37:エクスゼウス ◇
ついに公式エクスゼウスについて触れてます。久しぶりに主人公不在回です。
PV40000突破してました。皆さんありがとうございますm(_ _)m
時間は少し遡り、励久がプラネットクロニクルを始める前、丁度、剣聖物語を『完全クリア』して一時間程度経過した時のことだった。ゲーム企業『エクスゼウス』の公式ホームペーシ及び同系列の会社が運営しているオンラインゲームの広告に衝撃の一文が公式より発表された。
『剣聖物語―月が導く光と影』にて難易度『リアルハードモード』全ルート攻略達成者の誕生を祝い、近日中にリリース中の『プラネットクロニクル』にて新スキル『天匠流』『月光流』『桜華戦流』を実装致します。
剣聖物語の名前を知らない人間はこの世にはいないと呼ばれるほどのビックタイトル。それでありながら続編等は一切発売しなかった作品。VR革命を起こしたとされるこの作品は幅広い世代に愛され今でも続編を求める希望は後を絶たない。
そんな名作にも当然アンチは存在する。というかアンチが存在しないゲームや作品がある方が珍しいとも言えるだろう。
そんな彼らアンチやVRゲーム全般に良い感情を抱いていない層が最大の攻撃箇所としている剣聖での欠点とも言えるポイント。
最高難易度であり、最悪難易度『リアルハードモード』
現実では味わえない感動を味わうために存在しているゲーム。さらにバーチャルリアリティを真っ向から否定してるともとれてしまうこのモード。
現実で出来ないことは非現実の中でも出来ないのは当たり前。さらに起こる全ての事象、出来事が現実と変わらない。
痛みはそのまま、痛覚も、体力も、驚異的な動きなどできるはずもなく、ただただ苦痛を強いられるこのモードは、現在でも『攻略不可』と購入者やプレイした人、更にプロゲーマーすら白旗を上げるほどである。
ゲーム実況者やコアなプレイヤーが現在でも稀に選択しているが、厳重な注意事項と誓約書への署名などの面倒な手続きを踏まえたうえで待っているこの世の地獄と何ら変わらない難易度で描かれる世界を前に挫折するものが溢れるのは然う然う時間がかからない。
続いて数日が限界とまで呼ばれ続けたリアルハードモード。今日この時までクリア不可能と呼ばれていたそれが、破られた。
プラクロ雑談スレ
643:レイレイ
ファ!?
644:剣姫
ハ?
645:AUO
は?
646:銀様
は?
647:ミスター俺
は?
648:五浪さん
なんか運営から流れてる広告が頭おかしい件について
>>スクショ
649:蓬莱
>>648
これマ?
650:シン
街の広場が静まり返る瞬間がやべぇwww
651:五浪さん
>>649
マジ。公式飛んでみてきたけど同じこと書いてた
652:ミスター俺
ファーwwwwwwwwwww
653:レイレイ
公式頭狂ったの!?あれクリアするとか冗談でしょ!?どうあがいても最初のボス倒すまでしか進めなかったのに!!
654:剣姫
>>653
そこ突破しただけでもかなりの実力では?
655:悪の王様
も り あ が っ て ま い り ま し た ! ! !
656:AUO
信じられねぇ・・・・今日って実は4月1日?
657:シン
残念だがエイプリルフールは既に過ぎているのだよ
657:レイレイ
そんなことはどうでもいいの!!誰か知ってる人いないの!?
658:銀様
是非リアル神無月を見せて欲しい!!!金なら払う!!
659:レイレイ
それよりスキルにあの流派の名前ってまさかっ!?
660:蓬莱
リブラ接続カプリコーンこそ究極の一撃だと神は申しています
661:シン
月光真流の技なら今詰まってるボス一撃じゃね?
