↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
329/419

310:帝国城内での他愛のない朝

タイトル通りです。



時間は思った以上に早く過ぎる。昨日、城にやってきたと思ったら、あっという間に三日が過ぎていた。本当に早いもんだ。



ホント、色々あったよ。うん。



流石に三日程度じゃ騎士団を強くなんて出来ないし、姉弟が真化武器の意思を克服して所有者になることもできない。



けど、三日あれば多少は変わってくるわけで。



「ほら頑張れ。あと少しだ」



「ハイ!」



一日三回の城内外周マラソン。初日は誰もまともに達成できなかったが、三日目、しかも7回目となれば走り方もなんとなく理解してくる。案外難しいんだぜ? 一定のペースで走り続けるってさ。



それに彼らは通常の三倍重量のある装備を身につけて走っているわけだ。苦痛以外の何者でもないさ。聞いた話によれば自衛隊とか軍隊に勤めている人は割とあるとかないとか。



そんなマラソンの最後尾で走る犬耳がチャームポイントの騎士が走りきったのを確認し、本日一回目のマラソンが終了。



走り終えている騎士はそれぞれストレッチや水分補給など、個々人で休憩を取っている。大事だからな。短くとも休息を取るってことは。



「お疲れ様諸君。それで今日だけど、明日のこともある。俺の訓練は無しだ。あとは諸君がそれぞれある持ち場での活躍を期待する。って訳で、休憩終わったやつから解散だ。返事も挨拶もいらんから各自で動きな」



いよいよ明日、ゼアリード、ラグズライド両国よりの大使がやって来る。そこにエリュザクト帝国の重鎮が入り、それぞれ不可侵条約、あわよくば友好条約を結んでしまおうという魂胆である。



他種族国家だからこそ抱える種族間のいざこざになりうる火種は無くすことに越したことはないのだから。



「今日は随分と甘いな愛弟子」



「そりゃな。いざって時に使い物にならないと困るだろ。だから今日はこれだけでいいんだよ」



「わかっているならば良い。どれ愛弟子よ。朝食にでも行こうか。どうせまだ食べておらんだろう?」



現在時刻は早朝6時。食べる訳がない。軽くパンは食べたけど、あれで持つほど俺の身体は燃費が良くない。と言うか朝パン一枚で昼まで持つ身体が俺は未だに信じられない。



それこそ神秘だと思ってるほどだ。なんであれだけで身体持つんだろう? いや本当に。





――――◇――――





朝食といっても特別なものじゃない。場内の騎士団が利用している大食堂。俺とマリアーデもそこにお邪魔して食事を取っている。こっちの世界でも腹は減るからな。



「はいよ! 牛肉のペッパー焼き特盛だ! それからこっちが卸したばかりの新鮮な海鮮丼! それと騎士団A定食三人前にB定食二人前お待ちどうさま!」



「どうも」



『ヨヨ』



ディアにも協力してもらい、ふたり分の朝食を運ぶ。初日は驚かれたけど、二日目三日目と続けばもう日常と変わらなくなっている。その証拠に厨房の人も、食事中の騎士も特に驚くことはない。



ちなみに騎士団A定食。とんかつにゆで卵。魚の塩焼きと野菜サラダにお吸い物。どれもボリュームが結構あって朝出てくる品としてはちょっと変わってる。けど体力勝負の騎士の日常。これくらいは食べないと体が持たないんだと勝手に解釈。



B定食は洋風でコッペパンが二つにスクランブルエッグ。ボイルした大きなウィンナーが三つとポテトサラダとトマトが三つ。汁物はポトフがついている。



後の二つは名前のとおりだ。牛肉の塩コショウ焼きと海鮮丼。どっちも大盛りだ。合計七人前を持って席を確保してくれているマリアーデの元まで向かう。



「お待たせマリアーデ。お? ミリアス、マクリス。休憩はもういいのか?」



「うん。問題ない」



「僕も姉上も早い段階で終えていたので平気です」



マリアーデ確保してくれていた席にはミリマク姉弟もいた。ミリアスの手元にはサンドイッチが1,2,3,4,5,6,7,8,9個ある。マクリスは8つ。ちなみに二人は17歳。育ち盛りだ。



