第9タブレット〜第11タブレット
ここから興味ないです。
年を取り、気弱になったギルガメシュが今までの罪を振り返り、死んだらすごい罰がくる、と思って、死に怯える、というどこにでもよくある話になっています。
/第9タブレット
埋葬を終えたギルガメシュは荒野を彷徨い、エンキドゥの死にはげしく泣いた。
次第に死の恐怖に怯えるようになり、ギルガメシュは永遠の生命を求め旅立つ決意を固めた。
「大洪水」の生存者、神によって妻とともに不死を与えられたウトナピシュティムに、不死のことを聞き出すための旅である。
ギルガメシュは地の果てでマシュ山の双子山に着く。そこには門を守る2人のサソリ人間が居た。
サソリ人間たちはギルガメシュが半神であることを見抜き、何故こんな所までやって来たのかを問うた。
ギルガメシュは訳を話すが、サソリ人間は「この先の山は暗闇に包まれ、入ってしまえば出ることは出来ない」と言ってギルガメシュを引きとめる。
しかしギルガメシュの意思は固く、ついにサソリ人間は山の門を開いた。
ギルガメシュは120kmの暗闇を歩き抜き、宝石やブドウで満ちた木々がある楽園へ辿り着いた。
『埋葬を終えたギルガメシュは荒野を彷徨い、エンキドゥの死にはげしく泣いた。
次第に死の恐怖に怯えるようになり、ギルガメシュは永遠の生命を求め旅立つ決意を固めた。』
王になったギルガメシュは自身が起こした事態の収拾と王としての役割に奔走し、かつてのように欲望に忠実に行動出来ない事に嘆いた。
そして歳を取るにつれ、今までの自身の行いがどのようなものであったかを知り、死んだ後にどのような罰が下るかを恐れ始めた。
そして死を逃れるための方法を探すようになった。
『「大洪水」の生存者、神によって妻とともに不死を与えられたウトナピシュティムに、不死のことを聞き出すための旅である。』
ウトナピシュティムがどれだけの人物かは分かりません。ここではそれに触れません。言ってはならなそうな事が付随しますので。
何にせよ、死なないで済む方法を聞き出そうとします。
旅、ですが、実際に地域を探索する、という意味以外に、書物などを探して調べる、という意味もあります。
『ギルガメシュ〜略〜楽園へ辿り着いた。』
サソリ人間ですが、蛇などと同じような比喩であり、詐欺師などがここでは適当な表現になるでしょう。
ギルガメシュが半神、という部分は、ギルガメシュが神のように賢くない、という事をサソリ人間たちは見抜いた、という事です。
暗闇に包まれている、はこの先の探索は'盲目になる'事と同義だ、と伝えていますが、ここは詐欺師がうまくギルガメシュを騙すために誘導した、という下りでしょう。
そして、哀れ、死の恐怖から逃れるために詐欺商法に騙されたギルガメシュは、浪費する事になります。
12、の数字が神話では良く出てきます。12は12番目の世界、を意味します。現代がそうです。
だから、死刑は次の世界へ送り出すという意味で13階段です。
だからルシフェルの羽は12枚であり、星座は12星座です。13星座になるとき、次の星座が蛇つかい座とか洒落にもならない事が言われているのがなんとも言えません。
/第10タブレット
シュマシュはギルガメシュの姿を見て困惑し、どこまで彷徨い歩くのか訪ね、「求める生命が見つかることはないだろう」と話す。
ギルガメシュは自分なりの答えを言い、先へと進んだ。
ギルガメシュは海辺で酒屋の女将シドゥリに出会い、旅の目的を尋ねられたのでこれまでの経緯を話す。
ここでもシドゥリから「求める生命を、あなたが見つけることは出来ないでしょう」と言われ、人間はいずれは死ぬものだという人性のあり方を示される。
それでもエンキドゥの死によって苦しむギルガメシュは考えを変えず、海を渡る道を教えてほしいと頼んだ。
シドゥリはギルガメシュの胸中を悟り、船頭ウルシャナビを紹介する。
ギルガメシュはウルシャナビに名を告げ、2人は死の海を漕ぎ出した。
