355:時代人と転生者(転移者)Ⅳ
真化ジョブは別に戦闘だけに限りません。
予約投稿確認したら一週間ずれてて焦った私が通ります・・・
レイレイによるトンデモない新情報がサラッと発表されて俺とルシオンも驚くしかなかった。いつの間にお前新しい真化ジョブ取ったんだよ。
というか真化ジョブって複数取れるのか・・・いや取れるな。俺がEXジョブ複数持ちだし。
「・・・申し訳ありませんがそれを信用できる要素がありません。少し前ならば話は変わりましたが、今のあなたの発言を私は信用しません」
「知ってるよ。当然そういうと思ってた。だから信用させるよ。好きなこと聞きなよ。嘘偽りなく話してあげる」
レイレイのスイッチが切り替わったのが分かる。幼馴染だ。それくらいはわかる。この状況からレイレイはジルヴァとイッセイに口を開かせる気だ。
「ルシオン、アール。もし知っていて私が嘘ついたら指摘して」
「あいよ」
「わかったよ。けどレイレイさん。こういうのはあれだけど今の状況で信用してもらうっていうのは無茶苦茶だと思うよ?」
「そちらのルシオンの言うとおりです。今の貴方だけは私は信用しません」
そりゃ敵意見せられたら信用なんてするわけ無い。なのにレイレイは笑顔で答えた。
「安心してよ。毒を使ったりはしない。自白剤も誘導尋問もしないと誓うよ。これ契約の印書での契約だからまずこれで一つどう?」
そこに書かれていた内容は破格とも言える内容だった。簡単に言えばレイレイは今言ったように『嘘偽りの情報を発言しない。誘導尋問、強制発言、毒物を使って脅さない事』を、相手側には『信用するためにいくつか質問をした後、信用出来ると判断した場合は信用する事』のみ。
契約完了後、レイレイは彼らの安全を保証する。彼らは特に何もする必要が無し、更に契約違反の場合は、金輪際レイレイが彼らに関わらない。そして彼らの場合は一切刑罰なし。
「写でも偽物でもない本物よ。好きなだけ確認していいわ」
「・・・確かに本物のようです。ですがこの契約をするメリットがこちらにはありません」
ジルヴァはそう言って契約の印書を突き返した。
「普通に考えればそうだけど、よく考えなよ? この契約だけでアンタ達はアタシの毒に怯えたり、攫って拷問尋問の類に怯える必要がなくなるんだ。しかもアタシだけじゃない。あるかもしれないそういう黒い部分の危険を全部排除してあげる」
レイレイはその場で更に一文追加し、今言ったことを契約に盛り込んだ。
「脅しっぽくなるけど、王国の闇ギルドが動いたのを確認してるよ。ターゲットは今この国にいる転生者。目的は勘のいい貴女ならわかるでしょ?」
「っ!!?」
闇ギルド。要は暗殺者だ。以前殺したレリックがいた組織。目的は帝都の混乱。その先にあったのはおそらく戦争という最悪のカード。
「書けたよ。確認して」
「・・・アナタ、この内容本気ですか?」
「嘘なんて書かないよ。本気。帝都に奴らが足を踏み入れたんなら確実に始末できる。生け捕りが希望ならそうしてもいいよ」
「イッセイ。君はどう思います?」
「えっと・・・この契約書って絶対なんですよね?」
「えぇ。絶対よ。ただの契約書での契約ならこの一枚で、もし仮に『UtS:王の契約』だったとしても打ち消せる。正確にはアタシの『UtS:月の契約』で『王の契約』を無効にする。その発動条件がこの『契約の印書type0』での契約だから」
「「っっ!!?!?」」
何が起きてるか、なんのことやらわからないけど、ともかくレイレイが知っていることは二人にとっては衝撃的なものらしい。
「えっと・・・アール君、『王の契約』と『月の契約』ってなにかな?」
「スマンルシオン。俺にもわからん」
俺とルシオンを置いてきぼりに、三人の話は次の段階へ進んだようだ。イッセイとジルヴァがレイレイの差し出した契約書に名前を記入し、血印を押した。
「契約成立。そのついでにアンタたちが結んでいた契約は破棄しておいた。『王国に仇なす行為を禁ず』『王国との敵対を禁ず』『王国の指示に従う』『王国が戦火を掲げたとき、場合を問わず参戦する』『護衛を条件に今後王国の指示に従う』。契約完了後にジルヴァ、アナタは『七剣聖として王国に命を捧げる』、イッセイ、いいえ、イッセーと呼ぶべきかしら?アナタ、いいえ、アナタたちは『元いた場所に帰還する』間違いないわよね?」
おいおいおい!? 今とんでもない情報出てきたぞ!!? しかも無視できないほどのやばい情報!!?
