270:過去が未来へ伝えていく思い
ついにアールと遭遇したクラス転移者たち。
実は掲示板にも顔を出しています。
NPCがシナリオに参加しないとは言ってませんから。
ちなみに全員名前出すと凄まじことになってしまったのでカットしてしまいました。名前は出なくても全員生存してますのでご安心ください。
ちなみに完全RP状態のアールは彼らがNPCであることに気づいてません。まぁ気づいたとしていそこまで驚かないでしょう。だってエクスゼウスも言ってませんもん『プレイヤーだけが参加している』とは一言も。あくまでも『シナリオ参加者』としか。
時間というのはあっという間に過ぎる。設けられた一週間という短い時間のなかで、教えられることは多くない。人数が増えればなおさらだ。
それでも彼らは互いに励ましあい支え合い、この一週間という時間の中で強くなっていった。仲間同士の絆も、戦士としての実力も全てだ。
泣き言を言う奴ももちろん居たし、効率が悪いと投げ出そうとしたやつもいた。けど俺は約束したことは是が非でも守るし守らせる。
ボイコットも反論も受け付けないし、苦手ならば克服するまで付き合ってやった。まぁ大きかったのは仲間たちとの支えがあったからだろう。
誰ひとり落ちこぼれることなく。月光征流の技を最低一つは教えることができた。そして相手を視ることの基礎。気配から相手を探ることも含めて。
今までいろんな人に教えてきたことをそのまま全て教え込んだ。
「時間だ」
時間が迫り、俺の身体が光に還っていく。見渡せばそこにいたのは一週間前よりも強く、頼もしくなった彼らの姿。
支え合う仲間のことを再認識して、このシナリオを生き残りクリアする意志を強くした表情をしている彼らの姿があった。
「君たちにこの体で、この時間で教えられることは全て教えたつもりだ。今の君たちなら必ず自分の思い描く未来を掴み取るものを持っている。俺はそう信じるよ」
「アール殿・・・・短い間でしたがありがとうございました。そして初日に見せた貴方への態度、彼らを代表して謝罪します」
このパーティーで最も年長者である『緒方』さんが消え行く俺へ感謝と謝罪を告げた。
「謝罪なんていいんですよ。現世に残ってくれた俺の意思が、未来を生きる人の力になれた。俺の名を、俺たちが駆け抜けたあの時代から先に続く貴方たちに伝えることができた。それだけで、俺は十分なんです」
「アンタ・・・」
「さぁ行け、未来を生きる者たちよ。君たちが望む未来を掴み取ることを、俺は願っている!待ち受ける困難を超えて望む可能性を掴み取れ!」
「「「はい!!」」」
「必ず掴み取ります。この剣に誓って」
「みんなで元の場所に帰る! そのために戦うって決めたんだしな!!」
「不思議で奇妙な時間でした。でもこの世界に来て、貴方の様な武人に会えたこと、それだけで得るものがありました」
「みんなで・・・帰る・・・です・・・!!」
彼らの決意を見届けて、満足した俺はそのまま光へと帰っていった。
――――◇――――
「ふぃー・・・ただいまです」
「「「「「・・・・・」」」」」
「あっれー? えっと・・・?」
おかしい。大体今までの流れだと、終わって戻ってくるとテンションが高くて凄まじい事になるのが当たり前だったのに、今は全員が物音一つ立てずにこちらを凝視している。
もしかして何か知らないうちにやらかしてしまっただろうか? もしそうならマズイ。俺のことを信用してくれたからこそ今回、俺はこっちサイドにいる訳だし。
こうなったらトリプルアクセル土下座を放つしかないだろうか? 菓子折りの用意はある。もうこうなったらやるしかねぇ!!
「アールくん!!」
「はい!! なんでしょう主任さん!!!」
怒られる。謝る前に先手を打たれた。こうなったら全てを有るがままに受け入れて謝罪するしかないっ!
「さっきのセリフ!! 最後に彼らに言ったセリフだけど!!」
「・・・」
生唾を飲み込み覚悟を決めた。なんでも来い。あるがままを受け入れる覚悟は出来た。
「ここでもう一回!! 私たちの前でやってくれない!!?」
思考回路が停止した。
・
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・・・・
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・・・・はっ!!?
「・・・・えっと・・・・では・・・」
「「「「「「「「「「『・・・・(ゴクリ)』」」」」」」」」」」
呼吸を整えて・・・よし。アールインプット完了。
「さぁ行け、未来を生きる者たちよ。君たちが望む未来を掴み取ることを、俺は願っている!待ち受ける困難を超えて望む可能性を掴み取れ!」
「「「「「「「「「「『・・・・』」」」」」」」」」」
だ・・・・ダメだったんだろうか?