662:ミスター俺
今まで出てきた技とか全部使えたら人間辞めてる件について
663:五浪さん
>>662 リアルハードクリアしてる時点で人間やめてるからセーフ
664:蓬莱
それな( σ´-ω-)σ
665:シン
【悲報】自分がクリア者だと名乗るやつ多発中
666:レイレイ
うわ
667:銀様
うわ
668:剣姫
うわ
669:ミスター俺
うわ
670:AUO
うわ
671:蓬莱
もしそうだとしたらさっさとボス倒して来いや(#^ω^)
こちとら道中のクリスタルゴーレムすら強敵だぞ
672:レイレイ
クリスタルゴーレムのロケットパンチ痛いよね。下手したら一発で落ちる
673:悪の王様
アリエル派手だしゴーレム相手なら最強。というかここにいる奴らはどっち派?
俺??エリシオンホントキライだから真流使う
674:AUO
ボス相手にならレオサジットで一撃行けるんじゃね?
滅流だけどエリシオンはトラウマ。
675:レイレイ
>>674滅流派でありながらエリシオンをトラウマと言うのかこの異教派め!!
676:銀様
真流のなんちゃって居合術好き
>>つつ『七式エリシオン』接続『五式タウロス』
677:五浪さん
ヤメテ!!
678:剣姫
イヤァ!!!!ソレダケハヤメテェエエエエエ!!!!
679:レイレイ
ごぱっ!
680:ミスター俺
こ・・・怖くないんだから!!(((;゜Д゜))))
681:蓬莱
トラウマ思い出させんな!!これでも受けなさい!!
奥義『白月』からの『水無月写鏡』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐはっ!!?
682:AUO
自爆してんじゃねーか
気持ちはわかるけど
683:銀様
自爆してんじゃねーか
気持ちはわかるけど
684:ミスター俺
自爆してんじゃねーか
気持ちはわかるけど
685:シン
自爆してんじゃねーか
気持ちはわかるけど
686:レイレイ
二周目以降の相手流派の強さは異次元よね。
687:剣姫
でも勝てないわけじゃないしなんとかなる。回避技の熟練度上げないときついけど
688:蓬莱
トラウマだけど使えるようになると快感
689:レイレイ
わかる。二式エリシオンとかすごい気持ちいい
690:銀様
そもそもクリアした奴どっちの流派なんだろう?
――――
以下―――月光流の話で盛り上がる。
「うっわ七式エリシオン使ってる!!」
「げっ!?タウロス繋げて行くのかよ!?人間やめてるなこいつ!!」
「あぁ・・・私たちの水無月写鏡が輝いてるわぁ・・・」
「ねぇ月渡使ってない!?これ月渡だよね!?うっわ下手したらアシストあるより綺麗じゃない?」
「照月のタイミング完璧すぎて惚れる」
五年以上ずっと観察していたプレイヤーが昨日、ついに、ようやく、待ちに待ったリアルハードモードクリア者となった。
その瞬間を社員一同が巨大スクリーンの前に集まって見逃さまいと目を離さず見守っていた。次々と減っていくリアルハードモード挑戦者たちを見て、私達は正直がっかりしていた。
所詮、されどゲーム。
私たちエクスゼウス社員は皆ゲームを愛している。神ゲー、クソゲー作業ゲー。一度始めればどんな作品だろうと全クリ&トロコンは絶対するくらいにはゲームが好きだ。
故に残念でならないのだ。昔の家庭用テレビゲームのように、昔の子供たちのようにとことん突き詰め、困難な難易度に挑み続けようとする純粋なプレイヤーはもう存在しないのかと。
作った私たちもむちゃくちゃなモードだとは思ったけど、それでもクリアしてくれる人がいたら嬉しいと思っていた。でも現れなかった訳だ。
正直に言えば続編を作るつもりでいた。それだけ私たちはこの剣聖物語を愛している。けど、折れていくプレイヤー達の罵詈雑言と、すぐに諦める忍耐力の無さに悲しみを抱いてしまった。
結果私たちは新作への情熱が薄れてきてしまった。変わり者と呼ばれていた私たちエクスゼウス社員を満足させてくれる人は結局いなかったのだと理解してしまった。