「初日は涙目だったなぁお主たち」



「仕方ない。あれはアール兄が飛ばすのがわる・・・いややっぱり何でもない」



「姉上・・・もう遅いかと」



「はっはっは。気にすんな。でも今度やる時は覚悟しとけよ? ほらよマリアーデ。焼肉丼とA定食二つ」



「感謝するぞ愛弟子。ディアもありがとうな」



『ヨヨー』



マリアーデの前に丼一つと定食二つを置く。実はマリアーデもかなりの大食らい。それでこのスタイルなんだから代謝いいよな本当に。



しっかりと渡して俺もテーブルにそれぞれおいてから席に着く。



「「「「いただきます」」」」



先に食べていた姉弟も改めて手を合わせる。別にいいのに。とか思いつつも、楽しそうなので別に何も言わないさ。うん。刺身ウマ。米もいい感じ。脂がのって食欲が進む程よい感じ。あぁ幸せだ。これなら毎日食えるよ俺。



「アール兄。今日は何かするの?」



「うーん。特には考えてないな。お前たちは?」



「時代人の配置確認とおかしな連中が混ざってないかの確認です。全員ではないですけど前みたいに賊に紛れ込まれていると面倒なので」



実際に賊が入り込んでいたにも関わらず、会談を開くのはおかしいとも思うかも知れない。でもそれも討ち取って平然としていることも、相手にすれば『あの国堪えてない』と思わせ、屈強な国アピールにもなるという。



そんな賊だが、城の地下牢で現在も投獄中。自殺などは出来ない様に今もディア分身をくっつけてるのだが、なかなか口を割らない。拷問系への耐性はかなり高かった。



あと、両手両足、あと自分の息子を失ったからか、あとは命だけと開き直っている様子もあるという。やりすぎたな。



「マリアーデは? 何か予定あるの?」



「む? ひばひまへ」



ちょうど肉と米を食べていようで、数秒待つ。持ってきた水を飲み干すと『ぷはー』と酒でも飲んだかのように息を吐いた。マジで酒じゃないだろうなそれ。



「そうだな。特に予定はないが・・・愛弟子よ。せっかくだ。街に出てみるか?」



「行く。うまそうな店何件か見たから絶対に行く」



城に来るときに見つけたケーキ屋とクレープ。あと美味そうな菓子店がいくつかあった。それにジューシーな香りがしていた定食屋にも行きたい。



あとは飯屋じゃないけど武具店にプレイヤーが開いている店にも興味がある。同じ生産職として勉強せねば。それと素材アイテムとかも買い込めるなら買っておきたい。




「決まりだな。では食事を終えたら向かおうか」



「了解。エスコートさせてもらいますよ師匠」



「頼むぞ愛弟子。これは楽しみになってしまったな。精々期待させてもらうぞ?」



とかいいつつ、いつもと同じようにブラリ散歩って感じになりそうだ。



「アール兄。胃袋がすごい。こんなに食べてるのにまだ食べるの?」



「姉上。それを言うなら姉上も既にサンドイッチ十二個目です」



ミリアス、既にそんなに食ってたの? 言われると確かに9個以上置けそうなプレートではある。朝から18個もサンドイッチ食べてる子が何言ってるのよって思われても仕方ない。



「サンドイッチは私の主食。パンに挟めばお米も立派な具になる」



そう。ミリアスは超がつくほどのサンドイッチ狂いなのである。とりあえず食べ物はパンに挟む。調味料も色々かけて食べている。流石にどこぞの童帝みたいに大量にはかけないけど。



ライスバーガーというのは現実にもあるけど、パンIN米というのは中々見ないジャンルだと思う。昨日の朝、チキンライスをパンで挟んでるのを見たときは流石に驚いたよね。パンにケチャップは合うし、美味いとは思うけど。



ちなみに本日の残りのサンドイッチは定番の卵サンド・カツサンド、フルーツサンド。エビカツサンドが見えております。あとフィッシュサンドっぽいものも見えている。



育ち盛りだしな。



「それに私も食べた分だけ消費できるから気にせず食べられる」



おい。今世界中の女性を敵に回したぞミリアス。


食べた分だけ消費できるのは都市伝説だと思ってる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] タコライスタコスとかも美味しいと思うからそれと似たような物じゃないかなぁって感じ 炒飯+ライスや天津飯+ライス、丼+ライスみたいにライスライスがいけるんだからパン+ライスも普通にありでしょう…
[気になる点] オリジナル笑顔で、「エレナアアアアアアアアアア!」と叫ぶの? [一言] > パンIN米というのは新しいジャンルだと思う やあ、焼きそばパンと同じだろう……
[一言] 何を言うか最近太ったから運動し始めたら食べた分以上が消費されるようになったんだが脂肪が無くなったけど燃費悪すぎて辛い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。