298:剣聖の武器を持つもの。双子の姉弟。
フラグ回収完了。
主任X『よぉぉっしっ! サプライズ完了!!』
社員A『問題は今の状況ですね。本当はマリアーデが日を改めて襲撃やる予定だったのに』
社員H『あの師弟の絆を甘く見た我々の落ち度ですね。師弟トゥトゥイ』
主任X『それもそうだけど無効の準備はどう?』
アイちゃん『既に終えていますよ。あとはアールさん次第です』
社員S『流石に気づくでしょ。それにせっかくの愛刀なんだしやると信じてる!』
社員F『それな』
社員ZA『(みんな藤宮くんのことスゲェ信頼してるなぁ)』
前にも言ったけど、『剣聖物語』の『アフターストーリー』にて、俺はいくつもの武器を所持していた。コレクターとしてじゃない。当然使うために。メイン武器こそ『天籟刀:ズイカク』だけど、その場その時によりいくつもの武器を使い分けていた。
『嵐双剣:ユウダチシグレ』、そして『痛撃剣:ジンツウ』もその中の一つだ。
前者は手数と攻撃範囲を確保しやすい点から。後者は物理攻撃が通りにくい相手に対してよく使用していた。
アフターストーリー産の相手って基本一筋縄じゃ行かなくて、武器固定してると詰む相手とか普通に出てくる。なので『これを極めて勝つぞ!』っていうことが基本出来ない。
武術の技量だけでは、どうしても勝てない相手も悔しいことに出てくるのだ。逃げと言われたら言い返せないけど、変なプライド持ってクリア出来なかったら本末転倒だし。
誰かが言った。勝つためには手段を選んでいてはいけないと。流石に誇りは大事にするけどさ。
最終的には技術と根性が物を言うけど、それ以外を蔑ろにしていいと言う理由にもならないし。マリアーデからそう教えられて以来、俺は武器に固執をせず、幅広く使いこなせるように修行したよ。
わかりやすく言うと某モンスターを狩るゲームで幅広く武器を使えるようになるように練習したってこと。『この武器使いにくいから無理』というのを理由にして使わないということをしないようにしたのだ。
ちなみに俺はとある狩りゲーではガンスとヘビィが主力武器。砲撃ってロマンじゃん? という訳でだ。そろそろ現実逃避は止めよう。でも正直それを出されるのは予想外すぎるよ。
と言うかフラグ回収早すぎないか? ねぇちょっとXさん? 絶対見てケラケラ笑ってるでしょ? アレ使わせたのこのための伏線だっただろ絶対。
「驚かないみたいですね姉上」
「関係ないよ。殺すだけ」
十分驚いてるよ。ただ表情に出さないだけ。というかお前らも最初から本気じゃなかったのね。この武器の性能見たらすぐわかるわ。
――――◇――――
双剣:『龍剣』
攻撃力+300
・龍種の爪を重ね鍛えて作った双剣。その切れ味は龍種の硬い鱗すら容易に切り裂くだろう。
――――◇――――
片手剣:『龍剣』
攻撃力+150
・龍種の爪を重ね鍛え上げた片手剣。その切れ味は龍種の硬い鱗すら容易に切り裂くだろう。
――――◇――――
直剣:『帝国騎士の直剣』
攻撃力+1500
・帝国騎士団に支給される直剣。国の未来を担う騎士に送られる直剣である以上、妥協は存在しない最高品質の武器
――――◇――――
名前と説明使い回しです。量産武器ですありがとうございます。あと帝国騎士の直剣は普通に強いです殺意高い。多分これイベント限定武器かNPC限定装備の類だろうな。
こんなのプレイヤー側に支給したらやばいよ。というか騎士団こんな代物支給されるのかよ。まぁ攻撃力高くても俺には反映されないから宝の持ち腐れだけど。
あと、今回は事情が事情だからクレイとイドルも、この武器を持つことを許してくれてるっぽい。多分だけど。許されなかったら即座に喰ってるだろうし。
「ミリアス、マクリス。油断するな。その賊は月光真流を使えるようだ」
グルドールさん俺の声を聞き逃してなかったか。言わなくても当然使えるけどやっぱり技名言いながら使いたいじゃんロマンだもん。というか俺の正体知ってて言ってるよねこの人。
「だったら余計に殺す」
「あの人と同じ技を使う賊を生かす価値なんてない」
ひっでぇ言われよう。あの人って多分マリアーデだよな。グルドールさんを関わりあるんだしここの騎士団と関わりあっても不思議じゃない。
あれ? ってことはこの二人マリアーデが鍛えたってこと? え、ガチじゃん。ヤバくない?