でもゲームは好きだ。愛してる。だから新作・続編などのゲームそのものではなく、今後のVRのシステムへの更なる貢献で大好きなゲームを作り続けていこうと社員一同の思いであった。
そんなある時、社員が監視もとい、悪影響が現実の体に出ないようにプレイを見守っていたプレイヤーの一人に私たちは目を向けていた。
リアルハードモードプレイしていた多くのプレイヤーが進むことができなかった最初のボスをゲーム時間内で半年以上の時間をかけて倒していた。
『しゃァオラ!!ぜぇ・・・・ぜぇ・・・!!!!』
データに高校生と書かれていた彼がボスを倒したのだ。
改めて言うがリアルハードモードはゲームでよくある便利機能は一切ない。一度負ければ一番最初からやり直し、昔のテレビゲームのようにセーブ&ロードなんて存在しない。いわば人生にやり直しは存在しない。
それをコンセプトにしているためセーブがいつでも出来た今の時代のプレイヤーには不人気なモード。やり直しがきかないそのモードを、半年以上同じ戦闘を繰り返してクリアしてくれた彼、しかも高校生という若さでここまで打ち込んでくれたことに私達は感動した。
彼のようなプレイヤーがいなくならないことを、願わくば最後までクリアしてみてほしいと祈りさえした。だけど『でもどうせ・・・』なんて考えも同時に思い浮かべてしまったのは紛れもない真実だった。
彼は高校生、世間には私たちの開発したシステムにより向上したいくつものゲームが存在しており、その中には他社より発売し名作と呼ばれるタイトルや話題沸騰大ヒット間違いなしのモノまである。
そういうのに目がないのはわかっていたし、彼のあの感動の雄叫びを聞けばこれ以上ない満足感が伝わってきた。だから近い内に止めると思っていた。
実際彼は進めるごとに暴言と罵倒を繰り返し叫び、やり直すことになった最初のフィールドで不貞寝をしていた時もあった。
けど二分も経てば気持ちを切り替えたみたいに清々しい顔で再開してくれた。上手くいかず何度も死んで最初からやり直し。
最初のボスの時点で繰り返しは100は超えていたし、せっかく倒してもその後すぐ死んでまたやり直し。作った私たちも正直もう少し易しめにしてあげればよかったかと思うほどには彼はやり直しを繰り返していた。
気がつけば、私たちは彼を見守り続けていた。
毎日、一日も休むことなく、彼はずっと続けてくれた。何度スタートからやり直しになってもけして折れずに挑み続けてくれた。
馬鹿みたいに過酷な修行も打ち込んでくれていた。
『シャァラ!!!見たか師範!!どうだ畜生がっ!!』
基本の技をひとつ使えるようになってくれた時、わが子の成長を見ることが出来たかのように喜んだ。流派の立案者であった社員は泣き崩れるほどだった。
それから彼の頑張る姿は私たちの楽しみになっていた。五年間毎日のように見守り続けた。時に彼の奇妙な行動に笑い、時に強敵と対面した彼を応援した。時にはやり直しになった彼が次はどうするのか予想しながら見守った。そんな日々が本当に楽しかった。
剣聖ルートをクリア、それも初のリアルハードモードでのクリアの瞬間に立ち会った私達はもう感動で言葉が出なかった。これだけやってくれるファンに出会えた事に感謝しか出来ない。
せっかくだし彼が私たちにくれた感動とゲームへの情熱を見せてくれたことへの感謝を兼ねて新しい作品を作ろうか。そんな感じで作り始める事を決めたのが『プラネットクロニクル』だった。クリアの余韻できっとしばらくはゆっくりしてるはず、その間に新作を世にだそう。
そう思っていた。けどそんな私たちの考えを彼は良い意味で覆した。
『次だ次!!次はあの野郎シバく!』
選択されていたのはニューゲーム。彼が立っていたのは始まりの場所。そして選んだのは魔剣聖ルート『月光流』。
まさかと思った。いやそんな馬鹿なと誰もが目を疑った。けど彼はやっていた。それだけじゃない。他の流派、二つのルートでのリアルハードモードをプレイし始めた。
それだけじゃない。一度クリアしたルートも再度始めた、技の鍛練と修練、更に考えもしなかった流派の垣根を越えた合体まで編みだし始めたのだ。
