辞めた理由
泣くことを辞めたのは
無意味さに気付いたから
何も変わらない現実と
助けを求める意味の無さを
思い知らされたから
要らないものの涙なんて
誰も見向きもしないし
手は差し伸べられることはない
涙は一つの武器
痛みを外に伝えることで
言葉少なに苦しさを伝えられる
発信に意味を求められるならば
迷わず選べばいい
もしもそのことに意味がないと
気付いてしまったら
どうすればよいのか?
そんなことを考えている
涙は弱さ
弱者を守ると強者であることを選びたい者がいて
面白い程の愚者在りきで
数に頼り強さを示す
幻の脆い強さに
僕は苦笑いしか出来ない
遠い子供の頃に信じた力
今は幻と知る存在
我慢は傷みに耐えること
けれど歪みであっても
強さをくれる
孤独は絶望と真理を教えてくれる
泣くことを自らに禁じたのは
泣くことの無意味さを知ったから
代わりに歯を食い縛ることを覚えた
傷みに慣れることで
心が日々冷静になっていく
感情ではなく理性で選べるようになる
理由を持って棄てることが出来る
頭の引き出しを整理すること
主観でなく客観的なる判断に
見たくない確かな何かが見えてくる
去るもの追わず
来るものを選別して
今日も左脳が動き出す
笑顔の奥の真逆の本音に
辟易しながら僕は観察を続ける
人の最奥に在る最も醜く
最大の生存本能たるエゴを
知りたいと願っている