わざわざ近づくな
「見事な転落劇ね。」
彼女の話と牢屋で聞いた話を照らし合わせ自分達なりに補正するとこんな話が出来上がった。
まず祖国の敗戦が確定した、勝利国は身分の高いものは根こそぎ処刑されるので最後の抵抗をしている間に彼らは持てる金品を持って国から脱出。
北側で指名手配されたが、追っ手のかかる前に勇者教の境界線を越えて南側諸国へ。
南側諸国を転々としてたが、その中の一人が金品を持ち逃げした事から瓦解が始まる。それまでは祖国奪還の為に手を尽くしていたのだが、いつのまにか私欲に走る仲間が増え、誇り高き騎士達は祖国のためだといいながら野盗じみた行動を取り始めた。
もちろん、彼女には何も悟らせないようにした上でだ。
その内仲間が減り始め、気がつけば五人にまで数を減らしていた。
捕まったのは仲間とはぐれてしまった元騎士で、はぐれたのは仲間にたのまれ先に一人店に入り文したときだそうな。
後から来るという彼女の分も低め一番安い定食を5つ。
彼女を呼びに行った仲間が戻るのをまっていたそうだが、長い時間待ち続けたが帰らない。
私物の中の金がいつのまにかすり取られていて、金も払えない逃げ出そうとしたがあえなくつかまった。
ちなみに定食は手付かずだったそうだ。
彼女と最後まで行動していた連中がどうしているかなどわからないが、元騎士と彼女は捨てられたとみて間違いないだろう。
ちなみに、北は寒いので式典いがいは皮鎧が主体だそうだ。
「無様ね…。」
「…そんな訳で、彼女と合わせるか考えてるんだけど。」
おそらく同じ時間帯にハメられたであろう2人。
そこまで、警戒しなくても良いかも知れないが、問題となるのは男の引き受け先だ。
男が牢屋から出れない理由は簡単、無一文だからだ。
このまま無一文で引き取り先がなまま放り出せば、やがて同じような事態になりかねないから牢屋で身柄を預かる事にしたらしい。
それに、2人を会わせたら必然的にココに新たな厄介事を追加する事になりそうだ。だから敢えて会わせずに放置するか…。
「ウチの子ならまだしも面倒みきれないわ…という事でいいかしら。」
「わかってたけどわかった。」
つまり、放置だ。
姐らは年下にトコトン甘いが年上の異性は避けているから、そうなるだろうと思ってはいた。
元騎士も何か仕事先を紹介されるハズだ。
「それじゃあ、またくるよ。」
「そう、今度は二人きりの時にきてね?」
テレサが甘い言葉を返してくれだが、共同経営がいてそりゃ無理でしょ。
姐の中でもテレサが一番ズレている気がする。