「ジ・・・ジルヴァさん・・・」
「・・・アナタ一体何者ですか?」
「言ったでしょ? アタシはレイレイ。ただの情報屋よ」
俺、絶対にレイレイを敵に回すのだけはやめようと心に誓った。たった一枚の契約でここまで相手の情報引き抜くとかエゲツナサすぎる。
「さて、契約に基づいて質問してもらうよ?」
たった一枚の契約を交わしただけで、既にレイレイがこの場を支配していた。
――――◇――――
「なぁんだ。アールのこと前から知ってたんだ。それならそうと最初からいいなよ、掲示板期待の新人イッセー君」
「あ・・・あはは・・・スミマセン」
一枚の契約から完全にレイレイにペースを持って行かれた為、ジルヴァ達はレイレイを信用せざるを得ない状況になった。しかもこれ、契約に書かれたことは一切犯してないんだぜ?
そこからはもうあっという間だった。イッセーの正体、ジルヴァが受けていた国王からの本当の依頼。そして交わした契約を違反した場合何が起きるか。
「ようやくこの鬱陶しいチョーカーを外せます」
「ジルヴァ、それ貰える?」
「えぇ、どうぞご自由に、あのクソ王からのクソみたいな贈り物でよければ喜んでプレゼントしますよ」
ジルヴァは首につけていたチョーカーを外した。外したチョーカーは契約の証として付けることを強要されたものらしい。
契約の内容は単純、『王国に仇なす者の調査、及び殺害』。ぞっとする話だが、それを条件にジルヴァはイッセーら転生者、もとい転移者諸君の安全を国王と約束したのだという。そして、契約違反が確認された瞬間、あるいはチョーカーを外そうとした瞬間、チョーカーに仕込まれた毒が流れ出し、身体を溶解させていたらしい。
「ジルヴァさん・・・僕らの為にそんなことまで・・・」
「言ったでしょう? 私がそうしたかっただけです。君たちが責任を感じる必要はありません」
「一応言っとくけど、アタシの能力で契約は打ち消したし、向こうもそれに気づくことはない。けどこれみたいに目で見える契約の証はどうしようも出来ないからね」
「それは問題ありません。同じタイプのただのチョーカーを万が一の為に用意してありましたので」
「なによアナタ。いい性格してるじゃない?」
「クソみたいな王に従うなら保険はいくらでも用意しておかなければ骨の髄まで食われて終わりですから」
「確かに、アタシあなたとは案外仲良くなれそうよジルヴァ」
「奇遇ですね。アナタとはどこか波長が合うようですレイレイ。ジルでいいですよ」
しかも仲良くなってるし。本当に世の中何が起こるかわかんねぇ。
「ねぇアール君。僕ら完全に蚊帳の外だよね」
「あぁ、構図は間違いなく取り巻きAとBだなこれ」
まぁ聞いた情報は核レベルにやばいことばっかりだったけどさ。しっかし王国真っ黒だったな。闇ギルドの存在を聞いてから黒いとは思っていたけど、ここまで黒いとは。マリアーデが嫌うのもわかる。
「あのー・・・アールさん、でいいんですよね?」
「ん? あぁ、そうだよ?」
なによりも驚いたのがイッセイ、が”あの”イッセーだったことだな。クラス転移と来たもんか。しかも教員込みでやられた上に全員特別な力持ち。本人たち曰くレベルは70台オーバー。
可能性として、敗けはなかったとしても苦戦、そして嫌な思いは必須レベルだったな。マジで戦争回避できてよかった。
・・・・あ!!
「なぁイッセー!! お前に頼みがあるんだけど!!」
「は・・・はい!?」
どうにかしないといけないと考えてたことがなんとかなるぞこれ!!
契約の強制破棄。更に契約により絶対順守の拘束。そして言葉巧みに相手に選択肢を選ばせないレイレイ。えげつない。因みにBADルートは契約書に記入しなかった場合、もしくはレイレイがこの場にいなかった場合。
首が二つ転がることになっていたでしょう。ギリギリの綱渡りしかしてないですね彼ら・・・