「死ね」
「嫌だって言っただろう」
そんなこと考えてたら姉・・・ミリアス? がその場で『ユウダチシグレ』を横薙ぎに振った。当然その攻撃範囲は知っているので借りている右手で持っていた『龍剣』に衝撃を乗せて迎え撃つ。
というか封印したってマリアーデ言ってたけど、普通に能力使えるのね君たち。俺の攻撃範囲にはまだ及ばないけどその距離から攻撃できる程度には扱えるのかよ。天才か?
『ゴウッ』と空気を歪ませる音が鳴り響き、相殺は出来たものの、持っていた双剣としての『龍剣』は砕け散った。脆いわけではないと思うけどこうも簡単に砕けるとちょっと悲しい。
「なぜ対応できたの?」
ミリアス (?)が少し不思議そうに聞いてきた。表情に変わりはないけども、疑問には思ったみたいだ。普通それを所見で対応できるとは思わないよな。
「それを俺が簡単n「死ね」・・聞いてきてそれはなくないかっ!!?」
今度は『ユウダチシグレ』を両方振るってきた。ディアが持っていた『帝国騎士団の直剣』を自分で持ち再度衝撃を載せて迎え撃つ。
そして案の定また砕ける『龍剣』と『帝国騎士団の直剣』。いやいや、自分たちの武器くらいもう少し大事にしなさいよ。俺が言える義理じゃないかもだけどさ。
《『ソレハ同意スル。武器ハ大事ニアツカエ』》
《『LAa〜』》
うわびっくりした!? なにお前ら融合したら出てこなくても俺と会話できるようになったの? びっくりだわ。ちょっとテンション上がる!
今更だけど、砕けたけど、武器持つ許可くれてありがとう。
《『ソレヨリ避ケロ。ソレカ受止メロ。シヌゾ?』》
わかってるよ!けどさこの姉弟。普通に強いんだよ。
「今度こそ死ね」
「言葉のキャッチボール否定かよっ!? 『ヴェノ』!!」
『ギィ』
ヴェノを起こし、両手で風の刃を迎え撃つ。非破壊装備はこういう時ありがたい。多分『天籟刀:ズイカク』でも対応できるけど、それを見せちゃうと俺の正体明かすことにつながるから今はダメ。
だからと言って『投刀:抛』では耐久力不足だし、『バスタードソード』も恐らく『龍剣』より脆い。『艶姫鳳戦刀:コンゴウ』はまだ早すぎる。試したいけどさ。
『双極剣』は今使うと変な誤解を生む可能性あるのでこれも除外。すると必然的に籠手で迎え撃つことになる。
「五之型『秋月』!」
裏拳で風の刃を殴りつける。今度は相殺ではなく一方的な破壊。風の刃だから一時的なものだけど再構築まで数秒の時間がかかる。
「姉上に気を取られ過ぎ」
「視えてたさ」
マクリスだっけ? 弟の方が姉の動きに合わせて接近していたのは知っていた。俺の正面に入り込むのが好きなのか、ほとんどゼロ距離まで踏み込んでいた。
「死んでくれ」
「断る。二之型『月黒』」
突きつけられた『痛撃剣:ジンツウ』と身体の間に手を入り込ませて受け止め、衝撃を吸収する。そして同時に『痛撃剣:ジンツウ』に触れたことによる激痛が身体に走る。やっぱり痛ぇよこれ。
「効いてない?」
マクリスはすぐさま移動して距離を取る。けど俺が無反応だったことに疑問は抱いたみたいだ。姉と違いコテンと首を傾げていた。ちょっと可愛いじゃねぇか。あと効いてるよバッチリ。めちゃくちゃ痛い。けど我慢出来ない訳じゃない。
嘘ごめん。嫌ってほど味わったから耐性出来てるだけです。マリアーデってこういう万が一への修行も欠かさないんだよ。だから自分の武器の恐ろしさは自分が一番理解してるんだ。
「姉上。この賊もしや人間ではないのかもしれません」
「関係ない。殺せばいいだけ」
人間じゃボケ。それを聞いてグルドールさんの空気が僅かにほぐれた。やっぱり俺のこと把握してるじゃねぇか。後でめちゃくちゃ笑われそう。
けどマジでどうしよう。この姉弟普通に厄介。怪我しても止めようとしないだろうし、精神力図太そうだから煽っても無理そう。
だからと言って普通に戦うと正体バレそうだし困った。正体隠しながら戦う縛りプレイなかったらそうでもないけどさてどうしよう。と言うかこの仮面便利すぎだろ。全然ばれてなぉいたぁ!!?
