【健康茶】
二章が長すぎる予感。章分けやめよっかな。
「風が寒いな。」
ボヤキにもにた言葉が口から漏れた。
「もうすぐ秋になりますからね。」
銀とか灰色とか呼ばれる髪色と黒い瞳の少年兵士が物見台から町全体を眺めながら話しかけてくる。
彼も風景を楽しんでいる訳ではない町の到る場所から昇る煙を一つ一つ眺めそれが通常の生活煙によるものか火事によるものかを見極めているのだ。
ここよりはるかに寒い北側ではこんな噂話があったと思いだす。
南端の王国には人知れず竜を狩る者達の町があり、毎晩竜の肉が晩餐を飾るのだと。
何てことはない話だ。
南端のシュルガまで流れて来たが竜の肉を目にする機会は全くなかった。
竜の素材があふれている訳でもない全てが噂話だった。
目的は別にあったから噂話に期待して落胆している訳ではない。
ましてや、遠く離れた祖国から苦楽を共にしてきた仲間に裏切れたのは残念だったが、剣の腕を買われ下っ端からとはいえ正規兵として再スタートできたできたのは幸運としかいいようがない。
「今日は、焼き菓子を分けてもらってきた。」
「焼き菓子ですか薬湯しかないですがいいですか?」
「たしか、タンポポ茶だったか。」
「あとこの間の干し肉あります。」
「一つ貰えるか?」
いくらでもどうぞと、少年がウェストバッグから取り出したのは、過去に一度しか口にしたことがない竜の肉をより味わい深くしたトカゲの肉。
少しクセがあるが、一度食べるとヤミツキになりそうなくらい旨いのだ。
「ああ、美味いな。」
「おいしいですね…。」
今日は巡回はないので交代時間まではトイレ以外は下におりれはしない。
チビチビと飲む甘いタンポポ茶は寒い空の下でとてもうまかった。




