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推理小説風に考える「古代エジプトの王名表は正しいのか?」  作者: 田丸 彬禰


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古代エジプトの王名表は正しいのか? ⑧

だが、新王国時代の「消されたファラオ」とは逆に抹消されても良さそうな王が王名表に名を残している例もある。


ウセルカラー。


ピラミッド時代の後期第6王朝二代目の王である。

伝聞どおりであれば、この王は歴史から消されてもやむを得ない。

まず、治世年数が短い。

長くて2年。

そして、当然ながら彼の名を残す建造物はない。

さらに墓すら見つかっていない。

なにより、この王は即位に際して父でもある前王であるテティを殺害している。

つまり、父を暗殺して王になったのである。

だが、結局兄であり次の王であるペピ1世に排除される。

即位したという一点を除けば、王名表に残す理由などない者である。


だが、実際には王名表には彼の名があり、アビドスの王名表にもしっかりと名が残っている。


さて、名が残るだけの業績がありながら名が消され、抹消されて然るべき者の名を残す。


少なくても、アビドスの王名表だけを根拠に正統性を主張するのは難しい。

ウセルカラーはそれを示す一例といえるだろう。


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