甲斐甲斐しく
「そうだな、祖父は権力欲の塊だったのだろうよ」
オレは再び訪れた小屋でお爺さんの身の上話を聞いていた。
「それでも、お爺さんの一家とやらに名前がないってのも変な話しですね?」
「昔から、名が力を集めると信じられているから、代々そう決まっているのだ」
体はただの器でしかなく、力を持つのは魂。魂に名を与える事で力ある人が出来る。
たがらお爺さんの血筋には名前が与えられないんだとか。
「ウチらなんか、知らないウチに呼び名が変わってたりしたもんなんですけどね?」
「…なんでじゃ?」
「いや、実家っつーか育ったのがスラムの孤児院なんすけど、そこにテイラーってのがいるんだけど、周りが付けた名前がブルースでいつのまにかウィルスになったり今はテイラーで収まってるんすけど、名前なんかいくらでも変えられるんじゃないですから落ち着きたいとかいってましたね」
他にも、配達員になった兄さんなんてホットマンやら呼ばれたりしてるし?
「…お主の故郷は、聞けば聞くほど訳がわからなくなるのう」
「無法って言うか、母さんや姉さんに無理やり名前変えられたりとかってのがあるんですけど」
「なんじゃそれは」
「オレも小さい頃は、女装させられたりルーナだったり色々名前変わって一時は名前がわからなくなった事もありましたね」
「奴隷なんかは主人が変わる度に新しい名前を与えられるもんだがな…」
「名前の意味が分かんない位の年だったらいくらでも変えられると思ってたらしいですよ?幸い二歳くらいからしっかりと覚えてるからルーナにはならずにすんだけどね。」
「二歳か?」
「二歳です」
「転生者なら生まれた時からが普通じゃろ」
―いや、知識はあるけど転生者とは多分違うんで。