この時ほど感極まって泣き叫び、笑い叫んだのはきっとないはずだ。サクッと作って彼に新しい世界をと考えていた私達はその考えを改めて、より深く、より美しく、そして何より彼が『剣聖』となった時、楽しいと思ってもらえるゲームを生み出そうと考えを改めた。
決めれば行動は早かった。今までのシステムをより高度なモノに。さらに現実へ近づけるための研究と思考を重ね続けた。そして完成させた『プラネットクロニクル』。
世界に向けてそれを発表し、この感動をくれた彼にも是非この世界へと来てもらおう。いいや是非来て欲しいと願いを込めて、最後の『真剣聖ルート』クリアに合わせてリリースした。さぁこい。君のために、君に来て欲しくて生まれた新しい世界を体験して欲しい。
けどまた彼は私たちの思いを裏切った。
激しい笑いすら沸き上がるほどの感動と共に
『アフターエピソード・・・・んなもんまで作ったのか・・・』
この時ばかりは誰もクリアできるわけないし遊びで作っておこうと高をくくっていた自分たちを呪った。クリアするだけでも多分ゲーム内で半年以上、遅ければ五年以上の時間がかかってしまう本当のお遊びで本気で作った至高のルート。
敵の強さはもはや異次元でクリアするのも馬鹿らしいと私たちでも思ってしまう。けどもう笑いが止まらなかった。
もういいさ、とことん楽しんでくれ。君が私たちが生み出した世界を楽しんでくれるならもうなんでもいい。君のようなゲーマーにならいくら焦らされたって喜んで待とう。
だからクリアしたら是非来て欲しい。私たちは君が来るのを待っているよ。
そして前人未到、私たちの悲願であり想像していなかった結果と偉業を残し、彼は『リアルハードモード』を本当の意味で完全クリアという私たちですら予想できなかった偉業を成し遂げてくれた。
その彼が今日、今まさに私たちの新しい世界『プラネットクロニクル』へとやってきた。
「キャァアアア!!!!見ました!?今見ましたよね!!?」
「バッカお前!!そんな使い方すんなよ!?ウヒャヒャ!!!!」
「止めたよ!!あの攻撃止めちゃったよ!!最高かよっ!!」
「我が子よ。世界に月光流の名を流してくれるのかい?」
「お前の子じゃないし!私たちの『桜華戦流』の子だし!!」
「先輩!!桜華戦流と天匠流の組み合わせ奥義使ってます!!!」
「天匠流と月光流も合わせてやがる!!」
「「「「キャァァァァァ!!!!」」」」
「ウワキモっ!?野郎の野太い悲鳴とかキモっ!!」
もう最高だ。発狂レベルで会社全体が喜びに打ちひしがれている。私自身立場がなければ全身で喜びを表現したい。達する。キュンってなる。
「こらお前たち!!ちゃんと仕事はするんだぞ!!ラグもバグも一秒たりとも許すんじゃないぞ!」
「あ、主任。さっき某国からハッキングありましたんで処理しときました」
「ついでに弱点と欠点あったので返事届いたら警察に居場所隠れ家全部込で流れるように設定した上でメール送っときました」
「主任。なんかチートコード作ろうとしてたアホがいたのでアカウント消去したんで」
「ハッキングきた・・・・えっと・・・・ほい終わり。どこの人でしょうかっと・・・・・」
「主任!狼と鴉が動きました!ゴリラは擬態して街で昼寝してます!」
「うむ、ならばいい・・・・うんかっこいいネーミングセンスだ「超越月光流」・・・うん。すごくいい」
彼のために、ついでに他のファンたちのためにも最低限の仕事は済ませなければな。
プラクロが生まれたきっかけがまさかの主人公。
彼らは昔ながらのゲームも今風のゲームも大好きです。そして今と昔のハイブリットを体現したような主人公のことも大好きです。なので周りに文句が出ない程度に主人公を贔屓にしてます。
例を上げるとエクストラモードは彼のために作ったのです。はい。エクストラクエストはまぁ、そのおまけで作られました。
エクスゼウス社員はやり込み大好き&レトロゲーム大好き&新技術大好きの超絶変態技術者ばかりです。元ハッカーとかいても不思議じゃないくらいには変態集団です。
なので割となんでもしますしなんでもやらかします。
あと何気に月光滅流好きなレイレイでした。なので森林大跳躍の時興奮を押さえるのに実は必死だったんです。