「・・・・キュー(ばたり)」
「我が人生に一生の悔いなしっ!!」
「おばあちゃん。今からそっちに行くね」
『理解しました。これが快楽死・・・はわわわわわっ!!! ファー!!! ファァー!! フワァァ!!!』
「ハァハァハァ・・・今日まで生きてて本当に良かった・・・!!!」
「これで世界を敵に回しても戦える・・・!!!」
「ヤバイ。幸福すぎて吐きそう・・・この幸福感を吐きそう・・・オーバーリミット限界突破フルドライブバーストソウルブレイクして吐きそう・・・けぽっ」
「おじいちゃん。お母さんを産んでくれてありがとう」
「楽園はここにあった。これが理想郷だったのか・・・・」
「オケアノスはここだった・・・・あぁ、無限に死ねる」
「海賊王に俺はなった・・・もう何も欲しいものはない。愛してくれてありがとう」
「最後の命をここで使えて満足だった・・・・あぁ、満足であったぞ・・・」
なんかもうカオスすぎて絶句するしかねぇ。空気が一瞬止まったと思ったら大惨事だった。なんだこれ?
―――これがウチの連中だぜ?ガッハッハッハ!!!
なぜか大笑いしている天城社長の姿が目に浮かんだ。なぜだろう? パトレ〇ジャー。僕もう何が何だかわからないよ。助けてルッパーン。
あかん。俺まで壊れてきた。
――――◇――――
2時間ほど全員揃って休んだ。運営? アイちゃんが分裂して分身してまともな部分だけ切り離してやり繰りしてくれたよ。さすが超AI。やる事が違うぜ。まぁそんなアイちゃんもVR用の肉体で寝込んでたらしいけど。
「よし総員!! 覚悟は出来ているわね!! 私を!!いや!! 俺たちを!!」
「「「「「「「「「「「『俺たちを誰だと思っていやがるぅ!!』」」」」」」」」」」
「よし平常! 持ち場に戻りましょう!」
「イェッサァー!!」
本当に大丈夫?とか言ってはいけない。と言うか俺もそこに混じってたしなんも言えねぇ。大分染まったなぁ俺も。居心地がいいと思い始めた俺は間違いなく末期。将来ここにいるの間違いない。
実家の道場と掛け持ちにはなると思うけど。エクスゼウスって副業OKかな? たぶん実家のは副業にはいる可能性高いし。
「考えていることを当てましょう藤宮くん。うちは副業OKよ」
「読眼術?」
「読心術。あそこのPがそっち系を趣味で嗜んでるから信用できるわ」
「なるほど。説得力が高い。マジで前向きに考えます」
「たぶん実動班にはなると思うけど君なら大歓迎よ」
身体を動かす方が得意なのでありがたいです。
そうだ。休んで頭がスッキリしたからちょっと運営サイド権限使わせてもらおう。
「すみません実はお願いが」
「T!! メインモニターに彼らの様子を出しなさい」
「つまりこういうことでございましょう主任?」
「Exactly!!」
メインモニターに映っていたのは誰ひとりかけることなく、全員で力を合わせて強敵『キングリザードマン』を撃破していた剣部くんたちだった。良かった。ちゃんと勝てたんだな。
『・・・(カシャリ)』
「・・・・(#  ̄― ̄)〇」
「・・・(ササッ)」
「いや写真とっても別に怒らないので隠さなくていいですよ?」
別に写真撮られるのは嫌じゃないし。そう思ったので口にしたのだが、そんな俺の肩をがしっと掴んだ主任さん。
「アールくん。申し訳ないけど少しだけ静かに」
「あ、はい」
え? もしかして逆鱗に触れた?
「幸福の過剰摂取で今度こそ倒れるからサービス過剰で私たちを昇天させないで・・いやむしろして欲しいけどっ!! 今じゃない時にお願いします!!」
「「「「「「「「「お願いしますなんでもしますから!!!」」」」」」」」」
『あなたのために世界をとってくることも辞さないのです』
「「「「「「「「「「「Exactly!!」」」」」」」」」」」
「あ、はい。分かりました」
ならよかった。少し自重したらいいのね。了解了解。
アールによる転移者強化終了。
受け流しと相手の行動を予測して動くことを覚えました。
運営サイド書くの楽しい。




