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359:全身全霊の全力疾走

極星いくどー!


『羽蜥蜴共の気配だ』



モンスターを狩りながら進むこと数時間。時折休憩しながら山の奥へと進んでいた矢先、肩に載っていたギルファーから標的が近いことを知らされた。



―――GYaaaaaaa・・・



確かに咆哮が聞こえてきた。声の大きさからもう少し先に居そうだが、ようやくだ。結構奥に居るのな。



「ギルファー、数はわかるか?」



『・・・12匹だ。思ったよりも少ないぞ』



「いやいやギルファー? 十二匹って多いと僕思うんだけど?」



『ふん、羽蜥蜴ならジャジャン馬娘が収めている国に行けば数百といる。たかが12なら少ないだろう』



「いや十分多いから。私達の感覚で言えば多いからね?」



確かにそんな数見てきたギルファーからしたら少ないよな。そう言えばあの妖精龍の王様元気だろうか? 今度会いに行ってみるか。どうせあの林で畑作ってるんだろうし。



でも実際12匹って数にするとそこそこいるよな。どこぞのE〇Fで出てくる数はもっとヤベェけど。『ドラゴン狩りには魔法よりも銃だ』って言ってたなあの時の隊員。そう言えば今度新作出るよな。っといけね。



「実際どうする? 私今範囲魔術封じられてるからまとめて叩き落とせないけど」



「僕も初めての相手だし出来ればタイマン希望したいよ師匠」



「なら一匹残して全部斬るか」



「うん・・・うん? 何言ってるのこの師匠?」



「あはは・・・アールらしいといえばらしいね」



丁度いい感じに身体も温まってるし、今日はまだ使ってないから死ぬこともない。極星奥義を極めるためにも使いたいからな。



背負う『天籟虚真刀:ズイカク』『艶姫鳳戦刀:コンゴウ』を腰に構え直し、『十六夜天雷』で衝撃を走らせる。



「ディア、融合だ」



『ヨヨヨ!』



首筋にディアの一部が体内に侵入し、俺との融合を果たす。そして思考を読んだことでディアが形状変化。背中から生えるのは巨大な両手。



「弥生、卯月、ここに来い」



「「クァン」」



更に拡張したディアの身体は、俺の肺を貫くかのように胸元に腕を作り出す。二匹は文句言うことなく、その腕の中にすっぽりと飛び込んでくれた。



「あぁ、そういうことね」



「僕この運搬方法あの時のこと思い出すからあんまり好きじゃないんだけどなぁ・・・」



と言いながらも、ルークもリークと同じように、巨大なディアの手の平に乗り込む。気分は光の巨人の手に乗った少年だと思うんだが、あの時のRTAのことを思い出してしまうためいい気はしないようだ。



今更だけど、俺一人で抱えてるけど全く重量感変わらねぇんだよな。ディアはどうやって重量分散させてんの? ま、細かいことはいいや。



「特等席で魅せてやるから瞬きすんじゃねぇぞ?」



「ワクワク・・!!」



「そう言えばちゃんと見るの何げにすごいことだよねこれ!?」



今更かよ。



「天眼覚醒!『天籟虚真刀:ズイカク』! 艶やかに響け想愛の唄!『艶姫鳳戦刀:コンゴウ』!!」





――――◇――――

『天籟虚真刀:ズイカク』特殊能力『天籟』『虚真』発動

『艶姫鳳戦刀:コンゴウ』特殊能力『艶姫唄』『帰回愛』発動

――――◇――――





全ての感覚が加速する。距離およそ700。途中にいくつかモンスターと思われる存在も視える。ワイバーンだと推測するそれらは確かに12匹居る。丁度食事中らしい。獲物を啄むように捕食している。



「舌噛むなよ? 月光滅流極星十二宮奥義『天瓶エリシオン』!!」



衝撃全てを解き放ち超加速、迫る木々の間を一気に走り抜けていく。戦闘中邪魔されると面倒なので道中に居る凶暴そうなモンスターは辻斬りよろしく首を撥ねる。



熊、切る。鷲、切る。熊熊熊。鷲熊鷲鷲虎ゴブリンオーガ、全部斬る。



あれ土竜か。邪魔されると面倒だな。



「派生極星十二宮抜刀術『天瓶十二閃:激龍翔来』」



本来は斬ったら相手の背後に着地するんだが、今日はついでの狩りなのでそのまま斬り抜ける。倒せなくても取り敢えず四肢を切り落とせたっぽいし邪魔はしないだろう。



土竜を超えてさらに駆け抜ける。熊多いな。何だお前ら繁殖期かよ。取り敢えず斬る。



ん。上から俺のこと見てる奴いるな。ワイバーンじゃない。けどかなり近い感じはする。ついでに仕留めてもいいが、敵意を感じないから取り敢えず放置。



鷲来た。しかも真正面から飛んで来てる。はじけ飛ぶ危険性考えてねぇのかよ。身体を捻りマトリックス風にギリギリ回避、すれ違いざま踵落としで鷲を蹴り込んで衝撃回収。その勢いで再加速。