船がウトナピシュティムの島に着くと、ギルガメシュは旅の目的をウトナピシュティムに話した。
訳を聞いたウトナピシュティムは、ギルガメシュに「神々に創られし者であるならば、そこに必ず命は定められるのだ」と語る。
『シュマシュはギルガメシュの姿を見て困惑し、どこまで彷徨い歩くのか訪ね、「求める生命が見つかることはないだろう」と話す。
ギルガメシュは自分なりの答えを言い、先へと進んだ。』
ギルガメシュが荒唐無稽な事をして、ありもしない不死になる方法を探すのを止めるようにシュマシュは説得しようとします。
ギルガメシュはその説得に応じません。
『ギルガメシュは海辺〜略〜と語る。』
ここは恐らく、彼なら知っているんじゃないか、というような噂を聞きつけ会いにいった、と取れます。
また、既に老衰にあるギルガメシュが酒に溺れ、頑固に諦めないので諦めさせるためにウトナピシュティムを登場させた、とも取れます。
'海を渡る道'ですが、海=死の比喩があるので、どうにか死を避ける抜け道のようなものを教えて欲しいと言っているようにも取れます。
そのウトナピシュティムでさえ、定命である事から逃れられないと言います。
/第11タブレット
ギルガメシュは更に教えを請うと、ウトナピシュティムはどのようにして不死を手に入れたか、その秘事を明かし始めた。
話し終えたウトナピシュティムは「6日6晩眠らずにいてみよ」と告げるが、ギルガメシュは眠ってしまった。
妻に促されたウトナピシュティムはギルガメシュを起こし、ウルシャナビを付き添わせて身を清めさせ、ギルガメシュはウルシャナビと船に乗った。
ウトナピシュティムは妻の執り成しによって、苦労してやって来たギルガメシュに若返りの植物「シーブ・イッサヒル・アメル」が海の底にあることを教えてやる。
ギルガメシュは足に石の重りを付けて海底を歩きその植物を手に入れるが、帰還途中、泉で水浴びをしている間に蛇がその植物を取って行ってしまった。
ギルガメシュは泣き、ウルシャナビと共にウルクへ到着する。
ここはもうギルガメシュに「諦めろ」という段階です。
ウトナピシュティムは大洪水の際に人間を全滅しないための行動し、結果として生き残った人間を救った、という話をするのですが、ウルクを混乱に陥れ多くを殺したギルガメシュの反対にある行為です。
また、普通に考えるととても無理は「6日6晩眠らずにいてみよ」という無理難題で、ギルガメシュを諦めさせようとします。
この6日6晩の解釈がまた面倒です。どれだけの期間を刺すのか実際にはわかりません。不完全数の6を超えてみよ、という解釈が出来るのでそのままの数字かどうかが全くわかりません。また、眠る=嘘をつく、などの比喩があるので、ここでは適用しにくいですが、ある一定期間間違わずに行動してみせろ、という解釈もしようと思えばできます。
ですが、ここは老人にはとても無理な「6日6晩眠らずにいてみよ」という直接的な表現で解釈しておきます。どうであれ、ギルガメシュは失敗しますし、また、それがどの解釈であろうと、そこから有益な情報は出てきません。
植物を取りにいく展開ですが、ここで既にギルガメシュにお亡くなりになってください、という表現かもしくはここで亡くなった、という表現に見えるものが出てきます。
その展開そのままの可能性もあります。植物が何を表わすか、が重要ですが割愛します。
そしてギルガメシュはウルクに帰還して後に、死にます。
前半だけで良かったのに、後半はギルガメシュの醜悪な無駄なあがきを語る内容になっています。
それだけ民衆に恨まれて全て残されている、とも言えます。
一言で片付けるなら、単なる成り上がりストーリーです。
現代風だとさも偉い風に登場しますが、実際にはこんな駄目な奴が居たんだぞ、的な事を伝える反面教師の役割をするお話です。
さて、現代において「ギルガメシュかっこいい」「ギルガメシュが良い」「ギルガメシュが好き」とか言わされていませんか?
それは誰にとって利益になるでしょう?なんて言葉で終えておきます。