だから姉弟の姉のほう! 容赦なさ過ぎやめて!? いや、演習ならこれが正しいのか。
「ミリアス、マクリス。久しいな」
そんな時登場マリアーデ。やっぱり知り合いか。というか個人的にはナイスタイミング。まぁ俺のことはまだ知らぬ存ぜぬで通しそうだけど。
「師匠久しぶり。でもこいつ殺してから話す」
「少し待っていてください」
「お前たちの師匠になった覚えはないのだが・・・まぁ良い。余の愛弟子ならば”構わず普通に戦え”よ?」
「よくわからないけどわかった。こいつを殺す」
「この賊を討ったらまた稽古してもらう」
姉弟はよくわかっていないようだが、マリアーデの自称弟子らしい。けど今の言葉は二人にではなく、俺に言った言葉だ。了解。じゃぁ気にせずに戦うよ。
さてと、許可も降りたし出すとしようか。装備変更っと。あぁ、やっぱり仕掛けてきますよね姉弟ちゃんはい。
「『天雷風瓶エリシオン』」
でももう隠す必要ないし普通に使う。姿勢を低くして風の剣を回避、向かってくる弟を追い越して丁度ふたりの間に来るように止まる。そんでもって装備変更完了。
背中にコンゴウを担ぎ、ズイカクは鞘ごと手で持ち抜刀の構え。
「またあの人の技。やっぱりお前殺す」
「・・・姉上、少し妙です。師匠より速い可能性があります」
「なら余計に生かす価値はない。あの人を侮辱した罪は重い」
「・・・」
別にマリアーデのこと勝手に師匠呼びするのは構わないけど、後で俺の正体知って泣いても知らんぞ? まぁそうなったらそうなったでフォローするけど。
『天籟刀:ズイカク』を構え二人が動くのを待つ。気にせず戦うけど、やっぱり個人的にはマリアーデの十八番で勝ちたいよな。
居合の構え。神経は空気の動きに集中。呼吸一つ、心臓の音も聞き逃さないように意識を集中させる。
「死ね賊」
殺意高い姉が仕掛けてきた。弟は俺への警戒を上げているのかまだ仕掛けてこない。『エリシオン』見たからだろう。逆に姉は俺を殺すことに集中した結果、動いたというところか。
「天匠流抜刀術」
「姉上ッ!!」
予想できてしまったんだろう。俺への妨害の為動き出す弟。でも遅い。普通に戦っていいならその距離も俺の射程範囲でもある。
「『鏡雀』」
ここからは許可も降りたことだし、少しだけ本気で行かせてもらう。
師匠からの許可も降りたので隠さず襲撃襲撃♪
正体がわからない人も『あれ? あの太刀って確かマリアーデ殿が自慢してたお弟子さんの・・・』みたいな所にたどり着いている人も多数。
マリアーデ(数年前)『この太刀は我が愛弟子が最後まで戦い抜き、最後まで手放さなかった大切なものなのだ』
ミリアス『すごい。これが本物』
マクリス『つまり、私たちの兄弟子であり、あの方の武器・・・』




