけ持って部屋を出た。鍵を閉めると、とたんにみんなが出てきた。

和城「……???」

幾斗「HA?」

瑞穂「ちょ…。」

英春「望美…、旅館内を水着で歩くんじゃない…。」

望美「え、変?」

疾照「ほら、だから言ったんじゃないですか!ほら、上着、着に行きますよ。」

望美「えええ?」

なんと、望美は水着だけを着た状態で部屋から出た来た。

疾照の口ぶりからして、止められたはずなのに…。

そもそも、今回お世話になる海水浴場には更衣室があるんだよな…。それもあらかじめ伝えたはずだ。

…疲れる奴らだな…。

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