そのまま木々を駆け抜けて、広間に出た。目視で確認した12匹のワイバーン。群がるワイバーンたちの先にいるのは・・・人間よりも少し巨大だが、明らかに人、それもモンスターではなく、衣服を着ている巨人だった。・・・マジかよ。



身体を啄まれたらしく痛々しい傷が全身に見える。まだ無事そうだがこれ以上は厳しそうだ。ついでに『天瓶エリシオン』もそろそろ加速が落ちる。しゃーない。本日二度目だ。『ズイカク』の能力発動時じゃなけりゃ今日はこれで打ち止めだな。



「剣聖流派極星十二宮抜刀術『天瓶十二閃:激龍翔来』」



くぅぅぅ〜!! スキルで反動消してるとは言っても短時間に二回は結構来るな。が、これで十分仕留められた。



「いや師匠わっかんない。僕何が起きてるのか全然わっかんないよ」



「アール三半規管どうなってるの本当に?」



音が死んだ空間に背負う二人の声だけが響いた。直後、ワイバーンの死体が11個出来上がる。



「ってなんかいる!!? でっかい人いるし!!?」



「NPCとしての巨人族だね。こんな所にいるのは珍しいかも」



「な・・・なんだあんたら?!」



『GYAAAAAAA!!!』



「話は後だ。残り一匹仕留めるぞ。そこのデカイの、逃げれるなら逃げろ。巻き込むぞ?」



「ん・・・んだべ!!」



傷ついた身体を引きずるように巨人族の男はボタボタとワイバーンの死体が落ちる中から離れていく。そして残した一匹のワイバーンだが、巨人などには目も呉れず、こちらを完全にロックオン。



ワイバーンの中で唯一違う個体だったそいつを残した。なんかコイツだけ他の奴とは明らかに強さが違うし。どうせ残すなら強そうなやつ残して戦いたいじゃん?



「赤い四枚羽根、独特のフォルム・・・アール、あれ残したのわざと?」



「戦いたい欲が出た」



「僕でも知ってるよコイツ。パッケージの裏に出てるレイドモンスター。名前は確か・・・」



「『メガブレイドドラグーン』。竜種ワイバーンだけど、最も龍種ドラゴンに近いワイバーン」



「へぇ、そんなに強いのか?」



「勝てない相手じゃないよ。でもこのレベル帯のフィールドに出てくるなら多分EX個体。推奨パーティーレベル90overだよコイツ」



EX個体か。確か通常種だけど超絶強化された個体のことだったはずだ。この前特異個体のアプデの時に同じく追加された奴だ。まさかこんなに早く出会うなんてな。



そう言えば『オーバーロード・ディザイア』とかいう追加された殺人鬼的モンスターも可能なら早いところ見つけて倒しておかんと不味いよな。



「嘘でしょ・・・? バカ師匠なんで殺っちゃわなかったのさ」



「なんだルーク? 怖気付いたか?」



「そうじゃないけど・・・あぁもういいや。バカ師匠のいつものだって思って諦めよ」



そういう事だ。俺は強い相手と戦うの好きなの。



「私が回復と支援に回るから、二人は前に出て、アールは前でも支援回せるでしょ?」



「言うじゃねぇかリーク。任せろ」



「リーク姉ちゃんがこういうってことは本気でやらないと負けもあるってことだよね。頑張ろ」



さて、相手方も俺らの品定めが済んだのか臨戦態勢だ。とは言っても完全に俺をロックオン。見逃されたのが気に入らないのか、はたまた別の理由か。





――――◇――――

・レイドモンスター『EXメガブレイワイバーン』と遭遇。

・『EXメガブレイドワイバーン』が標的を『アール』に固定。討伐するまで延々と狙われ続けます。

――――◇――――





ご丁寧に俺を標的にしたか。しかも今のアナウンス的に倒せるまで永遠と狙われるって言ってたよな。



『GYAAAAA!!!!!』



戦闘開始だ。


はい、久しぶりにレイドボス登場。某火竜ポジに当たるメガブレイドワイバーンさんです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 月光滅竜極星十二宮奥義『天瓶エリシオン』 これなら某火竜さんも簡単に倒せるね
[良い点] そのうち星とか斬りそうだなこの剣聖… [気になる点] 月光滅竜極星十二宮奥義『天瓶エリシオン』 ラスボスかな?とりあえず誤字っすね
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