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古代エジプトの王名表は正しいのか? ⑨

現代確認されている王名表と呼ばれるものには様々なバージョンがあるのは理解してもらった。

そして、アビドスの王名表で省かれた第17王朝の王の名が第18王朝の時代とラムセスの時代以降につくられたトリノの王名表にあることからアビドスの王名表はセティ1世の意志が働いた人選がおこなわれているため、アビドスの王名表に名があるものだけが正当の王と思うのは大きな間違いであることもわかったと思う。

さらにトリノの王名表では存在したのか現在は確認できない王がいたことが記されている。

つまり、現在残るどの王名表にも穴がある。


ただし、遺物や建造物に名が残る者だけが王として存在したのかといえば、それも断言するのは難しい。


そもそも即位したことになるのはどの時点かはっきりしない。


記念建造物を残したときか?

王墓をつくったときか?


さらに即位を宣言したものの、それらを残すことなくこの世を去った者はどうなるのか?

治世期間があるにもかかわらず後の王に王名表から省かれた場合は、正当性は失われるのか?


結局わからないことばかりである。


ただし、無名のファラオでさえ王名表に名が残ることから考えて原本となるものは確実に存在した。

さらに、トリノの王名表において、並立していた王朝にもかかわらず、北に拠点があった第16王朝の王たちが、南の、しかも、後の第18王朝へつながる第17王朝の王よりも先に記されていることから、原本の作成がおこなわれていたのは北に拠点を置いていたものたち。

そうなった場合に可能性が高いのは、古都メンフィスに住む神官たち。

そして、第18王朝の王たちが口を極めて罵る第16王朝の王たちの名が王名表から消えていないということは、その原本は神聖不可侵な者だった可能性もある。


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