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仕方ないな

「勇者の武器は聖剣なる概念がまず悪いと判明しました。

もちろん、予備武器としてショートソードの扱いも教えて貰う事になります。」


付き添いで来た護衛騎士が、スラム育ちに対する対応にしては凄く丁寧な口調で説明してくれた。

いやしかし、他人ごとだからって俺が教えるみたいな事を断言してかないでくれないか?


コイツらと行動するようになって今日で一週間になる、それぞれ違った武器を手に訓練場に現れたんで護衛騎士の一人を捕まえて聞いてみたわけだが…。


護衛騎士のあんたらが教えたほうがよっぽどいいんじゃないのかと思う。


こいつらと護衛騎士が相談して、昨晩急いで武器庫をあけてもらいやりたい武器に選びなおしたらしい。


使い方は教えたというがソレがまた怪しい。武器に適正があるかどうかはまた別の話になるんだが、好きこそ物の上手なれ(・・・・・)と答えてきた。お前らそれでいいのか?

しかし、その考え方はなかったな。兵士に支給されるのは見た目でそれとわかる装飾の鋼剣だ。

武器の質で言ったらそこらの冒険者の方がよほどいいが、鋼剣はお抱えの鍛冶屋が打った良品だしコレ以外の武器は持った事がないから思いつかなかった。教官も剣の使い方を教えてやれとは言わなかったか。


面倒を見てやれといっていたはずだから、一般常識も教えながらやれというこてか?


なんて面倒な。


他の奴はちゃんと自分の得物を持っている事が多い、武器は一般人に出回りにくいように基本的に値段を高くするから、支給されている鋼剣以上の武器は俺には手が出せないくらいに値段が跳ね上がる。

あいつらの持っていたミスリル鋼剣や腰に差したミスリル鋼のショートソードなんか夢のまた夢さ。


あっちがはだめならこれはどうとか武器かえようとかブルジョワだなお前らは。


メイン勇者のくせに普通の名前の山田太一タイチはミスリル製騎士剣。


ミスリルソードの延長線にある武器だ、それなりに使えていたから重さ意外はたいして変わらないだろう。


イチロは一般的な長さより少し短いミスリル槍。

森の中とかで戦う冒険者でも短槍の愛用者も多いときくし問題はないだろう。


フミエはレイピアに属する突剣にしたみたいだ。

ミスリルソードより軽いから体力のない彼女には向いているかもしれない。


それらはいいんだけどミナミの選んだ武器が問題だ。


「しかし、お前が一番チャレンジャーだな。」


一人飛び道具を選んだ心境はどんなものだろうか?ボウガンを手にしているミナミを見た時には、コイツはヤバいと思った。

なにしろ素人の扱う飛び道具はどこに当たるか解らない。

いまからの組み手(?)でボウガンの使用を許可なんかしたら…。


コイツが味方殺しにならない事を願うばかりだ。


なにはともあれ、新しい武器か、そうなるとそれぞれに新しい指導方法が必要となる訳なんだがどう話を切り出したものか。


「これからの事を踏まえると聞いておかなきゃならないいんだが、少しいいか?」


「「「いえすさー。」」」


「基本は護衛騎士が教えてくれたといっていたよな?」


「「「「いえすさー。」」」」

「今後、ミスリルソードではなく今持っている武器をする予定だよな?」


「「「「いえすさー。」」」」


「お前らに使い方を教えた騎士達は所謂エリートだ、それを理解した上で聞け。」


「「「「いえすさー。」」」」

「騎士と兵士はまるで別物でな、兵士はほとんどが支給された武器しか持たない決まりだ。」

「「「「いえすさー。」」」」」


「それと言うのも、街中を巡回するときにバラバラの武器だと統一性がないからだ。

騎士には、個性を求めるが兵士に個性を求めていない、欲しいのは使える駒であることだけだ。

兵士は鋼剣や同じ装備品で統一性を持たせている。

俺が鋼剣以外の武器使ってお前らの相手した事あるか?」


「「ノーサー。」


「俺が鋼剣以外使った事ないって知ってるか?」


「ノーサー。」


ミナミが元気よく答えてくれたけど、他の連中はなんとなく理解してくれたか。


「済まない、どうやら俺はここでリタイアのようだ。」


「「「「…。」」」」


爽やかにそこまで言いきったら全員黙ってしまった。


まぁ、仕方ないよな。俺って鋼剣以外は習ってないから他の武器に触る機会なんてなかったんだよ。握り方はおろか、指導方法なんか知る訳ないから仕方なかろ?


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