3話 魔術について
2人と解散して一区切りはついた。
ついたが、俺にはまだやりたいことがある。
調べ物をするため、ここの近くの図書館を探し入った。
中は少しだけ古びており、やけに天井が高い。
30mはあるだろうか。
いけないいけない。感心している場合ではなかった。
目的の本を探そう。
__________あった。
本を数冊とり、空いてる席に座る。
そう。話術関連の本だ。
無詠唱魔術の研究や、魔術の種類、さらに魔術の歴史など。
まず1番気になるところ。無詠唱魔術の研究だ。
今日は感覚でやって何とか上手くいったが、そんな付け焼き刃ではいつかボロが出る時が必ず来る。正確な使い方を知りたい。
約2時間。次々と捲ったページとにらめっこした。が。
「……ない」
詳細な方法のページはなかった。
過去の無詠唱魔術も感覚で使っている者しか存在せず、本当の使い方はいまだ解明されていない。
ただ、本当の使い方が解明されていない代わりに3つの大きな学派に分かれるらしかった。
・精霊学派。
詠唱魔法は魔力を込めて精霊や神と交信をするところから始まるのは有名な話だが、無詠唱魔術はそれを精霊魔術師に任せ唱えている、
という学派。
なんでも昔は精霊使いなる者が存在していたらしく、その精霊のみに魔力を送り魔術を使っていた、としていた。
・脳型学派。
魔力を送り出す際、神や精霊と交信するのではなく、自身の脳と交信することを主張する学派。魔力を想像し、イメージし放つ俺はこれが近いのかもしれない。
・事前準備学派。
対峙の前から魔法陣を脳に焼き付け、それを放出しているだけだと主張する学派。否定は出来るはずもないが、何やらとんでもなく情けなく思えた。
午後6時。閉館のチャイムが鳴る。
驚くほど早く時間が過ぎていた。それだけ熱中していたのだろう。
帰ろう。
今日は本当に疲れた。
入学試験や、今まで感じることのなかった視線。なにより想像でぶっつけ本番で使った無詠唱魔術。
体力のない元ニートのような人間がこんな一日を過ごしたら入学試験だけでいっぱいいっぱいになってしまう。
帰宅後。今日はたくさんの情報を得た。
俺の魔力量は他者よりもだいぶ優れていること。
無詠唱魔術を使えること。
魔術の使い方。特に風属性の魔術はだいぶ体に馴染むんだ。
そして無詠唱魔術は正確には解明されておらず、それの使い方について追求する3つの学派があること。
入学試験の結果は明日8時頃に学内掲示板に張り出されるらしい。
筆記試験の点数や総合スコアの詳細は後日入学許可者にのみこの寮のポストに投函されるらしい。
にしても疲れた。お腹は空いているが、それよりも疲労と眠気が勝つ。
風呂だけ入って明日に備えとっとと寝てしまおう。
明かりをけした。




